英雄志望の白兎は財団に収容されたそうですよ?   作:くまもんち

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新年明けましておめでとうございます。





分岐する未来 その五

どさりとまた一つ異形の骸が積み重なる。

骸を淡々と生産し続けるのは一組の男女。

 

片や、氷の剣を自在に扱う卓越した技量の剣士。

 

片や重火器を使用する白衣の男。

 

「......ダンジョン浅層だとこんなものですか」

 

「この程度ならまだ対処できるな」

 

「そうですね......少し物足りませんけど......まあ、一応初めてのダンジョンでの経験値なんですから妥協しましょう」

 

つまらなそうに血振りをしながら歩くアイスヴァインとコンドラキ博士。

 

「全く......いつからそんな戦闘狂になったんだ?」

 

「戦闘狂?いいえ。私は別に戦いが好きな訳じゃありません。ただ、彼に追いつきたい。それだけです」

 

さらりと言って見せる彼女に何だかなぁとコンドラキ博士は首を竦める。

 

「そこを左......いえ、右ですね」

 

サイト17はこの日、現実改変によりダンジョンと化したが構造が変わった訳では無かった。地図があれば、それを頼りにすることができる。元のサイトとの大きな違いはおどろおどろしい雰囲気と怪物達のみである。

それらに惑わされなければどうということはなかった。

 

「さて......このまま順調に行けば―――っとなんだあれ?」

 

「......ッ!?駄目!!!」

 

「なッ......!?」

 

曲がり角を曲がって30メートルほどだろうか。それほどの距離に小さな何かが置いてあった。通常の人間ならばもう少し近づかなければ気づかない程の小ささだ。

それを視認した瞬間アイスヴァインが歩いていた通路に引き戻される。

すると、轟音が響き、コンドラキ博士がいた通路が大きくえぐれる。

えぐれた箇所には小さな鉄球が埋まっていた。

 

「クレイモアかよ畜生!どうせお前だろ!ブライトォ!!!」

 

「もちろん、私だとも。アイスヴァインもいるね?

―――じゃあ始めよう」

 

パチリとブライト博士が指を鳴らすと例の防衛装置が近くの扉を開けて出てくる。

 

「ハッ!もうネタ切れか?」

 

拳銃でメインカメラを破壊すると大袈裟に手を広げブライト博士を煽る。

 

「そう思うかい?」

 

「......え」

 

腹部から何か―――否、大ぶりのナイフが生えている。それがナイフだと理解するよりも腹部から這い上がる痛みを知覚するのが先だった。

ゴポリと口と腹部から血が溢れ出す。

 

「ハッ!」

 

アイスヴァインが財団ロボに剣を叩きつけ、吹き飛ばす。けたたましい音と共に壁に叩きつけられるが支障なさげに立ち上がる。

 

「痛っつー。こんな戦闘やるもんじゃないね」

 

「お疲れ(ブライト博士)。だけどもうちょい働いてくれ」

 

パージした財団ロボの装甲の下から筋骨隆々の黒人が出てくる。

野太い声でブライト博士と会話を交わすブライト博士。

 

「そういうことですか......」

 

剣を油断なく構えながら2()()()()()()()()()を睨み付ける。

 

「『不死の首飾り』......!」

 

「ンッンーどうしたんだい?そんなクールキャラみたいになっちゃって?」

 

「そうだぜ、もっと間の抜けた厨二真面目キャラはどこに行ったんだい☆」

 

ロリブライト、黒人ブライトがそれぞれ煽る。

 

「......うるさいですよ!!!」

 

煽りを受けたアイスヴァインがブライト博士に斬り掛かる。

並んだ2人を同時に切り捨てるために横薙ぎを放つもひらりと避けられる。

 

「私はベルのために......ベルを愛するためにはこうするしかないんです!

邪魔を......するなッ!」

 

()()()()()......だと?......いい加減にしろよ?小娘。何が彼のためだ、その行為がどうしてベルのためになる?その自己中心的な行為が!説明して見せろよ、なぁ!?」

 

「OH......オリジナルガチギレじゃん......」

 

――――――――――――――――――――

 

「みんなどこに行ったんだろう......?」

 

一方1人残されたベルはとりあえずということで廊下に出ていた。

 

(本当にダンジョンそっくりだ......。)

 

仄かに光を放つコケもひんやりとした空気もどこからか聞こえるモンスターの微かな遠吠えも。()()()()()()()()()だった。

 

「何か出来ることは......ってなんだコレ?」

 

ベルの足元に何か『?』の書かれた黄色いボックスがあった。

俗に言うハテナボックスである。

 

(えー......これ絶対触ったらいけないやつだよね......。)

 

ベルもそうは分かっている。

だが......

 

(すごく触りたい......!!!)

 

ハテナボックスとはどことなく本能に働きかける形状をしている。

特にマリオをプレイしたことがある人物ならばほぼ無意識のうちに触れるだろう。

ベルはキョロキョロと辺りを見渡すと......。

 

「えい」

 

ボックスに触れた。

 

「え、え、えええぇぇええええ!!!???」

 

吸い込まれた。

以上。

 

――――――――――――――――――――

 

「......ッ!はっ、はっ......」

 

「甘い。体捌きが猿真似以下。剣筋だってこんにゃくだすら切れるか怪しいね」

 

ブライト博士とアイスヴァインとの戦い。始まって数分の戦いは既に終着が見えていた。

 

「ッ!このッ!!!」

 

ブライト博士の煽りに激昂したアイスヴァインはオリジナルのブライト博士に斬り掛かる。

 

「おっとぉ止まれよ!」

 

それを黒人ブライトが止める。

真剣白刃取りの体制のまま内緒話をするように声を潜めてアイスヴァインに話かける。

 

「アイスヴァイン......オリジナルガチギレしてるっぽいから逃げない?」

 

「黙れッ!ベルは私の物なんだッ!どこへも行かせはしない!」

 

「あー......これはダメだわ」

 

完全にアイスヴァインが病み落ち(闇堕ち)しており、話が通じないことを理解する。

そして、ピクリと再びブライト博士がその言葉に反応する。

 

「ほう......。物......ねぇ......」

 

 




FGOの楊貴妃をお迎えして発狂した元日でした。
やっと☆5三体目だよ......!!!
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