Afton's Worst Ultimate custom night 作:Rat man
「駄目だ駄目だ。こんな考えじゃ何時まで経っても進まない。」
先程まで狂ったように究極の夜を挑み続けたが、成すすべもなくやられるだけで無駄な命と時間
を浪費する事にいい加減気付いた俺は、一時的に挑戦を止めることにする。頭の中に浮かび上がる
ネガティブな思考を取り払うために深呼吸を繰り返して平常心を取り戻そうと試みるが、死に過ぎ
たもんだから命に対しての軽視と軽い鬱にかかってる状態でとても心が落ち着くはずがなかった。
目を閉じるたびに俺が血祭りにあげられる光景が浮かび上がり、その都度部屋の周りから誰のもの
でもない野太い笑い声が響き渡って、机の上に人か動物なのか判別できない程歪んでいる顔が俺を
睨みつけてくる。殺戮のフルコースに幻覚と幻聴を付け加えてくるから余計に最悪な気分になって
きた。
「・・・不味い、本当にこの考えを無くしていかないと何時か俺という自我までぶっ壊される。」
流石にそうなるのは御免だと思い強引に思考を停止させて、今はもう何も考えちゃいけないと俺
自身に呼び掛けておき、一度机に突っ伏して気分が少しでも良くなるまで体を動かさないよう仮眠
をとる。幸いなことに睡眠の時間は任意で確保できるから好きな時に眠れる。狂いそうになる俺を
正気に繋ぎ止めてくれる唯一の手段を使わずにはいられなかった。
・・・・・・・・・・
「・・・ふぅ、さっきよりかはましになったな。」
ずいぶん長いこと寝ていなかったから気分はだいぶ良くなり、思考も少しだけだが出来るように
なる。体を伸ばして改めて深呼吸を繰り返し、眠りから覚めるようにする。そして意識がハッキリ
した所でこれからの行動について考える事にする。
「先ずはやっぱり隠しキャラ達を何とかしていかねーと。あいつらを攻略しない限り、先に進む事
は不可能だ。」
数も対処法も把握していない状態で今までは挑んできた。それすら間違ってるのにも気づかない
俺も馬鹿そのものだがな。だが逆にそいつらさえ何とかすれば、今まで通りにコイン集めやら対処
の作業に戻ることが出来る。言ってしまえば奴らの厚い洗礼を受けるだけだから、従来の対処次第
で朝を乗り越えることも可能。・・・そうと決まれば早速行動開始だ。
"第一関門は隠しキャラ達の襲撃を完封する事"
挑戦設定を先程と同じように設定し、究極の夜を開始させる。・・・開始のアラームが鳴り響く
のを聞いて素早く作業に取り掛かる。DeeDeeの亜種は大体十五秒前後で現れるのでそれまで同じ
ようにダクト組をオーディオ・ルアーで誘導させ、Toy Freddyのミニゲームに一度だけ付き合い
人形売り場にカメラを固定する。続いて端末を覗く動作を繰り返し侵入組の機械人形達を誘発させ
コインをかき集める。三枚ぐらい集まったタイミングで奴が不規則な動きをしながら出現してきた
ので一度コイン集めを中止し、隠しキャラたちを召喚させる。・・・一体目はShadow Bonnieが
部屋に出現、こいつは唯部屋を真っ暗にするだけなのでよく目を凝らしながら襲撃を窺う機械人形
達を確認すれば事故は減る。対処しているその間にも次の刺客が送りこまれてくる。・・・二体目
は恐らくPlushtrapだろう。この部屋にいないってことは画面モニターの何処かに出現
しているだろう。なので奴を探し出す必要がある。
しかし、こいつを探し出すにはあまりにも困難を極めた。監視カメラで覗いてる間は劇的に侵入
速度が上がって頻繁に機械人形達が訪れてくるし、Phantom BBやPhantom Mangleによって
画面モニターを見る暇を与えないから見つけ出す前に何度も死を味わう羽目となった。部屋を一回
切り替えるたびにノイズ音が発生し、広告等の視覚妨害、時間が切れてPuppetやFuntime Foxy
に手を掛けられるなんて事はざらさ。だがこっちも死に物狂いで挑み続けて、多分五~六十回目の
挑戦の時だろう。漸く居場所を判明することが出来たのさ。
あいつは右の海賊入り江に出現していた。・・・カメラでギリギリ捉えられる右端に椅子の上で
佇んでいるのをしっかり目視したから間違いない。まぁ、その後Toy Freddyに侵入されたので僅
かしか見れなかったよ。けど、対処法も何となく把握できる。どうせ数秒見つめるんだろ?これで
二体目の隠しキャラも攻略したのと当然だ。そして次は三体目のNightmare Chicaなんだがこれ
は割と早く対処法を見いだせた。室内温度を下げる時丁度奴が現れたタイミングで作動させたら急
に上下から押し寄せてくる鋭い牙を引っ込めたから、冷温に弱いと直ぐ気付くことが出来た。
・・・まぁ、マグレだがな。けど一応これで三体分の動きと対処を把握できたから、活路が見い
出せた気がした。
「やっっっと進める・・・」
以降は新たな作業を付け加えて挑戦してみる事にする。・・・効果が効いたのか以前よりも長い
時間まで伸ばすことに成功した。三十分までしか持たなかった究極の夜も何と初である二時の時間
帯まで持ってこられたのだ。此処まで来てようやく進歩の兆しが見え始め、若干だがクリアできる
という可能性が浮上してきたので気力を少しずつ取り戻してきた。手詰まった作業も飽きなくやり
続けるうちに、だんだん慣れてきたのか機械人形達の同時対処は勿論の事、円滑にコインを集める
のも楽になってくる。そして一時を過ぎる段階で案の定、新たな隠しキャラが追加されてきた。
警備員室内に出現し右から左へ横切るピンク色の兎Bonnet。鼻をタッチし引っ込めないと襲撃
されるという斬新な対処法に一度翻弄されたが二度目ですぐ慣れた。・・・白黒の幻影とそいつの
行動範囲が被るのは本当にやめてほしいが。五体目は一定時間の間限定で俺の顔に引っ付いてくる
バレリーナのミニ版Minireenas。Plushtrapに次ぐ厄介な敵でほとんどの視界を奪っていくから
襲撃の予兆の確認が必要なFoxyやNightmare BB、Nightmarionne、Scrap babyとの相性は
最悪な意味で抜群だ。おかげで事故による襲撃が死因の大半を埋める羽目になる。けど、僅かだけ
なんだが隙間は空いているので慎重に作業を進めればなんてことはない、大体一時間ぐらいで勝手
に去ってくれる。そして六体目が画面モニターに姿を現してビープ音で聴覚を妨害する顔だけ狐、
Lolbit。ハッキリ言って害悪な塊そのものであり、騒音ゲージもトップクラスで急いで対処しない
と色んな意味で大変なことになる。先ず機械人形達の進行速度を激化させ音による感知も出来ずに
接近音など聞けないというリスクが跳ね上がり、更には騒音ゲージで襲撃する奴らを煽りだして意
のままに襲わせようと仕向けてくる。そうならないように対処をするんだが、その方法も超特殊。
「LOL」という単語をモニター画面に沿ってなぞらなければいけない。・・・しかもこいつが消え
るまで何度も行うんだ。
一見簡単そうな作業に聞こえるが面倒な事この上ない。だから大急ぎで文字をなぞる必要がある
・・・なんか想像したらシュールな光景が容易に浮かんでくるんだが。え?どうやって分かったか
って?・・・画面に表示されていたよ。兎も角、こいつを最後にもう追加される事はなかったから
実質六体の隠しキャラの存在を確認した。一通りの対処は覚えたので後は、完全に掌握できるまで
ひたすら挑戦の繰り返しだ。・・・取り敢えず三時まで持ってこれるように。
・・・・・・・・・・
「・・・よ・・漸く、でき・・・た。」
あれからどのくらいの時間が経過したのだろうか?いや、究極の夜を乗り越えない限り時間自体
は進まないようになっている。死亡回数も恐らく四桁を上り詰めてきた所だろう。相変わらず精神
が可笑しくなって今にも自尊心が壊れそうになっているんだが、前よりかは何故か楽観視になって
憂鬱までには至っていない。それでも十分重傷だが、何か・・・憑き物が取れた感覚がする。
それに先程の夜で何とか三時まで生き残ることに成功したので取り敢えず全隠しキャラの完封と
いう当初の目的は完遂した。次の鬼門となるコイン集めも同じ作業をひたすら繰り返したので迅速
にかき集める事も可能となったから、これもクリアの範疇に入る・・かな?後は死のコインを使用
する間に猶予時間が極端に短い奴らがやってこないよう祈りながら、電力を維持させオルゴールと
室温の管理を把握し奴らの侵入を全て防ぎきれば・・・
「・・・やっと、クリアの道筋が見えてきたぞ・・。」
今までは絶望の渦中をさまよい続けて唯がむしゃらに道を歩んでいたが、結局の所は機械人形達
に弄り殺されるだけに終わり通過点もいかずに心が折れかけていた。実際今も正気を保ってられる
かと聞かれたら首を縦に振れないだろう。しかし、幾度の犠牲と血の滲む様な挑戦をしていく内に
僅かずつであるが、この地獄の夜を乗り越えれるように着実にゴールへ近づいているのが身にひし
ひしと伝わってくる。なので俺はいつの間にか、この苦行に対して強気で挑めるようになってきた
・・・そう感じたんだ。
「散々煮え湯を飲まされてきたが、今度は奴らが辛酸を味わう番だ。・・・もう、何も怖くねぇ」
俺はこの究極の夜を何が何でもクリアして、奴らに一泡吹かせてやると決意する。意味?価値?
そんなものはねぇ。第一、こんなことをやってもあいつが俺をこの地獄から解放してくれるとは思
ってない。そう、意味のない事に奮起している俺を見て奴は嗤ってんだろう。・・まるで俺が行っ
てきた殺人そのものに意味がないように、この場所もそういった一種の暗示をして存在していると
思ったこともある。・・・だが、一度決めたものを途中で放り出すつもりはない。
「たとえ俺と俺の罪を裁いても、奴らに無意味だという事を思い知らせてやろうじゃねぇか!!」
気付けば俺は口角を上げて薄ら笑いを浮かべていた。罪人を裁いても決して心変わりしない事実
を奴らに突き付けてやる。奴らだってうんざりしてるんだろう?潰しても潰してもゴキブリのよう
に湧きあがる俺を見てさ。何なら審判自体を放棄させるまで徹底的にやってやるよ。奴らもまた、
俺を永遠に裁き続けるという呪われた運命から抜け出せないように、俺もこの地獄から永遠に抜け
出せないという運命を背負って今回も挑戦しつづける。そう、どちらかが身も心も完全に壊れてい
くまでに・・・
「・・・ふぅ~ん。彼はどうやら僕らと限界まで戦い続ける気だよ。Foxy」
「・・・っけ、好きにすればいいじゃねぇか。」
「まぁ、退屈しのぎになるから僕は悪くないけどね。あいつがウザい事には変わりないけど。」
「・・・お前がちゃんと働いたところなんか見た事ねe(殴打 何すんだよてめぇ!!」
「カメラを故障させてからいつも君を送り届けるのは一体誰だろうね。」
「・・・何かすまん。」
「分かればいい。後あんまり大きな声で叫ばないで、五月蠅いから。」
「・・・それは我慢してくれよ。こういう声帯なんだからよぉ。」
"先に朽ち果てるのはどちらだろうな?"