英雄志望の白兎は財団に収容されたそうですよ?   作:くまもんち

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今回『神』のオリ設定を入れました。

ダンまちメモリアフレーゼの『アルゴノゥト』イベントすこ。アルゴノゥト好きです。
ガチャではアリアドネとドルムスとユーリが出ました。40連でこれなんだよなぁ......。


神?

「う......ん?朝......?ふぁぁ......」

 

寝起きのぼんやりとした脳に大きくあくびをして酸素を送り込む。

 

「えーと、昨日は確かーーーあ、本を読みながら寝ちゃったのか」

 

自分が机に突っ伏しながら寝ている理由を考え、机の上にある開きっぱなしの本を見て直ぐに理由に気づく。思ったよりも夢中になって読み進めたようだ。

時計を見ると7時半を示していた。

 

(よく考えたら部屋に時計があるって豪華だなぁ......)

 

時計は基本的にオラリオでは高価なもので庶民においそれと手が出るものではないがここでは至るところに時計がある。

ここでは一般的なのかもしれない。

 

「今日は何しよう......」

 

体の調子はすこぶるいい。内臓の損傷をした上に、肋骨を折ったというのに普通に動ける。筋肉痛などはもうない。多分昨日ブライト博士に夕食として食べさせられたポーションピザのお陰だろう。

 

「とりあえず、ご飯食べに行こう」

 

食堂へと向かうことにした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「今日は何食べようかな?」

 

昨日は納豆やご飯、塩鮭などの『和食』を食べたが、今日は何を食べようと思案するベル。

ふと目にうどんを啜る白い紳士服の幼女が写り、うどんを選ぶことにした。

 

「うどんを選ぶとは分かってるじゃないか。ベル?」

 

「!?」

 

うどんを載せたトレーを持って座れる席を探していると白い紳士服の幼女が話かけてきた。

 

「何で僕の名前を?」

 

「それは当たり前だろう?私は『神』なのだから」

 

「ぐっ......!?」

 

頭に鋭く痛みが一瞬走る。

 

「ほう......中々面白いスキルを持っているようだ。『魅了』が効かないとは」

 

「魅了......それに『神』って?」

 

「まぁ......詳しく知りたいなら私の部屋に来なさい。教えてあげよう」

 

先程までもきゅもきゅと音を立てながらうどんを頬張っていた幼女とは思えぬ老獪な喋り方で聞き捨てならないこといくつかを言う幼女。

 

「なんだろう......この感じ......」

 

オラリオにいた時にいつも感じていたこの寒気。

この寒気は誰かの異常なベルに対する執着なのだが、ベルは何かを鍛え抜いた五感で感じ取ったようだ。

 

「うどん......食べよう」

 

うどんの味はよく分からなかった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「いらっしゃい」

 

「お邪魔します」

 

「まあ、そんなに固くならないでくれ。私としてもそこまで畏まった話をするわけじゃないんだから」

 

赤々と燃える暖炉に革張りの座り心地の良いチェア。電化製品の類はほぼなく、オラリオのホームのような居心地の良さを感じさせた。

 

「さて......まず1つ目だ。私が何故『神』と名乗っているか?だったね。それは簡単なことさ。私だけが神なのだよ。唯一神というやつだね」

「?」

 

「よく分からない。という顔だね。まぁ、そちらの世界ではまず神の存在が当たり前だからね。知っていると思うが神というものはこちらの世界では信仰するものであって恩恵などが貰えるものでは無い」

 

「はい。ブライト博士から聞きました」

 

「だが、それは迷信だ」

 

「え?」

 

「この世界にも太古には神というものが存在した。現に私が恩恵を体験したのだから」

 

「でも......神は別の神の眷属になれないんじゃ......」

 

「あぁ、そうだ。神という存在は他の神の眷属になることは出来ん。しかし、()()()()()()()はあるだろう?」

 

「あっ、ランクアップ......!でも、神に近づくだけでなるってわけじゃないんじゃ......」

 

「確かに私は神にはなれなかった。人間は神にはなれないのだから。しかし、神々が過去に言ったように、人間とは()()()だ。時にその()()()は神々の予想もつかない形で成長する。それが『私』という存在だ」

 

ここで喉を潤すようにチェアの前のテーブルにある紅茶を飲む。いつの間にか用意されていたようだ。

 

「その可能性が芽吹いたのは私がLv2になった頃だった。その時に『万物創造』というスキルと『不老不死』というスキルを手に入れた。もちろん効果は文面通りだ」

 

思考が止まる。『万物創造』に『不老不死』?そんなスキルはもうーーー

 

「『神の力』かい?」

 

「!?」

 

心を読んだ!?というベルの疑問に答えるように『神』が口を開く。

 

「次に取得したスキルは『心象把握』と『認識阻害』だった。『心象把握』は相手の心がモンスターだろうが、人間だろうが神だろうが理解でき、『認識操作』は自分に対する他の人間達の感情や認識している姿形を操作出来る。君には通じないがね。まあ、神の嘘を見抜く能力の上位版と思ってくれればいい」

 

自身を神と言っている理由に納得がいくベル。

 

「私が自身を神と言っている理由は理解してくれたね。私が何故『唯一神』と名乗っているか分かるかい?」

 

「神々が地上から消えたから、ですか?」

 

「いいや、違うね。()()()()()()()だ。いや、正しくは吸収した、と言うべきか」

 

「は......?」

 

「『神殺し』か。まあ、正しくは虐殺だね。全ての下界の神を殺し、天界に上がって等しく全てを殺したあと、力を取り込んだ」

 

その結果がこれだがね、と自分の体を見る『神』。

 

「そんなの......勝てるわけが......!」

 

「その時の私のLvが1()5() ()だ」

 

「は......え......???」

 

「Lvが10で神と等しい程の存在となる。最も不老不死にはなれないがね。私のLvは15な上に不死だった。なら、神に負ける道理はないだろう?」

 

「Lv15......」

 

オラリオ最強の『猛者』オッタルがLv7。2倍以上のLv差を持つ『神』に取っては赤子同然となってしまう。

 

「じゃあこれを見れば分かるかい?」

 

何も無い空間から出したのはーーー

 

「アイズさんの剣......!?」

 

「そう、アイズ・ヴァレンシュタインの剣。『デスペラード』だ、もっとも複製だけどもね。この剣には本物同様に不壊属性が付与されている」

 

指を丸めてデコピンの形にすると、それを剣の中程に放った。

 

「......」

 

パキンと呆気なく折れる。小枝のような音を立てて。

その光景にポカンと口を開けて見ることしか出来ない。

 

「さて、話を戻そう。私は神を天界から残らず掃討した。さすがに少し手間どったがそれだけだった。その後、下界に降りて見たらなんとも様変わりしていてね。こうして収容されたりしているが中々楽しく過ごしているよ」

 

「神......様を人間が......」

 

 

「だけども、飽きと言うものはくる。そろそろこの世界に飽きて来たんだ。で、現れたのが君だ。」

 

ベルのことを暇つぶしとしか感じない『神』。

Lv15ということと神殺しどころでなく、神に虐殺を行った『神』に対する得体のしれない恐怖を覚えるベル。

 

「......何で!そんな神殺しなんかを......!」

 

「......私は様々なスキルを持つ、と言ったね。『万物創造』、『不老不死』、『心象把握』、『認識操作』。全て神のお株を奪うようなスキルだ。

だからーーー彼らは私を封印しようとした。自身の信仰を奪われまいとしてね」

 

「それに......抵抗して......?」

 

「......私の『心象把握』は神にも通じる。神の心の中は黒色だった。それも真っ黒だ。一部には善良な神がいたが、それもごく僅かだった。ほとんどの神々は人々を子供などとのたまっているが、実際はーーーただの玩具として考えていなかった。

そちらの世界の神とこちらの世界の神。一緒だとは思いはしないが、こちらの神は揃いも揃って屑だった。眷属に性的な奉仕を強いる者、殺人を強いる者、眷属に暴力を振るう者。まぁ、これだけには留まらんがね。神々から見たら私はとんでもない脅威だったんだろうな」

 

唾棄すべき、といった顔で吐き捨てるように言う。

 

「......」

 

パチリと暖炉の木が爆ぜる音がした。

この静寂は少し長くなりそうだった。

 

 

 

 

 

 




10000UA突破しました!ありがとうございました!
SCP×ダンまちとかいうかなりマニアックなクロスオーバーでも読んで下さりありがとうございます!
また番外編を書きたいと思います。

『神』http://ja.scp-wiki.net/scp-343
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