英雄志望の白兎は財団に収容されたそうですよ? 作:くまもんち
ブライト博士 :Ketel
アイスヴァイン:Safe
『神』:Safe?
リリ :ケテルけてるけてるけてる
ヴェルフ:Euclid
ヘスティア: Neutralized
リリスケぇ......。
命 : Safe
悪神と呼ばれるものはオラリオにも存在する。闇派閥の主神などがそれに属する。
眷属が行った罪の重さにもよるが、大抵は都市追放、悪くて天界への送還だろう。
と、それが主たる神の送還理由だろう。
眷属が神を殺す、ということはまずないのだ。
理由は一つ、大罪だからだ。
殺した神の位、行い、それらに関わらず殺した者は重罪を課せられる。
神は自身達の創造主だ。神が眷属を『子』、と呼ぶように神は『親』なのだ。
つまり、当然『親殺し』の罪は重い。
(でも、それをやった上で、神様達を完全に滅ぼして、力を奪った......!?)
普通、やらないだろう。しかし、彼には偶然『力』があった。神を容易に殺せる力だ。
「ふむ。倫理観か」
「!?」
沈黙を破るように紡がれた言葉に驚愕を隠せない。
なぜなら今まさに考えていた事が読み取られたからだ。
「あの
モンスターを殺すのに君は躊躇するのか?
と質問が投げかけられる。
「......神様には......理性が、感情があります......」
「じゃあ、君はモンスターが笑って喋って来た時に笑顔で家族として認められるかい?」
「......」
ベルの答えは『わからない』だ。自分はモンスターが喋って来たなら躊躇をせずに魔石を貫くのかもしれないし、理性があるのなら対話を試みるのかもしれない。
しかし―――
「もしかして、君は姿形が人に近く、美しいのなら助けて、遠く、醜いのなら助けないのかね?それならば、ご立派な倫理観だ」
「―――ッ!」
倫理観とはなんなのか?その疑問がベルの頭の中をグルグル回る。
間違っていると叫びたかった。しかし、否定することは出来なかった。
「......まあ、私は問答をしたくて君を呼んだ訳では無いんだ。突然だが、君は何故この世界で恩恵が使えていると思う?」
一瞬質問の意味が分からなかったが、直ぐに理解する。
この世界には己の主神であるヘスティアがいないのだ。主神がいなければ恩恵が受けられる道理などない。それなのになぜ?
「答えは簡単だ。私が恩恵を引き継いでいるからだ。君がこの世界に召喚された時、君の主神との繋がりは隔絶された。その切れたパスを私に繋ぎ、ステイタスを継続している。今の君はさしずめ『○○○・ファミリア』といった所か」
○○○の部分は聞き取れなかったが、とりあえず主神との繋がりが切れ、勝手に
「悪いことだけでは無いと思うがね。この世界では事実上神は私1人だ。つまり、ステイタスの更新ができるのも私1人というわけだ」
「......」
実際改宗は1年以上一つのファミリアに留まらなければできない。しかし、今回は強制的にヘスティアとのパスが切られたことになる。
(神様との恩恵がなくなった......)
貧弱そうな自分を暖かいファミリアに迎え入れてくれた主神。
彼女との繋がりが一時的とはいえ切れてしまったことに大きな悲しみを感じる。とはいえ、きっとそのまま放置されていたなら、ステイタスを1からやり直すことになった。と考えて感謝を口にする。
「ありがとう......ございます」
少し言い淀んでしまった。感謝しているのは事実。だが、ベルの脳裏には路地裏に1人で呆然としていた自分に話しかけてくれた主神の姿や強くなりたいと言った自分を支えてくれた主神の姿、自分を信じて神のナイフを託してくれた彼女の姿があった。
「感謝はいい。だが、頼みが一つ。『英雄』となれ。ベル・クラネル」
どういうことですか?と口を開こうとすると
天井の一部が空き、そこから何者かが飛び降りてくる。
「正義の使者、ジャック・ブライト見☆参!」
軽快なBGMが流れそうな名乗りと共に現れたのはブライト博士。
防御力が皆無そうな某忍者のタイツスーツを纏っている。
しかし、体は少女。普段の服よりも胸が強調されるとはいえ、そのサイズは大きく変動することは無い。
つまり、ひんぬーのままだ。
「ブっブブっブ、ブライト博士ぇ!?」
「はぁ......相も変わらずだ......」
暖炉や絨毯などが醸し出すシックな雰囲気を全て台無しにした上で、シリアスな空気が漂う空間を粉砕するブライト博士。
そして、そのやたらエロいコスプレにまたもや赤面するベル。
阿呆な奴だ、と冷たい目を向ける『神』。
「何故ここに来た?」
「いや。少し通りかかったらなんかシリアスな空間があったからちょっと破壊したくなった」
「少し天井を通るのか。君はネズミかなにかかね?」
「まあ、なったこともあるかな!」
神の皮肉にも動じず、逆に皮肉を返して見せる始末。
「お、そうだ、ベルきゅん。ちょっと私の研究室来てくれないかい?悪いね『神』少しベルきゅんは借りていくよ」
「......あぁ、構わんとも。最後に一つ、ベル、ステイタス更新がしたくなったら私の所に来たまえ。更新してあげよう。......『英雄』はこの世界においても不足しているんだ」
最後の言葉は聞き取れなかったが、ステイタス更新がこれからもできるらしい。
「え、あ、はい!」
ブライト博士がベルに対してベルが初心なのをいいことに全力で弄りまくるので何処か上の空で返事をする。
とりあえずステイタス更新はこの世界でもできるようだ。
「さーて、ベルきゅん行こうか!」
「うぇぇえぇぇえ!?」
収容室の外においてあったセグウェイに乗るとベルの手を繋いだまま走りだす。
その光景はペットを自転車に乗りながら散歩する老人の姿によく似ていた。
「全く......騒がしい......」
『神』は1人読書に勤しむ。本の題名は『アルゴノゥト』。滑稽な
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「はぁっ、はぁ、はぁ......」
「いやー、朝からいい運動したね☆」
「ブライト博士ぇ!?」
「はっはっはっ!」
今、二人はブライト博士の私室兼研究室でコーヒーを飲んでいた。
ブライト博士の入れたコーヒーは意外にも美味しく、ベルを驚かせた。
......ベルじゃなければ例のSCP-198を飲ませられていたが。一般の常識ではブライト博士から出された飲食物は即座に収容するか、廃棄するかどちらかなのだ。
「このコーヒー、美味しいですね」
「そうだろう?私が淹れたんだ」
「えっ!?ブライト博士が!?」
「私だって趣味の一つや二つくらいあるさ」
ただし、コーヒーを淹れること意外の趣味は職員を騙してSCPの実験をさせること、SCPで悪ふざけをすること、クレフやコンドラキを弄ることなどだ。
「そう言えば僕に用って......?」
「あぁ、ヘスティアナイフとかの検査が終わったから返そうかと思ってね。いやー、規格外の物質だね!説明すると長いけどさすがファンタジー金属って感じだ!はい、ありがとね!」
興奮した様子でベルに鎧とナイフを手渡す。
「い、いえ。役に立てたならよかったです」
その熱意に若干引き気味に受け取る。
「さーて......ベル君。少し真面目な話をしようか」
ンアーーーーーーーッ!!!
哲学的な話は苦手だぁぁぁぁあ!!!
そこで役に立つのがブライト博士ぇ!
シリアスな空気を丁寧にぶち壊してくれますぜ!
野球応援しながら書いてました。