BanG Dream! S.S. - 少女たちとの生活 -   作:津梨つな

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2020/08/13 完結解説其の十一「姉三本」

 

 

 

「ようし!!行くぜ十一回!!目指せ二十回!!」

 

「………。」

 

「…………。」

 

「………。」

 

「おいどうした。ゲスト三人もいんのに全員シカトか?んん??」

 

「……や、もう何処から突っ込んでよいやら…みたいな?」

 

「……。」

 

「……。」

 

「え、え、嘘でしょ?俺だけこのテンション??もうカメラ回ってんだよ?美咲だったら凄い勢いでツッコミ入れてるよ?」

 

「……はあ。」

 

「はい紗夜(さよ)さぁん!!今ため息聞こえたよ!!」

 

「……あのさあ津梨さん?」

 

「なんだい日菜(ひな)ちん。」

 

「純粋に煩いんだと思うよ?ほら、おねーちゃんも心底ウンザリーって顔だもん。」

 

「…………えぇ?日菜ちんもそっちサイド?」

 

「だってさ、まだ始まってないんでしょ?」

 

「いや、だからもう回ってるんだって――」

 

「日菜、そんな足開かない。女の子でしょう。」

 

「えー?いいのいいのー、本番前なんだからー。」

 

「………。」

 

「津梨さん。」

 

「ん。」

 

「アタシ思うんだけどー。……津梨さんにアタシら三人は捌けないと思うんだー。」

 

「……まあ、だろうとは思ってたけどさ。……だから嫌だったんだよこのシリーズ。」

 

「何か言いましたか?」

 

「ああもう!!ちょっと一旦カメラ止め…は出来ないから、CMか何か流しといて!んで君ら三人はちょっと作戦会議ィ!」

 

「えー?めんどくさいぃ。」

 

「うるせぇ白菜。煮込んで食っちまうぞ。」

 

「津梨さん?」

 

「…………ごめん、なさい。」

 

 

 

**

 

 

 

「さぁて始まりました。今日のゲストはこちらのお三方です!」

 

「やほー☆氷川(ひかわ)日菜でぇす!!今日もい~っぱい、るんっ♪とさせちゃうぞ!!」

 

「んん"っ。氷川紗夜です。本日は、よろしくお願いいたします。」

 

「はぁい、今井(いまい)リサでーっす。んまー適当に、お喋りしていきまーっす。」

 

「ん!三者三様の挨拶ありがとう!」

 

「それでは段取り通り……ええと、まずはシリーズの紹介でしたね?」

 

「あはい、お願いします紗夜さん。」

 

「「ひかわさんち。」シリーズは、氷川姉妹に架空の弟が居たら…をテーマに置いた糞性癖ダダ漏れな作品です。」

 

「……ん??」

 

「何か?」

 

「いや……まあ、そうだね、テーマはそんな感じ。うん。」

 

「日菜、次はあなたの台詞だけど。」

 

「うんっ!普段妹でしか無いあたしもおねーちゃんぶっちゃって、すっごくいいなって思ったよ!」

 

「ふふ。どうしてかはわからないけれど、不思議と日菜のキャラクターは掴めていたように感じるわ。」

 

「えー??おねーちゃんも結構、おねーちゃんっぽかったと思うけどなー。」

 

「それは……序盤だけでしょう。」

 

「あのー、もしかしてだけど…」

 

「何でしょう、津梨さん。」

 

「ふたりとも、読んでくれたの?」

 

「…………。」

 

「うん!!あたし、二周くらい読んだよ!それで、面白かったから千聖ちゃんにもオススメしたんだけど、"穢らわしい"って断られちゃった!あはははっ!!」

 

「はははっ!千聖らしいよねぇ!!」

 

「ま、まあちーちゃんはいいや。紗夜さんはどうしてそんな険しい顔してんの?」

 

「…………気に入らないんですよ。」

 

「はい?」

 

「いいですか?私と日菜、氷川の姉妹は二人でいいじゃないですか。折角上手く回ってるのですし。」

 

「お、おぅ?」

 

「さ、紗夜??ほら、二次創作の、作り話だから、ね??熱くならないでさ……」

 

「……今井さん。」

 

「……うわちゃ、これ地雷だ…。」

 

「今井さんも、架空の弟なんかを増やされたら理解できるかも知れません。この、理不尽な憤りが。」

 

「あー…ちょっと耳に痛いカモ…。」

 

「……ねね、津梨さん。」

 

「ん。」

 

「おねーちゃんあのモード入ると長いんだよねぇ。」

 

「…みたいだね?」

 

「だからさ、提案なんだけどっ。」

 

「…………ふむふむ、確かにまあ…リサちゃんには悪いけども。」

 

「ね?いいと思わない??」

 

「よっしゃそれでいってみよう。何なら都合よくシナリオも分岐してることだし…。」

 

「日菜、津梨さん。あなた達にも関係する話なんですよ?何ですかコソコソコソコソと…。」

 

「あ、ああすいませんね。ちょっと進行の打ち合わせを…ほら今本番中なんで。」

 

「そ、そうだよおねーちゃん!」

 

「進行……?打ち合わせならリハーサルの前に終わったはずですが?」

 

「ささ、紗夜!ほら、このコーナーっていっつも無茶苦茶じゃん??津梨さんも不甲斐ないし、みんなキャラ濃いし!!」

 

「ちょ、リサさん?」

 

「いいじゃんいいじゃん、ホントの事だし。」

 

「回を追うごとに俺の扱いがゴミのようになっていっている気が…。」

 

「あははは!!津梨さん、どーんまい!」

 

「……何だかよくわかりませんが、進行に変更が出たということでよろしいですか?」

 

「はい、まあ、そんな感じです。」

 

「歯切れが悪いのが気になりますが…まあいいでしょう。具体的にはどう変わるんです?」

 

「ええと……日菜、説明パス。」

 

「えぇ!?……んと、んと……お、おねーちゃん!耳貸して!!」

 

「ちょ、日菜……んっ。」

 

「おぉ、何かエロい…。」

 

「津梨さん?紗夜に聞かれてたら千切られてるよ?」

 

「……何を?」

 

「津梨さんの、津梨さんを?」

 

「……シモ方向に抵抗とかない人だっけ、君。」

 

「はははっ、そんな人居ないね!」

 

「俺もうリサちゃんがわからん。」

 

「お互い様ぁ~。……あでも、紗夜がたまに色っぽーい声出すのは、何かわかるかも。」

 

「でしょう?」

 

「ま、口には出さないけどね。」

 

「聞かれたとしても君は千切られるもの無さそうだけど…。」

 

「……あったらどうする?」

 

「は?」

 

「ん?」

 

「……なるほど、概ね理解しました。……津梨さん。」

 

「んぇ?あはい。」

 

「要するに、ここからは各分岐ごとに一人ずつ収録する、ということで宜しいですか?」

 

「あ、ああ!そうですそうです。そんな感じで。」

 

「おーなるほど。その方が進行はしやすいもんねぇ。」

 

「個人的に、リサちゃんがもうちょいストッパーになってくれるかと期待してたんだけども…全く機能してなかったから仕方なく…ね。」

 

「はは、無理無理。紗夜が相手じゃあねー。」

 

「あっけらかんと……取り敢えず日菜、説明ありがとう。」

 

「ん!」

 

「一つ質問、よろしいですか?」

 

「はい?なんでしょう。」

 

「恐らく分岐ごとに担当するのはルート名を冠している人として、共通ルート部分に関してはどうなるんでしょうか?」

 

「……。」

 

「担当によってはこの時間も無駄になってしまいそうなんですが。」

 

「いや、だからね?今日張り切って始めたじゃないですか?んで脱線してこうなったじゃないですか?」

 

「……そうでしたっけ。」

 

「そうですよ。」

 

「毎度のこととは思いますが、何故津梨さんは脚本通りに進めるということが出来ないのですか?白金さん達も色々言ってはいましたが…。」

 

「マジ?りんりんの時は割と上手に回せたと思うけど…。」

 

「まあ、それが津梨さんの限界なのでしょう。悲しいですね。」

 

「……。」

 

「あ、津梨さんめっちゃ変な顔してるぅ。」

 

「…もう、紗夜さんには話振らんどこう。」

 

「聞こえていますよ。」

 

「はい、じゃあ日菜。分岐前パートについて、ざっくり説明…いや雰囲気を紹介してみて。」

 

「無視ですか津梨さん?」

 

「はぁーいっ、了解だよ!!……えっとね、あたしは弟とか居ないけど、弟がいたらこんな感じで毎日楽しいんだろうなって思いました!」

 

「うっわ小学生みたいな感想ぶっこみやがった。」

 

「んー、イマドキの小学生ならもうちょっとマトモなこと言うんじゃないかなぁ…。」

 

「えーっ!?津梨さんもリサちーも酷くない??結構頑張って考えたよー??」

 

「おい天才設定どこいった。」

 

「せってい???」

 

「!!…あなた、人の妹を馬鹿にして――ッ」

 

「あーもう、面倒なことになりそうだからリサちゃんパス。」

 

「へ?……何を?」

 

「紹介だってば。」

 

「えぇ…?自分でしたらいいじゃん…。」

 

「コーナー潰す気か。」

 

「はぁぁぁ……わかったわかった。アタシも別にそんな凝ったこと言えないからね?共通部分メインじゃないし…。」

 

「絶対リサちーも大したこと言えないよ…。」

 

「そうだなぁ…とにかく平和、かな。紗夜はクールな中にちゃんと優しさとか、あと甘えなんかも垣間見えたりして、凄く好感持てるよね。」

 

「な…っ。」

 

「そんで、ヒナもいい具合に話のテンポに絡んでるし、元気いっぱいで破天荒なお姉さんって感じが可愛いんだよね。アタシは…まぁ、そんなに出てこないしね。」

 

「おぉ…。」

 

「全体的な作品像でいうと、確かに津梨さんの糞童貞みたいな妄想ダダ漏れ感あるけど……キレイなお姉さんに弄られたり面倒見たりな、"羨ましい日常"を楽しめる作品…かな?」

 

「ブラボーゥ!!見たか日菜!!これが紹介ってやつだ!!」

 

「むむむむむ……リサちー、いいトコ全部持ってくじゃん…!」

 

「ちょ、そんな、大したこと言ってないって。ヒナも、そんなフグみたいに膨れなくても…。」

 

「いや、とんだグダグダ回だと思ったけど最後で上手く纏まった!本当ありがとう。」

 

「えぇー?やめてよ、そんな、照れるじゃん…。」

 

「津梨さん、もっかい!もっかいあたしも感想言う!!」

 

「日菜は日菜ルートの時にまた聞くから、その時にリベンジしてくれな?」

 

「うぅ…ほんとに聞く??」

 

「そりゃもう。逆に聞かないとしたら中々の放送事故になっちゃうよ。」

 

「んぅ…。じゃあ、絶対次はすっごい事言うからね!」

 

「感想に凄いもへったくれもあるか…まあいいや、それじゃあリサちゃんが上手に締めてくれたところで、一旦エンディングと行きますか。」

 

「ちょ、津梨さん?」

 

「…何です紗夜さん?」

 

「私、まだ感想言っていませんが。」

 

「え。何か言うことあるんですか?」

 

「……いえ、特には、無いんですけど…。」

 

「えぇ…?」

 

「で、でも、二人だけ言って、私はノーコメントって、ちょっとおかしいと思いますけどっ?」

 

「……ははあ。つまりは、仲間はずれは嫌ってことだ?」

 

「違います、し……そんな、子供じゃないんだから…。」

 

「??……ああすいません、巻きます巻きます。…ごめんなさい紗夜さん。そもそもの番組枠がもう詰まってるみたいで。」

 

「はぁ!?そんなの、編集とかで、何とか…!」

 

「編集?いやこれ生なんですよ。」

 

「!?」

 

「……あー、紗夜、知らなかった系…?」

 

「おねーちゃ……。」

 

「だ、だって、そんなの、打ち合わせの時に言ってなかったじゃ…」

 

「あいや、説明してましたよ。流石に伝えずに生放送はハイリスクすぎるし…」

 

「してたしてた。けどほら、紗夜ってばヒナの服装の乱れが~とか髪のセットが~とか世話焼いてて忙しそうだったし。聞き漏らしたんじゃ?」

 

「~~~~ッ!!」

 

「というわけで、「ひかわさんち。」回・共通ルート編はこちらの……フリーダム氷川日菜、意外にまともな今井リサ、割とポンコツ氷川紗夜、のお三方でお送りしました~。」

 

「んー、悪意あるねぇ。」

 

「次回からは三回に渡って各ルートを紹介していきますよん。」

 

「それぞれ好き嫌いはあると思うけど、るんっとする紹介にしていくよ!楽しみにしててね~!」

 

「ちょっと、待ってっ、私も何かコメントを」

 

 

 

 




紗夜さんはイジラレ役。




<今回の設定>

津梨:執筆欲がわかないことに困惑している。
   不甲斐ない。

紗夜:かわいい。

日菜:鍋のレシピとかにさらっと名前混ぜてご覧よ。
   本当に違和感なく白菜って空目するから。

リサ:いいとこ取り。

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