Afton's Worst Ultimate custom night 作:Rat man
"チッ・・、チッ・・、チッ・・、チッ・・、"
「・・・」
時間が過ぎるのは早い。あっという間に夜を迎え、これからまた"恐怖の夜"が始まろうとしている
のだ。手が震えてくる・・・。この時間が来るまで策を考え、自分なりのスムーズな作業が出来る
よう頭の中でシミュレーションを何度もする。無論、一回で成功出来るとは思えない。奴は、俺が
考えそうなことなど予め想定しているのだ。発電機のことについても何の対策もしないことはまず
有り得ない。それが出来てしまえば一晩中ドアを閉めっぱなしにしても安全に朝を迎えるからだ。
"チッ・・、チッ・・、チッ・・、チッ・・、"
「・・・」
なので、効率的に動く必要があるのだ。カメラのチェック、扇風機の切り替えるタイミング、機材
や今朝渡された"アイテム"の有効活用、そして"未知の機械人形"の情報収集だ。これが最も重要と
なる。新たに出現するなら、今までのやり方では簡単に支障を起こすからパターンも常に変え
なければいけない。そこを怠れば直ぐ死に直結する。
"チッ・・、チッ・・、チッ・・、チッ・・、"
「・・・」
時間が俺を焦らせる。冷静に考えても何が起こるかわからないこの状況。一度恐怖に陥れば簡単に
策が崩れる。頭の中では分かりきっているのに、実際には上手く行動に移せないのだ。そこを奴ら
が上手く狙ってくる。死に怯えるものと怯えないものではこんなに考えが違ってくるのだ。俺も
あの着ぐるみにいたときは、"襲撃者"の立場にいたので強気でいられたが立場が逆転し、隠れる
立場となってしまった。俺を守る者はいない・・・なら、"俺自身が身を守るしかないのだ。"
・・・そして時が来た。
"ジりリリリリリリリリリ!!!"
AM 12:00
先ずは昨日と同じようにカメラを立ち上げ素早く部屋の確認をする。・・・右の小部屋に変化が
起きている。"Musix Box"という文字とその下にゲージ棒が映し出されていた。
そのゲージ棒が僅かだが減り続けている。心当たりは一体しかいねぇ・・・
「"Puppet"だな。どうせ切れたら終わりという猶予の概念も知らねぇ奴だ。」
ゲージ棒をタップするとネジを巻き直すような音と共にゲージが増えた。それを確認し他の部屋
を確認する。・・・今度は右のカーテンステージに一体の機械人形が佇んている。
「あいつは・・・"Funtime Foxy"か。」
姉妹店で見かけた狐の機械人形だ。白とピンクのカラーで構成されており、えらくメタリックな
作りをしている。83年代の技術で作れるような代物ではない。・・こんなどうでもいいことを
考えるんじゃない。今はこいつの対処法を知らなければ。・・・よく見るとステージのそばに
小さな看板が佇んでおり、そこに"Show Time at PM 2:00"と書かれているのを発見した。
「・・・この時間帯に見ればいいってことか?」
取り敢えずここを後回しにし別の部屋をチェックした。・・・他には変化がないようだ。ここで
カメラをいったん閉じ、初めて使う"発電機"を扇風機と併用して起動した。
"!!ヴォォォォォォォォン!!"
「うわ、結構な騒音量を出すんだな・・・」
起動と同時に部屋全体に音が反響した。それほどまでに五月蠅いものなのだ。まぁ、この音に
慣れるしかないか。こいつが電力を大幅に抑えられるならば・・・
またカメラを起動しさっきの右の小部屋を確認する。・・・さっきよりゲージ棒が減っている。
直ぐに巻き戻す。満タンになってから他の部屋に切り替える。・・・変化なし。通気口内
センサーに切り替える。・・・ここも異常なし。ダクトホースの様子は・・・何も反応しない。
特になければ直ぐにカメラを下して部屋の確認だ。左右を確認・・・右下に何かいる。
「・・・"BB"か?」
こちらを覗き様子を見ている"BB"が右下のダクトに出現しているのだ。しかし、一向に入る様子
はない。こちらがカメラを見る時に入ってくる形式なのか?だが念のために直ぐドアを閉める。
・・・音が鳴った。撤退したようだ。電力を確認すると・・・
「おお!扇風機付けっぱなしでも全然電力減っていねぇ!」
あれから20分経過しているが僅か3~4%しか減っていない。やっぱり発電機の力は偉大な物だ。
暫くは扇風機を切る必要はないだろう。一通り部屋の確認をした後はカメラを素早く起動
する。だが、部屋の画面ではなく赤い人?が釣り・・?をする画面がいきなり表示された。
"Catch the Fish"
という文字が映し出されており他の画面に切り替えられなかった。
「は?ちょ・・なにこれ?」
この現象に戸惑い、ペースが乱されてしまった俺は思わず動きが止まってしまったのだ。
すると、何かゲーム音みたいな音が鳴り"Error"と表示された。・・・タップしても
反応がない。故障させられた!?この状況は不味い!!
「おいおい、これ直るのか!?直らなかったらやばいぞ・・・。」
焦った俺はやみくもに画面をタップしているといつものような部屋が映し出された。
・・・どうやら一時的なものらしい。心臓に悪りーよこれ・・・。対応が遅れて
しまったので急いで右の小部屋に切り替えそれの確認をする。・・・半分まで減ってる
じゃん!直ぐ巻き戻しほかの部屋を確認する・・・
AM 1:13
"!!!!シャーーーーン!!!!"
「うわ!」
部屋の確認をしているといきなり部屋全体にシンバルの音が鳴り響いてきた。音の
発生源は俺の真後ろから聞こえるので振り返ると、
「っつ!!おまえいつからそこにいた!?」
何とそこには巨大なシンバルを手に持ちテンポよく鳴らし続ける機械人形が立っていたのだ。
しかし、俺の質疑に答えられるわけもなくただ鳴らすだけだった。
「こいつは・・・どうすればいいんだ?」
はっきり言って対処法が浮かばないのでそのまま放置するしかないのだ。・・・なんか腹冷えて
きたな。扇風機を付けっぱなしにするのは流石に寒いのでいったん電源を切ることにした。
そのままの流れでカメラを起動し減っているゲージを巻き戻していると今度は笑い声が聞こえて
きた。
"アハハハハハ!アハハハハハ!アハハハハハ!アハハハハハ!"
カメラから目を離すと、・・・俺が座っている机の下に紫色を纏った"BB"に似ている機械人形が
座っていた。こいつもいつ侵入してきたんだ?と、疑問に思うが笑うだけで特に何かするわけでは
ないと思いもう一度カメラを起動して部屋の監視を再開した。ネジを巻き戻して時間をチェック
すると、
「もう一時半なのか・・・そういやあいつのショーの時間も後30分に開催されるんだっけ?」
忘れずに覚えておかないと・・・電力も余裕があるしそんなに焦る必要はない。カメラを下して
部屋の確認をする。・・・なんかさっきからシンバルの音のテンポが速くなってないか?しかも
笑い声を発しているときから。てか、この紫の奴は未だにこの部屋から退出してくれないし
五月蠅いのでこのままでは音の感知が難しくなるから、止む無く"発電機"の電源を消した。
またカメラを立ち上げ最早作業と化しているネジの巻き上げをし、他の部屋を確認する。特に
異常はない。他の侵入口も特に何か映ってるわけではなくこのままカメラを起動するのは電力の
無駄なのでいったん閉じることにした。
「ん?そういやいつの間にか静かになっているな。」
あれ程音が部屋中に響いていたのに今では静寂がこの部屋を包んでいる状態だ。笑ってた"BB"に
似ている奴は既に消えており、シンバルを鳴らしていた奴も今では動いてる様子もなかった。
「どういう事だ?・・・まぁ、勝手に静かになってくれてありがたいけどな。」
ともかく、気にせず扇風機の電源を付けてカメラを起動しようとした時、
"ハイ!チーーーーズ!!!!!!"
「!!??!??」
いきなり視界がカメラで取ったときに発生するフラッシュに覆われ、歪んで見えてきた。
目も回っていき頭も揺さぶられる様な感覚に陥ったので凄い気持ち悪くなってきた。
「ぐあぁ・・・。」
何が起こったのかわからずに唯酔いが醒めるまで待つしかなかったのだ。その間、動き
が止まってしまうので襲われるリスクが高まるが、とても手を付けられる状況では
なかったのだ。・・・漸くして視界が安定し酔いが取れたので取り敢えず時間を確認
することにした。・・・時計が"二時"と表示されていた。
「あ、やべぇ!!ショーの時間じゃねーか!!」
急いでカメラを起動させカーテンステージを映すと・・・そこは既にもぬけの殻で
あり、奴の姿が確認できなかった。そして右の廊下から勢いよく走る音を聞いたとき、
直感的にやばい!と、そう感じた。
「不味い!!今すぐドアを閉めねーと・・・。」
急いで右側の進路を防ぐドアボタンを押し、直ぐにドアを下させようとしたが・・・
"間に合わなかった"
そいつは直前に閉じようとするドアに自身の手を滑り込ませ強引にこじ開けて侵入
してきたのだ。よほどの怪力がない限りできない芸当をいとも簡単にやり遂げてしまったのだ。
そして侵入を許してしまった・・・
「嘘だろ・・・」
唖然するしかなかった。
「HA-----HA,HA,HA!!君ぃ。よくも私の素晴らしいショーを無視してくれたなぁ!!おかげで
私はたいそうご立腹だよ!!こうなれば最後、私は一度決めたことを何が何でもやり通す
必要が出てしまうのだ。わざわざ面倒なことを作っていおいて私の手を煩わせないでくれる
かなぁ。そんなにショーを見る余裕がなければ"今ここで"開催してあげよう!!無論演目は
"JAMPSCARE"!!君の殺戮ショーだ!!もちろん主役は君だよ、この惨劇をモチーフにした!
さあ、時間だ。一緒に踊ろうじゃないか!!君が息絶えるまで!!!」
そう告げると俺を椅子から引きずり下ろし地面に思いっきり叩き付けた。奴から発せられる力に
体が追い付けていけず悲鳴を上げた。もう一度奴が俺の体を掴みあらん限りの力で振り回して
今度は壁に叩き付けてきた。・・・体から鈍い音が響いて俺は悲痛のうめき声を上げた。軽く
骨にヒビが入ったようだ。そっからまた俺の体を掴み、壁に何度も俺の体をぶつけていく。
体が砕けるような勢いで・・・いや、文字通り体の骨や内臓が衝撃に耐えられなくなり骨折や
内臓破裂で体がボロボロの状態となってしまったのだ。体中痣だらけとなり内出血であり得ない
程体が膨れ上がり、異常なほどの痙攣を起こし痺れてまともに動くことも出来ずにいた。
顔も悲惨な状態で歯は勿論のこと、鼻や耳の骨も折れ、顔の骨格も変形しており、視界が歪む
ほど酷い状態に陥った。もう意識が無くなる直前だった。これで終わりかと思いきや、奴は
これに満足がいかず、俺をうつ伏せの状態で倒し、そこから折れた両腕を掴み背中を踏んづけて
思いっきり引っ張り出してきたのだ。尋常じゃない痛みに俺は最早悲鳴すら上げられずに
涙だけを流すばかりだ。完全に動けなくなったのを見て奴は漸く殺戮ショーを終わらせた。
意識が無くなるその時に大声で俺に向けて叫んだ。
"ショーの時間は決してずれてはいけない!!一分前でも一分後でも!!"
死因:連携による奇襲