Afton's Worst Ultimate custom night 作:Rat man
「すげぇ・・・たった一夜で2500ポイント獲得だ。」
前夜の夜を乗り越え無事朝を迎えられた俺は、モニター画面に表示されている獲得ポイントを
確認して感心している。レベルが低いとはいえ、なんせ五十体の機械人形を相手にしていたから
肉体的にも精神的にも疲弊が隠せない。その代償を払って手に入れたポイントは、俺が苦労して
夜を乗り越えた証にもなるので嬉しさを感じられずにはいかないのだ。
それに規定されたポイント数を超えたのか、モニター画面に新たな項目が追加されていた。部屋
の取り換えという内容で2000ポイントを獲得した報酬として、別の部屋を用意したと表記されて
いる。
「・・報酬が新たな部屋?この部屋よりも過ごしやすい環境を用意したと解釈すればいいのか?」
何だか想像が出来なく、ピンと頭に来るものがないので一度保留に留めておく事にした。それ
よりも全ての機械人形をAll Level 5の設定で制覇したから次への挑戦を受けなくてはいけない。
All Level 10だ。難易度でいえば普通よりも難しいぐらい・・かな?まぁ、難易度が上がるだけ
でやることは同じだ。前夜と同じように作業をすればいい。
「注意すべきなのは奴らの進行速度と猶予時間が早まるぐらいかな。」
そこだけさえ注意すれば大丈夫だと思い、俺は次の夜が来るまでの時間を作業の練習に当てて
一日を過ごした。
・・・・・・・
"ジリリリリリリリリリリリリ!!!"
開始のアラームが鳴り響く中、何の前触れもなく一瞬だけ意識が途切れ、辺りが真っ暗闇に
染まる。
「!?・・・・・・・・な!?」
しかし本当に一瞬だけで直ぐ意識を取り戻し、瞼をを強引に開けて視界を確保した途端驚愕な
光景を目にする。今まで自分が過ごしてきた室内がガラリと変わっているのだ。装飾は勿論の事
見たことのないオブジェクトや幾つもの管、酸素ボンベ?らしきものが無造作に設置されており
照明も若干暗い感じで調整されている。明らかに雰囲気が変わっていて不気味さを醸し出すには
十分な環境である。それを意識が途切れる一瞬で全て手配したと考えると、とても信じられない
事である。
「一体どうやって・・・いやいや、そんなこと言ってる場合じゃない。急いで作業に戻らねーと
間に合わねぇ!!」
今の出来事に呆気を取られてもう審判の夜が開始しているのをすっかり忘れた俺は、大急ぎで
持ち場に戻り作業を開始する。扇風機を停止させ、発電機を稼働させると開始も間もない時点で
白黒の幻影が浮かびあがるのを確認した。いくら何でも早すぎるから少し驚いてしまう。しかも
前夜と比べて実体化がやや早くなっているので直ぐに視線を端末の画面に移した。
ダクトホースの中にいる連中をオーディオ・ルアーで侵入速度を遅らせ、カメラシステムに戻
してからコイン集めを開始する。今度はあまり画面を覗けないので部屋の侵入組を誘発させる為
に端末を覗く動作を繰り返す。すると直ぐに右ダクトからBBが、扇風機の上にHelpyが頻繁に
出現したのでその都度対処してコインを貯めていく。何度か白黒の幻影がちらちらと視界に映り
こんだので白い熊人形を触れることが出来ずに視界と聴覚を妨害される。また、Nightmare BB
も端末を覗き込む度に立ち上がってくるので一々ライトで照らさなければいけなく、作業が著しく
低下する。この間に奴らの進行速度が速まってくるのでたまったもんじゃない。
何とか十枚コインをかき集めたので急いで端末を起動し人形売り場にカメラを切り替えて死の
コインを購入する。っとここで広告が邪魔に入り作業が一時中断される。スキップボタンを押し
て元の画面に戻すと今度は左右の通路から笑い声とメロディーが聞こえてきたので進行方向に
合わせてドアを閉じる。・・・追い出したのを確認しオルゴールを作動させてから全てのドアを
閉じて端末を起動し、右のカーテンステージにカメラを合わせて死のコインを使用する。引っ込ん
だら右廊下に切り替えてそのまま端末の電源を切る。
「ってまだ人形が狐のままだ。もう一度立ち上げねーと」
机にある人形が兎に変わっていないので仕方がなくもう一度立ち上げることにした。丁度換気
警告も出ているので、今のうちに済ませたほうがいいと思い起動したら換気ボタンを押してその
まま端末を下す。今度はちゃんと兎に切り替わっているので一通り面倒な作業はこれで終わった。
時刻を確認するともうすぐ一時になるところだ。此処までは順調に行ける。そう、此処までは。
「部屋が蒸し暑くなったからそろそろエアコン付けておくか。」
オルゴールを一時停止し強力エアコンを作動させる。一気に涼しい風がこの狭い空間を包み込み
気分が少し楽になる。適度な室温まで下がったら再びオルゴールに切り替えて次の襲撃が来るまで
待機する。・・・言ったそばからToy BonnieとToy Chicaが左右に接近したのでマスクを頭に
装着し襲撃を回避する。立ち去ったらマスクを外し、唸り声を上げている凶悪なクマの子分たちを
ライトで退散させる。
「ふぅ・・やっと静かn(♪プルルルルルルルルルルルルル♪)言った途端これだよ・・・」
一通りの対処を終えたと思ったら静寂を邪魔するかのように無機質なコール音が流れだした。
本当に何処から鳴っているのか今までは不明のまま放置していたが、偵察期間の時期に漸く発生源
を特定したのでミュートするためある場所へ向かう。誰もいないことを確認し椅子から立ち上がり
部屋の真正面に置かれているテレビの裏側を確認する。
「・・・思った通り。ホント良く見つけたもんだ。」
そこには全身真っ黒に染め上げた如何にも古い代物である固定電話があった。こいつを探すのに
どんくらいの時間が掛かったと思うんだよと悪態付き、ミュート(消失音)に切り替える。すると先
程まで喧しく鳴り響いていたコール音が鳴りやんだ。これで騒音ゲージを貯めずにすむ。
消し終えたら元の指定席に戻り引き続き対処の作業に移る。発電機を作動させ電力を維持し、
なるべく消費を抑える事に徹底する。・・・ニ十分経過した頃に何度目かの換気時間がやってきた
ので、換気の間に襲撃されないよう全てのドアを閉じてから端末を立ち上げる。・・・この時、
何故か嫌な感じが急に湧き出てきて鳥肌が立ったんだが気にせずに換気ボタンを押した。その瞬間
右廊下に繋がるドアから激しく叩く音が聞こえてきた。・・・尋常じゃない音で。
「!!。Rockstar Chicaか?いや、彼女の進行方向にちゃんと看板を設置したはずだ。だったら
一体だr(!!!!!!ドゴォォォォォォォォォォン!!!!!!)・・・・・・なんか既視感が」
うん、薄々気付いていたが機械人形の牽制に失敗したんだと思う。吹っ飛ぶまではいかずとも
鉄製のドアに大きな風穴が開いていた。ものの見事に。そして破壊した張本人が入ってきたんだが
「・・・ふぁ!?」
意外な奴に俺は少し間抜けな声が上がった。そいつは確か、ボーカルメインでの担当であるはず
なんだが右手にはマイクの代わりにゲームに使用すると思われるコントローラーを握っており、
頭にはヘッドホンを装着していたのでさっきまでゲームをしていたと思われるがそいつの顔を見る
と、明らかに怒り沸騰で顔が震えていた。・・・そいつを見て何が原因で怒らせたのか直ぐに見当
がついた。
「・・・お前、ゲームで負けたのか?」
俺がそう告げるとそいつは震えていた体を止めてこちらにゆっくりと顔を向けた。・・・眼球が
飛び出るんじゃないかと思うほどむき出しにして精一杯にらみつけくるので恐らく図星だろう。
そいつ・・・・・Toy Freddyが震えた声で何かを喋りかけていた。
「・・・・・・・・」
「・・え?」
「・・・・・・え・・せ・・・」
「は?」
「お前のせいだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
怒りの沸点が達したのか奴がブちぎれてコントローラーをぶん投げてきたので咄嗟に躱すと
不自然な動きで距離を詰めていき俺を床に叩き伏した。思いっきり叩き付けたもんだから体中
に痛みの振動が伝わっていく。
「ぐ!!うぅぅ・・・」
制裁を受けるのは久しぶりなもんだから強烈な痛みが走りだす。それにしてもたかがゲーム
如きでここまで切れる奴もそういないんじゃと馬鹿の事を考えていると気が収まらないのか、
ひたすら俺に殴る、殴る、殴るを繰り返す。顔面負傷になるのは本当に早いもんで顔が腫れた
のか、或いは顔の骨格に罅が入ったのか分からないが尋常じゃない痛みが襲い掛かる。
・・・・・ひとしきり殴り倒した後いつの間に用意したのか、奴の顔そっくりのガワを俺の
頭に無理やり装着した。
「!!!!!!!!!!!!!!」
当然だがそのガワは、ワイヤーやら骨組みやらで色んな部品が押し込まれているのでそんな
もんに詰められたら最後、顔の至る所から部品が突き刺していき顔面は勿論の事頭部から下顎
まで貫通し言いようのない激痛と不快感に襲われ・・・・・・意識が遮断された。
"彼らの祭りにはまだまだついてきていないみたいだね"