Afton's Worst Ultimate custom night   作:Rat man

31 / 40
彼を知り己を知れば百戦殆ふからず。彼を知らずして己を知れば一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば戦ふ毎に必ず殆ふし。-孫子


reconnaissance(偵察)

PM 23:10

 

「さて・・・っと、今夜は誰を相手にしようか。」

 

 時刻は午後十一時を過ぎていつもの夜が迫ってくるのに対し、この男は以前よりも落ち着きを

払っている。初日からすっかり怯えていたあの頃とは打って変わってさ。では何故かって?それは

単純だ。自身で戦いたい相手を自分好みで選べるからだ。以前はどんな機械人形がやって来るのか

予測も出来ずに常に緊張感を漂わせながら対処するしかなかった。素性の分からない存在達に神経

を使わせて自身の身を守る手段を見つけなければならない日々を送ってきた彼にとって、これほど

嬉しいことはないのだ。

 

「そうだな、今回からは奴らの動きを細部までに知りたいし、先ずは偵察からだな。」

 

 ハッキリ言って今までの機械人形達はまだ本気を出していない状態であり、もしかしたらまだ俺

が知らない襲撃方法を隠し持っているかもしれないからそのための確認を、数日間費やすことに

決定した。

 

「てことで、最初はコンビ組からかな。ついでに複数体の同時処理は早めに練れておかねーと。」

 

 取り敢えず選んだのは左カーテンステージに出現するBonnieFoxyの二体。以前の夜で奴らが

いつの間にか入れ替わり、兎に一杯食わされたので何時のタイミングで入れ替わるか知る必要が

ある。なので最初のカスタムナイトはこいつらに設定した。

 

「AIレベルは・・・対処知っているしわざわざ低いレベルで挑む必要もねーだろ。」

 

 ということでレベルMAXの20に設定する。ポイントは1レベルにつき10単位でつくみたいで

最高は200まで跳ね上がる。つまり、今夜の夜を乗り越えれば今回の場合は合計400ポイントを

取得できる。

 

「よし、これで行くか。」

 

準備も整えたことだしモニター画面の右端にあるスタートボタンを押す。・・・僅かな時間が流れ

た後に午前十二時を迎えるアラームが響き渡る。

 

"ジリリリリリリリリリリリリ!!!"

 

 鳴りだした後は電力消費を抑えるために扇風機を停止させ発電機を稼働する。騒音に反応する奴

らは今夜出ない設定にしてあるので心置きなく稼働できるのだ。早速部屋の様子を見ようと端末に

手を差し伸べるが先に確認しなければならないことに気づき手を止める。机に置いてあるFoxy

人形を見る為だ。

 

「恐らくこの人形が入れ替わりの知らせ役を持っているはずだ。今は狐の人形になっているが俺

が見ている間に・・・。」

 

 一度確認し今度こそ端末を立ち上げて廊下から左のカーテンステージに部屋を切り替える。そこ

に狐の機械人形がこちらを覗きこむ姿を確認し、数分間監視をした後は監視を中断し端末を下す。

すると案の定、狐から兎に人形が入れ替わっていた。この状態でさっきの部屋を監視しようと起動

した途端

 

!!!!!!キィィエェェェアアァァァァァァァ!!!!!!

 

 咆哮に近い絶叫を上げてすぐ画面モニターが砂嵐に切り替わる。何処を変えても同じ状態になる

ので別の部屋に変えて少し待ってみると画面が元に戻った。修正にかかる時間は大体2分くらいで

まぁまぁな遅延を発生させるのを確認する。此処でもう一度端末を下し人形を確認すると兎から狐

に早変わりしているので立ち上げてさっきのステージをチェックすると、元通りに狐が佇んてる。

 

「なるほど・・・仕組みは分かった。でも一々こいつらを見るのは無理そうだな。人形組と時間が

 被っちまうと監視も出来なるからなぁ。」

 

 ここで早速課題が現れた。仮に人形組を牽制したらFoxyを見る機会が無くなり奴の進行速度

を上げちまう羽目になる。そうなったら最速の時間でこの部屋に侵入されかねない。だが人形も

買わない状態で狐の牽制をするのは危険だ。どうすれば・・・

 

AM :3:29

 

 三時間が経過し、たった二体の機械人形を牽制しているときに、ふと疑問が浮き上がる。

 

「・・・ん?待てよ、確かFoxyの場合は常に見なければならなくてBonnieはその逆。てことは

 兎の人形に切り替わっている間は狐の進行速度ってどうなるんだ?・・・止まるのか?」

 

 もし仮に、この考えが正しいのなら兎の人形になっている間はわざわざ見なくてもいいという事

になる。寧ろ兎の人形に切り替わっても進行速度が進むのなら対抗策は死のコインで除去する以外

無いに等しい。

 

「なら、兎の人形に切り替えさせれば見る手間が省けるじゃん。これはいいアイディアだぞ。」

 

 掴んだ情報は兎に角試す。少しでも有利に立つために、早速行動を起こす。今は監視してる状態

なので右廊下にカメラを固定し一旦端末を下して人形を確認する。・・・まだ狐の状態なので換気

ついでに端末を立ち上げて換気ボタンを押し即端末の電源を切る。・・今度は兎の人形に変わった

のでそのまま次の換気知らせが来るまで放置することにした。電力を確認すると現在の時点で80%

も残っている状態に少し驚いた。・・・そりゃ頻繁にドア閉めたりオルゴールを起動する機会も

殆どないから有り余るわけだ。こうしてまた暇な時間が過ぎていく。

 

AM 4:35

 

 換気の警告が表示されたので頃合いかと思い、端末を起動し換気ボタンを押した後は一旦下げ

て人形が狐になっていることをチェックし再び立ち上げてカーテンステージにカメラを合わせて

みると・・・

 

「・・・思った通り!奴の進行速度を抑えられている。」

 

 姿こそカーテンから若干はみ出ている状態であるが一時間も経過しているなら今頃襲いに来て

もおかしくない。それがないという事は、さっきの考えが正しいと証明されたのと同じだ。検証

の結果でこの作戦が使えることを把握したので少し優位に立てると感じた。

 

「後は切り替わる時間だな。こいつさえ把握すれば・・・」

 

 タイミングは抑えられた。だが切り替わる時間は分かっていないので先程と同様の手段で今度

は端末を立ち上げる猶予時間を図ることにする。また暇な時間を潰さなければいけないが・・

 

AM 5:47

 

 室内の空気を換気する時間がやってきたので端末を立ち上げ同様の作業をし、即下げるように

する。狐になっていることを確認し時間を計る。

 

「取り敢えず15秒にするか。」

 

 秒単位で測るときはデジタル時計の秒数を見る必要がある。自分で数えるよりも正確性がある

からだ。1秒のずれも許さないように数える。

 

「1・・2・・3・・4・・5・・」

 

 時間を計り、規定の時間が来た瞬間に端末を立ち上げて急いで下げる。そして人形を確認すると

・・・

 

「・・・よし、変わっている。これならもう少し時間を縮めることも出来るな。」

 

 どうやら秒単位で奴らは切り替わるみたいだからこの時間を覚えていくようにしよう。そして

気付いたときにはあっという間に朝を迎えるチャイムが鳴りだした。

 

"♪キーン、コーン、カーン、コーン、カーン、コーン、キーン、コーン♪"

 

「ふぅ、これでまた新たな対処法を見つけ出すことが出来たな。この調子で他の奴らも同じように

 探ってみるようにするか。」

 

 無事朝を乗り越えたことにより計400ポイントを入手した。・・・これ溜まるごとに何かもらえ

ればいいんだが。




"どんな敵でも必ず綻びを持っている。だが、それを過信するのも注意が必要だ。"
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。