BanG Dream! S.S. - 少女たちとの生活 - 作:津梨つな
不定期ではありますが、頭を使わずに読める緩めの"日記"スタイルを目指しますので
お楽しみいただければ幸いです。
2019/06/07 有咲と穴
「なぁ。」
「ん。」
ベッドでゴロゴロしていると、近くで洗濯物畳みに勤しんでいる有咲に呼ばれる。
「○○の靴下ってさ、どうして親指だけ破れんの。」
「…さぁ?歩くから?」
黒の靴下をぶらーんと見せてくる。
ははぁ、普段スーツの時に履いているヤツだな。
「いや、歩くからって理由ならここだけにはならないだろ…。
私のはほら、ちょっと薄くなってはいるけど破けはしないし…。」
空いている手でレース生地のような透けた靴下を見せてくる。
踝が出る短さのやつだ。
昨日も履いてたっけ。
「その靴下じゃ破れても気づかないんじゃないか…。透明だし。」
「そういう問題じゃないだろ。私が言いたいのは、扱いが雑なんじゃないかってこと。」
「別に…普通だけど。」
「ふーん…?まぁいいけど。
結局縫うのは私なんだからな…。」
「おう、いつも助かってるぞ。」
破れる度に手頃な価格のものをまとめ買いしようとするのだが
「勿体無い」と縫われてしまう。
幸いなことに黒の糸は大量に余っているらしく頼まずともやってくれるのだが…
ただ、紺とかグレーの靴下も黒糸を使うのはどうかと思っているのは内緒だ。
「はいはい、もっと感謝しろよな。
…ほら、できたぞ。」
「さんきゅー。
…ほー、いつもながら見事なもんだな。裁縫得意なんだっけ?」
「べーつに。これくらい出来るだろ?
一応授業でもやったぞ?」
「……授業とか遠い記憶だわ。」
学生生活が終わってもう数年経っている。
裁縫どころか、授業自体の記憶がもうあやふやだ。
「有咲はすごいなー。授業がちゃんと役に立ってんだなぁ。」
頭をぐりぐりと撫でてやる。
「だー!もう、やめろよ!子供扱いすんなぁ!
あっ、もう…こっちのも穴開いてんじゃんか…」
「歩き仕事だしなぁ…別に無理して直さなくても買えばいいんじゃ…」
「だめ。勿体無いだろ。
すぐそうやって買って解決しようとする…。」
「お母さんか。」
「うるせぇ。」
実家で暮らしていた時にもよく言われてたんだよな。
もったいないお化けでるよってな具合だったが。
「でもさ、あんまり有咲に負担かけたくないしさぁ。実際ちょっと面倒だろ?」
「別に。私はこういうの、嫌いじゃないし。
自分の物も洗濯してるんだからついでだよ、ついで。」
「ふーん。…お嫁さんか。」
「…まだなってねえよ。」
「…まだ?」
「……ふぅ、こんなもんか。
ほら、できたから早くしまって。」
「へいへい、さんきゅーさんきゅー。
……おっ?」
「えっ?…あっ。」
ツン、とした顔の有咲から修繕したての靴下を受け取る。
そこで、二人して気づいた。
「私のも…もう片方の親指破れてる。」
「…お揃いじゃん。」
「…はぁ。じゃあこれは○○が縫えよな。」
「」
結局有咲が自分でチクチクやった。
俺は玉留めができないんだ。
最初はやっぱりこの方で。
いいお嫁さんになると思います。
<今回の設定>
○○:主人公。
社会人2年目。
典型的な"男の一人暮らしスタイル"を貫いている。
家事は一切できない上に、何でも金で解決しようとする傾向がある。
有咲:高校2年生。
バンドはやっていない。
引き籠りをやっていたところで流星堂に客として来た主人公と出会う。
暇つぶしと言いつつ有咲と話しに来ていた主人公と意気投合し、
時間を見つけては主人公の世話をしに来るようになった。