英雄志望の白兎は財団に収容されたそうですよ?   作:くまもんち

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投稿ちょっと遅れました。申し訳ない。

あ、お気に入り100超えました!
本当にありがとうございます!


『小さな魔女』tale / with Bell
エージェント『白兎』


「ベル君はしばらく......オラリオには帰れない。それは説明したね」

 

唐突に自分への呼び方を変えたブライト博士の口ぶりから真面目な話だと判断する。

 

「......はい。少し前に」

 

「しばらくベル君には『エージェント』としてこの財団で活躍してもらうことになる」

 

「エージェント?」

 

「そう。エージェントの仕事は主に諜報、人事、警備......まあ、雑用係って感じだね。中でも多いのはSCP。ベル君にはこれを担当してもらいたいんだ」

 

財団のエージェントは基本的には博士達にも負けない程の奇人変人の集まりである。

しかし、無駄にスペックが高いため、活動が出来ている。

 

「今日から君は『エージェント・白兎』だ!」

 

「完全に見た目から決めましたよね!?」

 

「うん。まあね!」

 

またこっちの世界でも2つ名は微妙な感じなのか、と多少不満気な顔をする。

それにサムズアップをするブライト博士。

 

「まあ、その話は置いといて。ベルきゅんには脱走SCPの鎮圧とSCPの調査をお任せしたい。いいかい?」

 

「ええと......要は戦闘担当ですか?」

 

「そうだね。命の危険が大きいからやらせたくはないんだけど......本当ぉーに不本意なんだけど05がね......どうしてくれようか」

 

「エージェントやってみます。事務とかの仕事はできるかちょっと自信がないので......」

 

頬を掻きながらブライト博士に苦笑を向ける。

 

「......わかったよ。今日からベルきゅんは仮エージェント『白兎』だ。」

 

多少不満気な顔をしながらベルがエージェントになることをブライト博士は認めた。

 

「あ、エージェントになったからなぁ......あれやるのかぁ......いや、でも悪くない......か?」

 

「?」

 

そしてブツブツと何やらブライト博士が呟く。

 

「よし!ベルきゅん!ちょっとついて来てくれたまえ!あ、これに着替えてね」

 

渡されたのは真っ黒なスーツ。とはいえサラリーマンが着ているようなスーツとは違い、耐熱耐寒耐刃防弾と下手な鎧よりも性能の良い防具となっている。

 

「あ、はい。わかりました」

 

――――――――――――――――――――

 

スーツに着替えたベルはブライト博士と廊下を歩き、着いたのは一つの収容室。頑丈そうな扉に『SCP-173』と『Euclid』と彫られており、何やら不穏さを感じさせる。

 

『じゃ、とりあえず中に入ってくれるかい?』

 

収容室にブライト博士のアナウンスが響く。

今、収容室にはベル以外にも筋肉質なオレンジの作業着を着た男がいた。

 

「はい。わかりました」

 

掃除用具1式を持ち、武器はヘスティアナイフのみ。軽装もなしでEuclidのSCPの前に立つなど自殺行為以外の何物でもないが、何も起こらない。

 

『そいつから絶対に目を離さないでくれよ?死にたいんだったらべつだがね、Dクラス君?』

 

「......わかった」

 

()()での生活が長いのか、ブライト博士の言うことに素直に従い、173から目を離さない。職員の言うことを無視して行動した者は基本的に間違いなく死ぬ。警備兵に撃たれるなら上々な死に方だと思える方法で。

 

『従順なDクラスは嫌いじゃない。早速作業を始めよう』

 

部屋の中にある扉が開くと中にあるのは一体の()()。前衛的なデザインではあるが動いたり音を立てたりはしておらず、何も違和感は感じない。

床は赤褐色に汚れており、血と糞便を混ぜたような色だ。鉄臭い匂いがベルの鼻に届き、思わず表情が強張る。

 

『SCP-173。知ってるかもしれないけど目をそらさなければ何も無いよ。ベルきゅん、気を付けてくれ』

 

――――――――――――――――――――

 

「......」

 

「.....」

 

5分ほど二人で交代しながら掃除をしていたが全く会話は無い。

 

「あ、あの!」

 

「......なんだ?」

 

生気の無い目でベルに目を173から逸らさずに答える。

 

「なんで......こんな所で働いてるんですか?」

 

「......」

 

「いえ、あの別に答えられないのなら別に......」

 

「俺は......人を殺したから、死刑囚としてな」

 

「!殺......人」

 

深くため息を吐く筋肉質な男。

 

「ここにいちゃ真っ当な死に方なんてさせちゃもらえねぇ。まあ、あの時の選択が間違いだったとは微塵も感じてはいないがな」

 

あいにく独り身だったしなと苦笑する。

 

「でも......!殺人なんて......!」

 

「そうだな......坊主。俺は社会でいう論理からは外れているのかもしれないな。だからここに入った。社会どころか世界に喧嘩売るような物体相手に研究やら何やらするここに。会話は終わりだ。少し交代してくれ」

 

「分かり......ました」

 

腑に落ちぬ何かを感じながら男と作業を交代する。

 

――――――――――――――――――――

 

数十分後、床は綺麗になり元の汚れを感じさせない程白い床となっていた。

 

『お疲れ様、ベルきゅん!』

 

「......出るか」

 

「......はい」

 

険悪とは言わないが、微妙な雰囲気が収容室を包む。

 

『じゃあ収容室の扉閉めるよ。危ないから離れてくれ』

 

その声と共に隔離扉が少しずつ閉まっていく。

そして、ベル達もそのまま部屋の外に出ようとするが―――

 

『危ないッ!まだ173を見ろッ!!』

 

普段とは違うブライト博士の余裕のない声。

背中に感じる―――殺気、では無い、別のなにか。

そして背中に当たるひんやりとした感触。

この時ベルは173に関する1文を思い出していた。

頸部の圧断や絞殺と言った方法で攻撃を行う。

つまり、この次の瞬間にはベルの首が折られるか締められるかどちらかなのだ。

 

(神様っ......!ごめんなさい......!)

 

が、彼に訪れたのは視界の暗転でもなく、痛みでもなかった。不動なはずの石像の手はベルの胸の前で組まれている。圧迫する様子はない。つまり、()()()()()()()()()のだ。無機物とは思えない程の慈悲を感じさせる抱き方。

 

「べっ、ベルきゅーーーん!!!大丈夫か!?」

 

「は、はい」

 

そして173の行動に驚愕する。

 

「何をベルきゅんを抱きしめているんだい?石像如きが?」

 

背中から黒いオーラを立ち上らせながら173に歩み寄る。哀れ173。彼?はしばらくサンドバッグとして活躍することになるだろう。

 

「というか......ふっ!......抜けない!? 」

 

じたばたと藻掻くも173の手から抜けれない。ブライト博士が残機を減らすのを覚悟で目を瞑って見たりもしたが、動かない。

 

「......なるほど。ここに財団の威信をかけて今こそ173を破壊しろという神のお告げか。最も私は無神論者だけどね」

 

ぱーりーたーいむと叫びながら取り出したSCPや兵器の数々。グレネードからSCP-297まで。173に対する実験の名目で持ち出されそれらが血涙を流す白髪の少女によって振るわれる。

 

「ちょ!?まっ!!?」

 

怒りに我を忘れてベルの存在も忘れかけていたのだが。

 

 




息抜きとして新シリーズを書きたいと思います。
今のとこいくつか考えてるんですが良かったら感想欄で何書いて欲しいか要望下さい。

1,Fateの世界にアルゴノゥトを突っ込む

2,クズな主人公がホラゲの青鬼くんとかヨシエさんとかとだべったりピクニックに行く(ほのぼのした?)話

3,ロマンを追求するブライト博士がSCP使って暴走する話。

4,ひたすらスク水について語る

追記: 活動報告の方にも書いてありますのでそちらでも大丈夫です。

SCP-173 http://ja.scp-wiki.net/scp-173

SCP-297 http://ja.scp-wiki.net/scp-297

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