BanG Dream! S.S. - 少女たちとの生活 -   作:津梨つな

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2020/05/07 完結解説其の八「元気一杯」

 

 

「という訳――」

 

「やっほぉ!!はぐみだよぉ!!!今日はてれびに出られるって言うからおめかしして来たんだぁ!!」

 

「…………。」

 

「あれ?どしたの?」

 

「…何でもない。ハロハピってみんなこうなの?」

 

「みんな???」

 

「……一応、前回同様に確認するけど、はぐみちゃん台本は?」

 

「読んだよ!」

 

「呼んだ上でこれ…?」

 

「……はぐみ、間違っちゃった…?」

 

「………。」

 

「…………。」

 

「うーん、可愛いからいいかぁ。」

 

「えぇ??間違っちゃったなら、もう一回最初っからちゃんとやりたい。」

 

「真面目!」

 

「ていくつーって言うんだよね。」

 

「……生放送のテイク2とは前代未聞だなぁ。」

 

「やろう!」

 

「………ディレクターさーん。…はい………はい………了解でーす、じゃあやっちゃいましょー。」

 

「よぅし…今度は間違えないぞ…!」

 

 

 

「と言う訳で。」

 

「やっ………」

 

「今回は北沢(きたざわ)はぐみさんにお越し頂きました。…今、「やっほ」って言いかけたね?」

 

「言ってないよ!はぐみははぐみです!」

 

「はい、そうですか。」

 

「コロッケが好きです!」

 

「そうですね。」

 

「よろしくお願いします!」

 

「はいよくできました!」

 

「よくやったと思います!」

 

「自画自賛!はい、スタッフさんも拍手!いい流れ来てるところで本編行くよ!」

 

「じがじさんです!」

 

 

 

**

 

 

 

「いやー、いい滑り出しだったよはぐはぐー。」

 

「ほんと?上手に出来た?」

 

「そりゃもう。帰ったらとーちゃんによろしく。」

 

「わかった!」

 

「よしよし、じゃあ改めまして…何だかんだで一番いい子なんじゃないかって言うほどの、ハロハピの良心がゲストです。」

 

「そうです!いい子だから去年もサンタさん来ました。」

 

「……。ええと、本編の紹介に行こう。」

 

「でもね、サンタさんが本当はとーちゃんなの、知ってるんだ。」

 

「…はぐはぐ?」

 

「だけど「とーちゃんが悲しむから知らないふりしてあげようね」ってかーちゃんが言うからね。はぐみ、知らないフリしてるの!」

 

「はぐはぐ!!それ以上は電波に載らないところでやろう!」

 

「う?」

 

「…んん"っ。…そろそろ、本編の紹介お願いしても…いいかな?」

 

「あ、そうだったそうだった…。えっとね!…えへへ。」

 

「何笑てんねん。」

 

「「Naughty small animals!!」は、歳の離れた妹であるはぐみとの触れ合いをお兄さん目線で描いたお話です。」

 

「うん。」

 

「…はぐみのにーちゃんが出てくるの?」

 

「うーん……正しくは、はぐはぐのお兄ちゃんって設定の男の人のお話だね。」

 

「だよね!はぐみのにーちゃんはこんな風に働いてないもん!」

 

「そうなんだ。」

 

「…たぶん?」

 

「よし、この話は無かったことにして…他に、はぐはぐのお兄さんのエピソードとかある?」

 

「ない!」

 

「おっけい、こりゃ参ったぞ…。実質一人で本筋を語らねばならんという事か。」

 

「…ねーねー、つなしさん。」

 

「なんでしょう。」

 

「つなしさんって、かのちゃん先輩が好きなの?」

 

「何故に?」

 

「かのちゃん先輩が言ってたから。」

 

「……はい?」

 

「あのね、はぐみもこの番組出るんだよーって教えてあげたんだ、かのちゃん先輩に。」

 

「うん。」

 

「そしたら、前にかのちゃん先輩が出た時はいっぱい好きって言われたって。」

 

「ひでぇ風評被害だ。」

 

「言ったの?」

 

「言ってないよ。」

 

「かのちゃん先輩可愛いよ?」

 

「知ってるよ。」

 

「嫌い?」

 

「……そういえば本編で出した花音さんは大分黒くなっちゃったよね。」

 

「あ!はぐみ知ってるよ!重い女って言うんでしょ!」

 

「…それ、のんちゃんに言っちゃだめだからね。」

 

「のんちゃん…?」

 

「花音さんのこと。前に来てくれた時にニックネームつけたのさ。」

 

「そうなんだ!かのちゃん先輩は重い女なの?」

 

「こらこら。作品の中でそういう風に描いちゃったってだけさ。そしてはぐはぐに励まされる主人公…。」

 

「情けないねぇ!」

 

「あ、そういう印象か。」

 

「だって、はぐみのほうがちっちゃいのに。」

 

「……そうだね。きっとはぐはぐも、もーっと大きくなったらその浪漫に気付くさ。」

 

「ろまん…。」

 

「年下の子に甘やかされるっていう…」

 

「うわぁ!キモい!!」

 

「こら、そんな乱暴な言葉遣いしちゃいけません。」

 

「へへ、今のはね、みーくんの真似。」

 

「マジかよ似てねえなオイ。」

 

「キモい!キモい!!」

 

「こらこら、そんな本人の居ないところでイメージダウンを図る様な真似はやめなさい。」

 

「フェー。」

 

「それは、もしかしなくてものんちゃんの真似かな?」

 

「そだよ!フェー!!」

 

「なんか違う…。って、本筋から外れ過ぎだっての!紹介しないと。」

 

「フェー。」

 

「ふぇぇ…こりゃまいったな。」

 

「つなしさんは、妹がほしいの?」

 

「急だなぁ。」

 

「だってだって、主人公に妹が居る話ばっかりだよ。」

 

「核心…ッ!…うん、まあ、実の妹に憧れが無いとは言えないよね。」

 

「そうなんだぁ。」

 

「…実の妹は居ないからねぇ。」

 

「じゃあかのちゃん先輩が妹だったら最高だね!」

 

「…………いや、うーん、どうだろ…。」

 

「妹が欲しいって気持ちはあんまりわかんないけど…でも、こんな風ににーちゃんと仲良く出来たらなって思ったよ。」

 

「…仲、悪いの?」

 

「ううん。けど、にーちゃんはにーちゃんで忙しそうだし、はぐみもハロハピとか学校とか忙しいから。あんまり遊んだりはしないんだ。」

 

「そっかー…。」

 

「だから、あんな風にくっついたりするお話見ると、ちょっと羨ましいなーって思う。」

 

「………………はぐはぐって、体温高そうだよね。」

 

「…うぇ?」

 

「あいや、ごめん。ほかほかしてて抱き心地よさそうだなーって。ちっちゃいし。」

 

「……もう、そういうことばっかり言ってるからみーくんに呆れられるんだよ?」

 

「…何故美咲の名前がここで…。」

 

「最近はみーくんのことが気になってるんでしょ?」

 

「………。」

 

「…ふっふ、ちんもくはこうていなのさぁ!」

 

「…それはまた、誰かのモノマネなのかな…?」

 

「はぁかなぁい…」

 

「あぁわかったわかった。」

 

「みーくんの事が大好きなつなしさんは置いておくとして、最後の方はちょっとのすたるじー?なお話になるんだよね。」

 

「コイツ、脇道と本筋が繋がってやがる…ッ!…ん、まぁちょっと色々あったからね、リアルの方で。」

 

「大人ってなんなんだろうね。」

 

「ね。」

 

「えいえんのなぞだね。」

 

「そうだね。」

 

「でも、つなしさんってもう大人だよね?」

 

「………まぁ、年齢的には?」

 

「お嫁さんになった?」

 

「なってないよ。」

 

「じゃあお婿さん?」

 

「あんまり訊かないで…。」

 

「???」

 

「はぁぁ……。」

 

「????」

 

「…以上、やはり太陽の化身の様な子と過ごすと劣等感で死にたくなる津梨が現場からお伝えしました。」

 

「たいようのけしん…」

 

「ほら、はぐはぐ。次回のゲストは誰って書いてあったっけ?」

 

「!!ええと……んと……あっ!かーくんだっ!」

 

「ゲェェ、また次回も陽キャさんかよ…。」

 

「…かーくん、嫌い?」

 

「いや、好きさ。大好きだよ。……メンタルもつかなぁ。」

 

「そっか!つなしさんはかーくんも好きでみーくんも好きで、かのちゃん先輩にも好きだよって言うような人なんだね!」

 

「やめて!無邪気が刺さる!!」

 

「キモい!!」

 

「美咲ィ!」

 

 

 

 




つよい。




<今回の設定>

津梨:浮気性で将来に不安のある地雷。
   ひでぇ肩書だなぁ!
   はぐみちゃんはありのままで元気いっぱいに居て欲しいものです、はい。

はぐみ:多分頭の中の辞書は常人の3分の1ほどの厚さしかないと思う。
    ひらがな台詞が凄く似合って可愛いです。
    シリーズ最高に本編に触れてませんがご勘弁を。

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