英雄志望の白兎は財団に収容されたそうですよ?   作:くまもんち

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不定期投稿ェ......。




分岐する未来 その四

コツリコツリと自分の革ブーツが立てる音が反響する。道はそこまで大きな凹凸はなく、洞窟にしてはやけにコケのような光源など整いすぎていて違和感を感じる。

 

「これか......?」

 

突如として鉄の扉が現れる。収容室のゲートだろう。

しかし、扉のロックを解除しようとした瞬間、扉が消えさる。

 

「くそ!一体なにが起きてやがる......蝶?」

 

「アッハハハハハハッハハハハハハ!!!笑えよ!クソッタレ!」

 

狂ったような笑い声が暗がりに反響する。

 

「コニー!お前が仕組んだのか!」

 

そこに突如として4()()()コンドラキ博士がやってくる。見た目は寸分たがわず、どれが本物かは一瞥しただけでは判断がつかない。

特筆すべきは3人が手にサブマシンガン、1人が改造されたカメラを抱えている事だろうか。

 

「あぁ。そうだ。お前に『小さな魔女』を殺させる訳にはいかないんでな。悪く思うな」

 

蝶々の王は腕を振り上げ、その腕を振り下ろした。

 

 

 

 

ここから、歴史(原作)はズレ始める。

 

――――――――――――――――――――

 

「『王様』......?」

 

「そう、『ちょおちょお達の王』それがコンの異名みたいなものだ。SCP-408をコンが手懐けているところから来ているんだ。SCP-408の特異性は分かるっけ?」

 

「確か実体を持つ幻影を作るSCP......ですよね?」

 

「そう!その特異な性質をコンは自由自在に扱える。さながらジャパニーズコミックのニンジャのように分身みたいなこともできるらしい。勿論質量も模倣するから物を持つのも銃を撃つのも教えればお手の物さ」

 

「というか制圧対象って......」

 

「え?無論クレフだけど」

 

質量を持つ分身体、間違いなく強力な力だろう。しかし、ベルは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

――――――――――――――――――――

 

合図と共にばらまかれた銃弾はクレフ博士の心臓と頭を史実通りに射抜――

 

「はっ!!」

 

かなかった。

裂帛の気合いを込めた声と共にサブマシンガンの弾が軌道を逸らされる。

 

冷気を放つ美しい氷の剣。

美しい黒髪に、同じく漆黒のゴスロリ。

赤と青のオッドアイ。

 

「クレフ博士はやらせません」

 

アイスヴァインは静かに呟いた。

 

「何故だ!何故邪魔をする!?」

 

「え?だって......邪魔しないとベルが()()()()()じゃないですか」

 

「ッ!!」

 

目が昏い。暗いとかそういう意味ではなく比喩抜きでハイライトがないのだ。

 

「じゃあしばらく倒れてて下さい」

 

ごく当然のように縮地を使い距離を埋めてきたアイスヴァインの振るう氷の剣をどうにか弾く。

 

「グッ......!!」

 

おかしい。

ここまでアイスヴァインの技量は高くなかったはずだ。

ただの氷で出来た剣程度であの数の銃弾を見切って弾く程の技量は無いはずだ。

縮地だってそんな技が使えたはずも無し。

ふと、頭に過ぎるのは兎に似た少年の姿。

 

「ベルか......」

 

「はい、一緒に収容任務を行うことも多かったので技をいくつか教わりました」

 

ニコリと笑みを浮かべるアイスヴァイン。

その技量は数ヶ月前とは比べ物にならなかった。

 

「......ちぃっ!」

 

このままでは分が悪いと地面に手持ちの煙玉を叩き付けて遁走。

 

「逃がしません!」

 

それを許すまじとアイスヴァインは剣を投げつけるが、手応えはなかった。

 

「逃げられましたか......まぁ、目的に支障はありませんね。さあ、行きましょうクレフ博士?」

 

唖然と目を見開くクレフ博士に、彼女は目をやった。

 

――――――――――――――――――――

 

「SCP-014だと!?」

 

「あれの特異性はそこまで強力なものではないはずだろう!どういうことだ!」

 

コンドラキ博士という防衛ラインをあっさり

と突破されたことにより、管理室は蜂の巣をつついたような騒ぎになっていた。

 

「......そうか......君はそう来るか......さて、ベルきゅん、ちょっと席を外させて貰うよ。何、ちょっとお花摘みに行くだけさ」

 

なんの抑揚もない言葉を無表情でベルに向けて言う。

 

「い、今ですか......僕が着いて行きます!」

 

しかし、ブライト博士はそれをやんわりと断る。

 

「気にしないでくれて大丈夫だ、ベルきゅん。ちょっとした花摘みだからね」

 

「?それってどういう......」

 

ニュアンスの違いに疑問を覚えたベルが質問をする前にブライト博士は管理室をでていってしまった。

武器の一つも持たずに外に出ていってしまったブライト博士を流石に不味いと思ったベルが管理室を出るもその姿は何処にもなかった。

 

――――――――――――――――――――

 

小さな魔女を殺せばベルが帰らない?

 

そうすれば一緒にいられる?

 

ははっ、馬鹿じゃないのか

彼にはアイズ・バレンシュタインというメインヒロインがいる。

ベルが自分に技を少し教えて貰ったから調子にでも乗ったのかな?

私たちはサブヒロインであっても絶対にメインの立場を壊そうとしてはならない。

言葉で表すなら......そう、『不敬』だ。

私達という『異物』が行う『ダンまち』という作品への過剰な接触は侮辱行為だ。

 

全く、彼女は何も分かっていない

 

少し、灸を据えなければ。

 

彼女は、白衣の内側に仕込んだ数々の武器やSCPの感覚を確かめながら歩を進めた。




ブライト博士がベルに対して持っているのは『フランクな信仰』です。
接するのは全然いいけど、原作のヒロインとかを変えたり、ダンまち世界を引っ掻き回したりしすぎないように全力で立ち回るのが自分の使命とブライト博士自身が思ってます。
(ただし、自分の世界に呼ぶ時はなんの躊躇もなかった)
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