BanG Dream! S.S. - 少女たちとの生活 - 作:津梨つな
「おっ………あ!…くっそ……」
「…なあ、めっちゃ声出てんぞ。」
今日も今日とて音ゲーに勤しむ俺。
只今全力を注いでいるスマートフォン向けリズムゲーム、"バンドリ! ガールズバンドパーティ!"はイベント中のため、
隙を見ては
「…あ?何か言ったか??」
「めっちゃくちゃ喋ってるぞって。
○○、ヘッドホンしてるから気づいてないんだろうけど。」
ベッドにうつ伏せの状態でプレイする俺。
タブレット勢なので、画面がずれてしまわないように枕とクッションで固定しプレイするスタイルなのだ。
どうも今日は不調で、ミスが出るたびにリアクションが溢れてしまっているのだろう。
そんな俺に、
「あぁ…。今日はどうも手が動かなくてな。
背中が重いせいかな。」
「ばっ…誰が重いって?」
「有咲。」
「く……ッ」
うつ伏せの俺の背中には、更にうつ伏せの状態でおんぶの様な形で有咲がねそべっている。
俺の行動に関係なく、ゲームをしてようが本を読んでいようが、まるでそこが定位置であるかのように
このポジションでダラけることが多い。そんなに居心地は良くないと思うのだが。
「じゃあ、降りるわ…。」
「いや、いいよ別に。」
正直、重さ云々よりも背中で感じる体温と全体的な柔らかさに邪な妄想が湧く方がプレイに影を落としている気がする。
日々一緒にいて感じるのだが、自分の発育具合を自覚していないのは大変凶悪な部分であろう。
「お、重いんだろ?」
「…いや、柔らかくて集中できねえんだ。」
「なっ……。お、おま…。
……えっち。」
もごもごと言い淀んだ後、批難の声を上げながらも首に手を回される。
チョーク…いや、バックハグといったところか。
「……それだと、より押し当てることになるんだが。」
「うるさい!…いいから、黙ってゲームでもしてろよ。
今日だけ…今日だけ特別に、その、…感じてていいから。」
「………。
いいクッションをどうも。」
これ以上言及するのも恥ずかしさもあり憚られるので
が。
ぎゅうぅぅ…っと後ろから抱きしめられている状態のため、首筋にかかる息が擽ったく、背中の感触と合わせて集中力を奪ってくる。
ヘッドホンがあるのが幸いか。
吐息を聞いてしまったらゲームどころではないだろう。
「…いい匂いするな、○○。」
「…あったかい…。」
あぁもう!集中だ集中!
頻繁に聞いているはずのいつものタイトルコールが頭に入ってこない。
イベントだというのに、こんな調子じゃまともに…
**
有咲の温もりを感じられた天国のような時間だったが、プレイ内容は惨憺たる有様だった。
スコアが伸びずご迷惑をおかけした皆様、本当にすみません。
「有咲。」
「んー?」
「有咲と有様って似てない?」
「で?」
「有様って呼んでいい?」
「嫌。」
「あ、カニカマも音の響き的には似てるよな。」
「しらない。」
「……。」
「……。」
「有様。」
「もう寝ろ。」
くっつき終わったあとの有咲は大体冷たい。
ありしゃ可愛い。
<今回の設定更新>
○○:ガルパエンジョイ勢。
念願のタブレットを買ってからスコアが伸びた。
有咲のまさに程良い肢体が気になって仕方がない。
有咲:主人公が好きなのかもしれないと最近気付いた。
世話しに来ているとは言え、あまりに構ってもらえないと全力で拗ねたあとに甘える。
人の体温や匂いを感じていると安心するタイプ。