盾の勇者と精霊の力を持つ者の成り上がり   作:深淵の覇者

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新たな仲間と頭を抱える女王

―ミレリアside―

士道が王宮で血の雨を降らせてから数時間後メルロマルク国女王のミレリア=Q=メルロマルクは女王直属の部隊である『影』から事の顛末を聞いていた。

 

ミレリア「それではそのイレギュラーで呼ばれた五河士道という人間はこちらから手を出さなければ安全ということですか?」

 

ミレリアが何もない所へと言葉を投げかけると

 

影「はい、恐らく言動と行動を見てもそう判断して問題ないかと。」

 

そう返してきた影に対してミレリアはそうですかと返すと

 

ミレリア「では、今はとにかく盾の勇者様と五河士道様と早急な和解が必要です。なので私のいるこの場所へと誘導してください。そのための交渉役としてメルティを連れて行きなさい。メルティには私から話しておきますので。それで私自らが話しをし、なんとか協力を仰ごうと思います。」

 

そしてミレリアが言い終わると影は承知しましたというとスッと影に溶け込むようにして消えた。

 

ミレリア「はあ、どうにか和解が出来ると良いのですが。」

 

そう呟くとミレリアは事情を話すためにメルティの元へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●

時間は戻り王宮を血の海で染めた士道たちは現在エルハルトの武器屋に来ていた。

 

エルハルト「おっ、兄ちゃんたち早かったじゃねぇか。もう王様との謁見は終わったのかい?」

 

士道「いや、終わらせてきた。」

 

士道のその言葉にエルハルトは首を傾げると尚文に何があったのかを聞いて士道をチラッと見てから尚文に視線を戻すと

 

エルハルト「……マジで?」

 

尚文「マジだ。」

 

その即答ぶりにエルハルトは頭を抱えた。

 

エルハルト「おいおい、ウチの王様国を滅ぼす気でもあるのか?」

 

そうやって話してるところに士道がやってきた。

 

士道「なぁ、親父さん。この店にはなんかステータスを上げることが出来るようなアクセサリーって無いのか?」

 

士道が自然とそんなことを聞くと

 

エルハルト「ああ、そうだなアクセサリーだとここら辺はどうだ?」

 

そういってエルハルトは10種類くらいのアクセサリーを持ってきた。

 

士道「そうだな、だったらこの指輪の魔力上げのやつと知力が上がる奴を買うよ。」

 

エルハルト「ほう、それを選ぶとは流石だな。それじゃあお代は負けてやるよ。銀貨50枚でいいぜ。」

 

その値段に士道は驚いた。

 

士道「そんなに安くしてもらってもいいのか?」

 

エルハルト「いいんだよ、まずは兄ちゃんたちが生きて戻ってきてくれりゃあな。あとはこれからもここに素材を売ってくれればいい。」

 

そういうとエルハルトはニカッと笑った。

 

士道「そうか、分かった!絶対に俺たちは生きて帰ると約束するよ!」

 

士道がそう言うとエルハルトは満足した。

 

士道「それともうひとつ言っておきたいんだけど。」

 

エルハルト「ん、何だ?」

 

士道「いや、一つだけ不安要素があってな、俺は王国の王に喧嘩を売ってきたわけだろ?」

 

士道がそう言うと確かになとエルハルトは頷いた。

 

士道「そして、俺たちってこの店をよく利用してるだろ?」

 

エルハルト「おう、そうだな。」

 

士道「それでな、俺に対して絶対に何かしてやろうと思ってるはずなんだ。そこで、多分奴らは俺たちが通ってるこの店を狙うかもしれないんだ。いや、厳密には親父さんの事を。」

 

その言葉にエルハルトは確かにと思った。

 

士道「だから、その対策としてこれを置いてくよ。」

 

そう言うと士道は布を取り出すと贋造魔女でスイッチを作り出した。

 

エルハルト「これは何に使うんだ?」

 

士道「それはGPS付きのスイッチだ。」

 

エルハルトは聞きなれない言葉に首を傾げた。

 

エルハルト「そのGPSってのはなんなんだ?」

 

士道「簡単に言うとそのスイッチを押すとそのスイッチの位置情報が俺にだけ伝わるんだ。だから、もしも王宮が何かしてきた場合はそれを押してくれ。直ぐに飛んでくるから。」

 

もはや何が何やらという感じのエルハルトはとりあえず頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●

あの後ある程度の準備が終わった俺たちは一旦宿に帰ってからまた明日出発するということにして帰った。

そしてその次の日の朝ラフタリアと七罪に俺たちは叩き起こされた。

 

七罪「士道、早く起きてちょっとこっち来て!」

 

そんな風に凄く急いでる感じからして何かが起きたのだろうという事を感じたのでついて行った。

 

士道「どうしたんだよ、七罪~」

 

そうやって聞いてもとにかく早く来てと言われるがままに女子部屋へと来ると折紙がいたので聞いた。

 

士道「折紙、一体何があったんだ?」

 

折紙「?七罪から聞いてないの?」

 

士道「ああ、とにかく早く来てとしか。」

 

そう言うと折紙は

 

折紙「そう、なら私が伝える。前に買ってきた卵が孵化しそう。」

 

士道「おっ、そうなのか。じゃあ見てようか。」

 

それからは5人で談笑しながら待っていると不意に卵の殻にヒビが入った。すると、みるみるうちにヒビが広がると尚文が買った方からはフィロリアルが士道が買った方からはドラゴンの赤子が生まれた。

 

尚文「お、生まれたみたいだな。」

 

士道「そうだな、俺の方はドラゴンか。」

 

士道と尚文が話しているとフィロリアルの方は尚文、ドラゴンの方は士道の頭の上に乗ると、とても楽しそうにはしゃいでいた。

 

ラフタリア「尚文様、この子凄く可愛いですよ!」

 

尚文「あ、ああそうなのか?俺には見えてなくてな。」

 

士道「へえ、やっぱり生まれたばかりだからなのか懐いてくれるんだな。」

 

士道がそうやって喋っていると七罪が羨ましそうな目で見てたからそっと頭の上から降ろすと七罪に手渡した。

 

七罪「わああ、すごいわね士道!すっごく可愛い!」

 

七罪のそんな無邪気な反応に微笑むと士道は

 

士道「それじゃあとりあえず名前を付けないとな。」

 

士道の言葉に皆が頷いた。

 

ラフタリア「尚文様、尚文様はこの子の名前はなにがいいと思いますか?」

 

ラフタリアがそういうと尚文は少し考えると

 

尚文「フィロリアルだからフィーロなんて名前はどうだ?」

 

尚文がそう言うとラフタリアは安直過ぎではないかと心配したが当の本人は嬉しそうに鳴いていた。

すると、ドラゴンの子も士道に対して希望の眼差しを向けていた。

 

士道「そうだな………(今日は確かあっちの世界だと20日だったな)ハツネってのはどうだ?」

 

士道がそう聞くとドラゴンの子は嬉しそうに鳴いて士道の頬を舐めていた。

 

士道「よかった、それじゃあこれからお前の名前はハツネだ、よろしくな。」

 

士道がそう言うとハツネはキュルルとひと鳴きした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●

ハツネとフィーロが生まれてから2週間が経った。前までは全長80cmくらいしか無かったが今ではもう士道と尚文が乗れるくらいの大きさになって実際に魔物との戦闘も問題なく出来ていた。

 

士道「尚文、今日はどこら辺でレベル上げしようか?」

 

尚文「そうだな、こいつらももう大きくなってきたし少し強い奴がいる所まで行くのも悪くないかもな。」

 

士道「確かに、それじゃあ俺はこのことをみんなに伝えてくるから尚文はここで待っててくれ。」

 

そう言うと士道は折紙たちの元へと向かって行った。

 

尚文「それにしても、かなりでかくなったよな。」

 

ラフタリア「そうですね、確かにもう尚文様のことを乗せて戦う位のことも出来るでしょうし。」

 

尚文「ああ、そうなると戦術の幅も広がるな。」

 

尚文とラフタリアが2人で喋ってると何やら厩舎の外が騒がしくなったので人が集まっている広場へと向かうとそこにはまさかの人物が居た。

 

尚文「元康、と第1王女か。一体何しに来たんだ?」

 

尚文がなぜここに2人が来たのか考えているとマルティが話し始めた。

 

マルティ「この度、波の戦いでの功績を称えられ槍の勇者元康様がこの地の領主に任命されました。速やかな復興のため通行税をかけます。村に入るのに銀貨50枚、出るのに50枚。」

 

そう言うと村人たちは流石にそれだと食べるものすらなくなってしまうと言ったがマルティは

 

マルティ「領主様の命令が聞けないと?」

 

尚文「当たり前だろ。」

 

尚文がそう言うとマルティは見下すような目で見ながら

 

マルティ「盾の勇者、まだこんな所にいたの。ここはもう元康様の領地です。というか、犯罪者はとっとと出ていってください!」

 

士道「誰が犯罪者だって?」

 

マルティがそう言ったところで士道が戻ってきた。

 

マルティ「イツカシドウ、あなたまでいたのですか。」

 

士道「さて、今ここでお前を殺すことに躊躇いはないが俺が殺すと本当に犯罪者になっちまうからな。とりあえずだ尚文。」

 

士道がそう言って尚文に目配せすると尚文は小さく頷くと

 

尚文「元康、お前はここの宿代が1泊いくらか知ってるか?」

 

その問いに元康は知らないようで目を逸らした。

 

尚文「いいか、1泊食事付きで銀貨1枚だ。つまりお前たちは村を出入りするだけで100日分の宿代を奪おうとしてるんだぞ。」

 

尚文の言葉に村人も続いた。

 

するとマルティは少々イライラしたのか強硬手段に出た。

 

マルティ「国の決定に異議を唱えるとは…」

 

すると周りの兵士たちが一斉にこちら(村人も含む)に槍を向けてきた。

 

その行動に村人たちはビビりまくっていたが。そんな行動に出たので士道も力を解放した。

 

士道『颶風騎士』『鏖殺公』

 

士道が精霊の力を発現させると風は村人を守るようにして緩やかにだが回り始めた。そして士道の手には鏖殺公が握られていた。士道はそれをマルティに向けると

 

士道「お前たちが何の罪もない人達を傷つけるというのなら俺は犯罪者になろうとも今ここでお前たちを殺す。」

 

士道がそう言うとマルティは顔を青くし、元康は慌てていて、兵士たちは腰が完全に抜けていた。そうして少し間が空いたところで突然マルティの隣から人影が出てきた。そしてマルティに自分たちのことは知っていることを聞くと巻物を渡した。

そしてその巻物を見たマルティは青い顔で

 

マルティ「盾の勇者か、イツカシドウ、村の権利をかけて勝負よ!」

 

そう言い放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●

マルティが宣戦布告してから数分後士道はハツネとともにレースのスタート地点に立っていた。隣には自信満々の元康がいたがハツネは成長が早いのかもう既に元康の騎龍よりも大きくなっていた。

 

士道「ハツネ、村の人達のためにも絶対に負けられないから頼むぞ!」

 

士道がそう言うとハツネは咆哮することで応えた。

 

尚文「士道、奴らは何をしてくるかわからんから試合中も周りに気をつけてくれ!」

 

ラフタリア「士道さん、頑張ってください!」

 

折紙「士道なら大丈夫、絶対に勝つ。」

 

七罪「が、頑張ってよね!」

 

みんなの声援を受けたところでコースの準備が出来たようだ。

 

村長「それでは、これよりドラゴンレースを始めます。……始め!」

 

村長が始めと言った瞬間に村長の横を士道と元康が通り過ぎた。

 

そして最初のカーブで突然目の前に穴が出来た。

 

士道「穴!?『贋造魔女・千変万化鏡』」

 

だが瞬時に贋造魔女で穴を塞ぐと続けざまに破軍歌姫を発動した。

 

士道「そっちがその気なら俺も手加減はしない。ハツネ、本気で走れ!『破軍歌姫・行進曲』『颶風騎士』」

 

破軍歌姫と颶風騎士の同時使用は少し体に負担がかかるが士道はそれを無視した。だがその甲斐あって元康はもう見えなく士道は2週目に入った。

 

だがそこでおかしなことに気づいた。元康が急に速くなったのだ。さっきまでよりも明らかに違う。しかし元康には自分へのバフ系のスキルはあまりなかったはずだ。

 

士道「どういう事だ?(確かこのレースは自分で自分に魔法を使用するのは良いが外野からはダメだったはずだ。そうすると恐らく所々にいる兵士たちが怪しいな。)」

 

そう考えているうちに元康は士道のすぐ後ろまで迫っていて次の瞬間一瞬だけかなり速くなった。だが士道もただ黙って見ているつもりはなく颶風騎士と破軍歌姫の力を最大限に引き出した。

 

そして最後の300mで士道は元康を追い抜くとゴールした。

 

士道「良かった、勝ったな。」

 

そう言うと士道はバタリと倒れた。

 

その様子を見ていた尚文たちは急いで士道の元へと走った。

 

尚文「士道!折紙、士道は大丈夫なのか!?」

 

ラフタリア「士道さん!?」

 

突然士道が倒れたので心配して駆け寄ったが折紙と七罪は士道の様子を見ると安堵した。

 

七罪「多分士道は大丈夫よ。」

 

折紙「2つの精霊の力をフルで使った反動だと思う。」

 

その言葉にとりあえずは安堵したが意識を失った士道をそのままには出来ないので折紙と七罪が士道を運ぼうとした所でハツネに変化が起きると元々3m近くあった全長が5m程に大きくなった。

 

そしてその姿を見るやマルティは

 

マルティ「な!?不正ですわ!騎龍と言っておきながらこんなに大きなドラゴンだなんて。」

 

その言葉に村長は不正ではないと言ったが聞く耳を持つはずもなかった。

 

尚文「ふざけるな所々穴だのなんだのといろいろと妨害をしていたくせに!」

 

マルティ「あらぁ?なんの事か分かりませんわぁ。」

 

尚文の問いにしらばっくれようとしたが証拠はあった。

 

そして次の瞬間、マルティの前に『影』が出てきた。

 

影「盾の勇者様の言う通りです。コース上に魔法の痕跡が見られました。」

 

だがマルティはなんとか誤魔化そうとしていたが結局は影の完璧な証拠により渋々帰っていった。

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