英雄志望の白兎は財団に収容されたそうですよ? 作:くまもんち
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「さて、こちらの質問も済んだことだし......今度は君の質問タイムだ。僕の携帯の電話番号からSCPのクリアランス4以上の情報でも何でも喋っちゃうぞ☆」
テンションがMAXになっていた博士2人が落ち着き、コンドラキ博士が項垂れながら出てった後、ちょっとした質問をされたあと、質問権が僕に移る。
さりげなく何かヤバそうなことを言っているがとりあえずスルーする。多分これが1番正しい対応だと思う。
「じゃあ......まずここはどこですか?何か見たことのない魔石灯とかあるから研究施設みたいなですけど......」
「魔石灯......あぁ、電灯かそっちにはなかったね。そうだね。研究施設で大体あってるけど、ここは少し違う」
ブライト博士の言葉に首を傾げるベル。研究施設では無いならここはなんだろう?
そんなベルの疑問に答えるかのようにブライト博士は言葉を紡ぐ。
「ここはSCP財団支部のサイト17。基本的に低危険性の人型SCPが収容されている所だよ」
「えっと......そのえすしーぴー?っていうのは?」
「Secure(確保)、Contain(収容)Protect(保護)の頭文字をとってSCPと呼ばれているんだ。SCP財団って言うのがこの組織の名前、収容しているのがSCPオブジェクトって呼ばれてる。要は摩訶不思議な化け物だとかアイテムとかだね。さっきの女の子もSCPオブジェクトなんだよ」
「SCPオブジェクトの基準はなんですか?」
「さっきのピザボックスとか、絶対死なないトカゲとか今私が首にかけてるやつとかだね。良かったらこの首飾りいるかい?」
「いえ!結構です!」
ブライト博士は首飾りを自分の首から外して、ベルに近づけて来るがベルは後ろに下がる。さっきからその首飾りはヤバいと冒険者の勘が告げている。こういう時は従うのが1番だ。
「やっぱり勘がいいね。さすがLv3と言うべきだ」
残念そうに首飾りを自分の首に戻す。
「次の質問は?」
「じゃあここはオラリオのどこかですか?」
「いや、違うよ」
「えっ!?オラリオから離れた場所ですか......まさか極東とか......!?」
「いや、そこでもないね。実は......ここは君たちの世界とは別の世界なんだ。全く別次元の世界......文字通り2次元と3次元でね」
「それは......どういうことですか?」
「君はこの世界において創作の人物ということさ。作品名は『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』。まさにベルきゅんの一途な想いをそのままストレートにタイトルにしたようだね」
「えっ!ちょっ、ちょお!!!え?え?何で知ってるんですかぁ!?」
「そりゃ、君は作品の主人公なんだからね。1番細かく描写されてるよ。その胸の想いが誰に向けられているのかも、英雄に憧れているのも、ね?」
「うわぁぁぁぁぁぁあ!!!」
顔を真っ赤なトマトのようにしながら、頭を抱えるベル。そして、その顔が見たかったとばかりにたたみかけるブライト博士。
「いや〜、ベルくん!かっこいいよ!もちろんそのカッコ良さは全世界に広がっているよ」
「ひ、比喩ですよね?」
震えた声で縋るようにそうであってくれと声を出す。それに対し、ブライト博士は満面の笑みで、
「もちろん、そのままの意味さ☆」
と返すのであった。
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「あぁ、このまま埋まりたい......そうだ埋まったら生まれ変わって、鳥になって大空を羽ばたくんだ......」
「おーい、べるきゅーん?」
「......ブライト博士。そんなことが実現できるSCPないですかね......」
「面白そうだけどもそんな都合いいSCPいないと思うよ」
実際恐らく出来ないことはないだろうが、さすがに自分の大好きなジャパニーズアニメのキャラクターが肉体改造されるのは忍びないので黙っておくブライト博士。
「うぅ......」
「まあまあ、ベルきゅん落ち着きたまえ。私は君が真面目に大好きだぞ。一途すぎる程に一途なその気持ちも、お人好しすぎるその精神も、強大な敵に立ち向かう勇気も、ね?」
ブライト博士は普段ベルに接したように人に接することはない。もっとブラックジョークを会話にぶち込み、SCPを使った悪ふざけを人の生き死にが関わるレベルで行う。
ベルにそんなことをしないのはひとえに彼に対する本物の敬意からだろう。
「ありがとう......ございます......」
全身が真っ赤どころか1周回って真っ白に灰のようになりながらも素直な賛辞と感じたのか礼を述べるベル。
「次の質問いこうか?」
「あ、はい、お願いします」
いつまでも落ち込んでは居られないと無理矢理自分を立ち直らせる。しかし、この心の傷はエリクサーで治るだろうか?
「ここが別の世界ならーーー僕は、元の世界に帰れますか?」
ベルが1番懸念している事実。
二度とオラリオに帰れないとなるとファミリアの
「うん?普通に帰れると思うよ」
「えっ」
あっけらかんとした返事に思わず声を出す。
安心感からか、脱力感からか。
「まあ、でもやっぱり少し帰るには時間がかかると思うからね」
「あの部屋にいた女の子が魔法を使えるんですか?」
「うん。そうだよ。彼女はSCP-239。私は便宜上『小さな魔女』って呼んでるね。彼女は魔法が使えるーーーだけと見せかけて、実際は強力な現実改変能力者なんだ」
「現実改変能力者......?」
「現実改変能力者っていうのは世界を変える能力を持ったものーーーって言っても分かりにくいから言っちゃえば世界を自分の思い通りにできる神に近い存在かな?」
「え?神様ってそんなことが出来るんですか?」
「その気になれば出来るんじゃないかなそっちの神様は下界では封印しているようだし。まあ、こっちの世界だと神様ってのは
「能力によって召喚されたなら魔法陣なんて派手な演出はいらないんじゃ......」
「おっ、鋭いね。彼女はあくまで自分のことを『魔女』だと思っている。そう、せざるを得ないんだ」
「なんでそんなことを?」
「......ベルきゅんは普通の人が世界を思い通りにできる力を手に入れたらどうなると思う?」
「自分の願いを叶える?」
「そう、まず自分の利益の為に使う。大切な人を守るため、世のため、人のため、そんな君みたいな人間は世の中にはひと握りもいない。だから
そのあと、ブライト博士はこう、続けた。
でも、ベルきゅんなら100も承知だと思うけど彼女を怖がらないでやってくれ。彼女は『悪い魔女』ではないのだから。
恩人三部作が死ぬほど好き。
毎回泣く。
あ、評価、感想などくれるとありがたいです。