Afton's Worst Ultimate custom night 作:Rat man
PM 11:43
デジタル時計が俺の生存を確認するものとなり、俺の終焉を告げるものとなる・・・
刻々と時間が進む。これから始まる惨劇の夜に向けてのカウントダウンが静かに響く。
奴は、ここにはもういない。本当に簡潔な説明だけで事を済ましてから消えていった。
無論、人形についての情報なんか皆無だ。どのくらいの数で誰がどのレベルで襲撃
しに行くかも分からない。ならば、猶予ある僅かな時間の中で一つでも多くのヒントを
見つけるしかない。・・・そうやって口に出すのはのは簡単だが、実際には何一つの
ことも分からない。機材の活用方法もそうだし、カメラは始まるまで起動できない。
せめて部屋の確認ぐらいさせても良いだろう・・・と愚痴っても此処の部屋で声が
虚しく反響するだけだ。他に動いているものは乾いた音で鳴り響く扇風機のみ・・・
PM 11:56
暫く待っているとある変化が起きた。
俺から見て右の廊下から僅かだが、足音らしきものが聴こえてくる。よく聴いてみると
こちらに近づいているようだ。・・・いや、近づいている!?
「おい!まだ始まってすらもいないだろうが!!嘘だろ・・・」
しかし足音は止まらずこちらに近づいてくる。どうすれば良いのか戸惑う俺は、苦肉の策
として机に置いてあったFreddyMaskを手に取り頭にかぶることにした。これはToyシリーズ
の奴らを騙すときに使用する代物だ。奴らは顔認証システムが上手く作動しなくて明細な
確認ができないのだ。この時、マスクを被れば俺を仲間だと勘違いし回避することができる。
この戦法で他の奴らを騙せるかどうかは知らないが、ほかにいい方法が無いのでこれに
かけるしかない。もう足音も間近に聞こえたとき、その姿を現した。
「・・・奴は、確か・・RockstarFreddyか?」
足音の正体は息子が店の経営をしていた時に設置されていた熊の機械人形であった。
全体的には綺麗な状態で整っており、紫色のシルクハットと蝶ネクタイを着飾った
割とお洒落な印象を受けた。・・・そいつが一瞬こっちに振り向いてきた。
「!?」
が、気にも留めずそのまま右の部屋隅に佇んだ。"ガコン!!"と音を立てたあとは
首を前のめりに倒しそのまま動かなくなった。
「・・・は?こいつ何しに来たんだ?」
結局そいつの謎行動を見るだけに終わった。真意も分からずに・・・
腑に落ちないでいると
"ジリリリリリリリリリリリリ!!!"
いきなりアラームが鳴りな出した。つまり、"ゲームスタート"である。
AM 12:00
早速電源の入ったカメラを見ることにした。起動された画面に映し出されたのは
8つの部屋であり、左右4つに区切られている各部屋を素早く確認する。CAM1と2は
廊下、CAM3と4は小さな小部屋、CAM5と6はカーテン仕様のステージ、CAM7と8は
パソコンが置かれている小部屋と人形売り場のようだ・・・。それと幾つかタップ
出来る場所が映し出されている。
「ん?この"換気口内センサー"と"ダクトセンサー"は一体なんだ?」
急いでタッチしてみると、直ぐに画面表示の切り替わり別の侵入経路が映し出された。
「うわ・・ここも奴らが侵入するための経路になってんのかよ。しんどいことだ・・」
しかし、今のところ異常なものは見つからず元の部屋の監視に切り替えた。こちらも
同様に機械人形は特に映っていない。何も映らない以上電力を無駄にするだけなので
一旦カメラの電源を切ることにした。・・と、この時電力を確認すると・・・
「は!?もう電力10%切ってんのかよ!やけに早くねーか?」
映し出された電力は残り90%になっており、時間を確認すると開始からまだ10分しか
経っていないことがわかる。この異常なほど電力の減りが早い理由は直ぐに検討が付いた。
「・・!扇風機か!?」
思えばさっきから作動し続けているこの機材が消費を早めているのではないか?
こいつは部屋の室温を低く保つ役割を持つがこのままつけっぱなしにすると、電力が
持たないリスクが高まってしまう。なので急いで切ることにした。
"カチ"
停止する音とともに直ぐに動かなくなった。これで、電力を少しでも抑えればよいのだが・・。
そして部屋に何らかの変化がないか確認した。・・・一応異常は見られないのでまたカメラを
起動することにした。部屋の様子を一通り確認するといきなり
"ふぉっふぉっふぉぉぉ・・・"
と、右の出入口からくぐもった笑い声が聞こえた。はっと顔を上げそちらの方に見ると・・・
そこには暗闇の出入口から目玉だけを覗かせている機械人形が立っていた。足音もなく・・・
「っつ!!」
俺は反射的に右の出入口を閉めるドアボタンを押した。直ぐにドアが閉まり侵入口を防ぐことに
成功した。すると、"ゴン!"と何かを叩き付けるような響きの良い音を聞いた。まるで獲物を仕留め
損ねて悔しがるような・・・兎に角危なかった。そしてここで新たな問題に気付いたのだ。それは
"カメラに映らない奴もいる"という事だ。さっきの奴もカメラで容姿を確認できなかったので
音を頼りに存在を感知しなければなりないのだ。
「クソぅ、当たり前だがやることが多すぎる・・・。」
だが、手を止めてはならない。他の部屋も確認する必要があるのだ。すると、CAM1に一体の
機械人形が映っていた。
「・・!こいつは・・」
左の廊下から現れたのは、かつて俺が殺した内の一人の餓鬼を押し込めた思い入れのある人形、
"Freddy"だ。どうやら奴は左の廊下から現れるらしい。だが、ここからまだ距離があるので
今すぐ襲撃されることはないだろう。そいつを確認し、他の部屋を確認に戻ることにした。
「そういや、ほかの侵入経路をまた確認する必要があるな」
取り敢えず、換気口内センサーを確認する。・・・まだ誰も現れていない。次にダクトセンサーを
確認する。・・・何か反応した!・・・三角の形をしたそれは、点滅しながらもこちらに近づいて
くる様子だ。不味い状況だ!何かこいつを遠ざけるものはないか!?そいつがいる場所にタップ
してみると、何か丸い形をしたものがそいつを覆うような状態で出現した。するとどうだろう。
そいつの動きが鈍くなっている。・・・よくわからないがこれでいいらしい。
「・・・暑っつ!!」
一通り作業しているうちに室内温度が上がっていることに気づいた。ずっと扇風機を停止したまま
にするのもよろしくないようだ。直ぐに起動させ室内温度を下げる。それと、Freddyの確認も
しなければならないので監視モードに切り替えた。・・・すぐそこじゃねーか!!
「やべぇ!!」
急いで左ドアボタンを押し侵入口を防いだ。・・少し遅れて音が鳴った。どうやらギリギリセーフ
だったようだ。確かあいつとの距離は結構離れていたよな・・・こんなにも進行が早いとは・・・
あと少しで遅れたら・・・想像もしたくねぇ・・・。
「ふぅ。」
室内温度も下がり改めて部屋を見渡すと、扇風機の上に小さい熊の人形が乗っているようだ。
「?なんだこいつ。」
体が白色に染まっており、口元の周りは紫色に色づけられているいるそいつはこちらをじっと
見つめている。・・・特に何もしてくる様子はない。てか、いつ侵入してきたんだ?ただ邪魔な
だけな存在なので放っておくことにし、再びカメラで部屋の確認をしていると突然
"ププププーーーーーーン"
と、甲高いエアーホーンが耳元に響き渡りカメラが強制的に取り下げられ代わりにさっき無視した
そいつが、俺の顔を覆いかぶさるように視界の邪魔をしてきたのだ。
「うわ!ちょ・・邪魔だ!」
何とかそいつを払いのけようと手を出したが既に消えて去ってしまったようだ・・・。
「何なんだホントに?あぁ・・くそ、耳が・・」
あの音がまだ耳の中に鳴り響いて頭が痛くなったが、手を止めるわけにもいかず、カメラを
立ち上げた。・・・"それがいけなかった・・・"
「・・うぉあ!?」
今度は手にしていたカメラを何者かに取り上げられてその場で"バキャ"っと破壊されて
しまった・・・。
「・・・は?」
今起きた状況に飲み込めず呆然と顔を上げると・・・
そこには、体がボロボロに朽ち果てており至る所に牙をむき出しにしてこちらを睨みつける
"Nightmare Fredbear"が静かに佇んでいた。
「・・・え?は?はぇ?い・・いつかr(」
戸惑う俺を無視するかのように、そいつは俺の胸倉を勢いよく掴んできた。隙も与えずに。
掴まれた俺は抵抗する暇もなくあっという間にそいつの手中に陥った。顔を近づけさせ
呆然している俺にこう告げた。
「・・・お前は僅かなことさえ気を配らずに注意を怠った。その慢性がお前自身の首を
絞める羽目になったな。お前の悪い癖の一つだ。さっき無視した時、あの甲高い音と
俺の笑い声が丁度重なってたんだよ。あの時、カメラを見る前に部屋の確認をしていれば
こんなことにはならずに済んでいたのにな。まぁ、そんなことはどうでもいい。」
・・・俺の顔は今まさに青ざめているに違いない。侮った結果がこれだ・・・。
そして、これから起きる事も考えるまでもなかった。もうどうすることも出来ない。
「・・・ふん、諦め早いのはいいことだ。さぁ、"覚 悟 は い い か ?"」
制裁の時間だ。それは一瞬の出来事であった。
持ち手と逆の手を突き出し、俺の体は簡単に貫通した。言いしれない激痛と不快感が襲い
悲鳴を上げる暇すらもなかった。内臓が破裂し呼吸も荒くなりまともに息も吸えない状態
になって視界が赤く染まった。部屋は俺の返り血や一部むき出しになった内臓で辺り一面に
ぶちまけられ、酷い匂いが漂うようになった。背骨も折れ、まともに態勢が取れなくなり
体がぶら下げられる姿はまさに"マリオネット"であった。貫通させた腕を抜き出し俺を
そこらへんに投げ捨てていき、意識が遠のく前に俺の耳元でこう囁いた。
死因:慢性による奇襲