BanG Dream! S.S. - 少女たちとの生活 -   作:津梨つな

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2019/06/26 有咲に溺れる

 

 

 

うーむ…体がしんどいぞ…。

6月ももう終盤を迎え、皆の衆も夏に備えていることだろう。…ん、もう夏なのか?

そんな中、俺の肉体は疲労によりダウン寸前だった。

社会人2年目ともなると、流石に社畜生活にも慣れてくる。と思ってた時期があったはずだがそんなことはなかった。

 

 

 

「ありさぁ…ありさぁ……」

 

 

 

虚ろな意識の中、全力で癒しの素を探す。

だが、俺の手の届く範囲にはそれが無い。どこへ行った?まさか俺に愛想を尽かして…。くそっ、日頃もっと構っておくんだった…。

 

 

 

「うっせぇな。トイレくらい静かにさせろよ。」

 

「別に邪魔はしてないだろう…。」

 

「トイレに行った直後から名前連呼してただろうが!

 してる最中もずっと有咲、有咲って…。集中できなかっただろ!」

 

「……こぼした?」

 

「こぼしてねえっ!」

 

「んなこたぁどうでもいいから、ほら、はよ。」

 

 

 

横たわるベッドの、枕側に位置するスペースをとんとんする。

早く、早く救済を。

 

 

 

「はぁ……。ガキじゃねえんだから…。」

 

「心はいつでも少年のまま、so,少年heart…」

 

「んしょ…っと。くだらない事ばっか言ってんな。…頭上げろ。」

 

 

 

持ち上げた頭の下に綺麗に揃った二本の枕が入ってくる。

言わずもがな、有咲の程よくむっちりとした腿だ。体温が低いのかひんやりとした感触、俺の火照った身体を冷却し疲労回復にまた一役買っているのだろうか。

 

…うん、ボーっとするせいか頭の中も混沌(カオス)だ。素晴らしきこの感覚をレビューしようとしたが、伝えたいこともまとまらないし、俺の心の中を読んでいる稀有な誰かが居たとしたらほんとすまん。

 

 

 

「こらぁ、あんまりモゾモゾうごくなぁ…!

 くすぐったいだろ…。」

 

「…有咲。」

 

「ぁんだよ。」

 

「この柔らかさ、最早究極の癒しと言っても過言ではないのでは?」

 

「脂肪…って言いたい?」

 

「否、至高であり、嗜好である。」

 

「はいはい、お前くらいだよそんなこと言う物好きは。」

 

 

 

いつもとは逆だが、小さなてのひらで髪を梳くように撫でられる。

ゆっくりとした時間が流れ、ただでさえぼんやりとした意識は微睡みに…。

 

 

 

「有咲ぁ…。」

 

「…んぁ?」

 

「……子供は何人欲しいですか?」

 

 

 

ペちん。

 

 

 

「馬鹿言ってんじゃねぇよ…。私まだ高校生だぞ。」

 

「高校行ってねえじゃん…。」

 

「うっせぇ。そういうことじゃなくてだな…。」

 

「女の子だったら有咲に似て、さぞかし可愛い子になるんだと思う。」

 

「ばっ…!別に可愛くなんか…ねぇよ…。

 …だー!もう!そうじゃなくて!」

 

 

 

ぺちん、ぺちぺち。

 

 

 

「俺のでこっぱちはコンガじゃねえぞ、そこな娘。」

 

「はーぁ……順序とかあるだろがそういうのは。

 子供の前にまず結婚、結婚の前に付き合うとかそういう」

 

「結婚しようか…。」

 

「話聞いてたか?別にいいけどさ…」

 

「いぇーい。式の日取りはいつにする?」

 

「はいはい、いいから一回寝ろ。ちょっと熱あんだから。」

 

「んー……む。お前が家にいる時間は、ホント幸せだなぁ…。」

 

 

 

後頭部に感じる包み込むような心地よい柔らかさ。

前頭部に感じる華奢で小さな可愛い紅葉の様な掌。

目を閉じているせいかより敏感になっている嗅覚を刺激する柔らかく甘い香り。

魅惑の空間に包まれたここは、昼間の仕事での疲れやストレスから確実に俺を隔離してくれ、一時とは言え確かに忘れさせてくれる。

 

深く沈んでいく意識の中聞こえたその声は、甘く耳に残った。

 

 

 

「おやすみ。…ばぁか。」

 

 

 

 




甘い罵倒。





<今回の設定更新>

○○:取引先と顧客の理不尽な板挟みにより精神的にダウン。
   これから夏バテも控えているというのに、ひと足お先に参っちゃった。
   有咲がいなければここで終わってた。
   ちなみにこのやりとりは割と頻繁にやっている模様。

有咲:トイレが長い。
   トイレでスマホ弄るとなかなか出てこれなくなるっていうアレ。
   やはり引き籠もり、最近は主人公に抱き枕を依頼されることが多くなった気がしている。
   結婚とかなんとか言ってるけど、状況的にはすっかり通い妻。
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