BanG Dream! S.S. - 少女たちとの生活 -   作:津梨つな

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すみません、昨日の分です。
姉妹です。


2019/07/03 姉妹が渋滞してるねぇ。

 

ピコン

 

「…ん。」

 

 

 

不真面目なこの僕が珍しく自宅で勉強中だというのに…誰からのメッセージだ…?

画面には…"LISA"の文字。はぁ。

 

 

 

『やっほー』

 

『どしたの』

 

『べつにー?今何してるの??』

 

『勉強中。』

 

『あら~。えらいね。』

 

『もうすぐテストだし。』

 

『ひどい結果になると紗夜ねぇが怒るから。』

 

 

 

…っと、本当にこんな脱線してる場合じゃないんだった。

まだ今日の授業の復習すら終わってないし…。

 

僕はいつも(勉強自体たまにしかしないけど)勉強の時は音楽を爆音で聴きながら机に向かう。

…さすがに、今日みたいな夜に勉強するときはヘッドホン装着の上で、だけど。

無音でカリカリやるより集中できる気がするんだよね。わかる?僕だけか。

 

というか、紙とペンの触れる音が苦手っていうか、まあそういう感じ。

 

 

 

「○○くんー!」

 

「はぁ……。なにーー!!」

 

「入るね!」

 

 

 

がちゃっと、ドアを開けると同時に言いながら入ってくるうるさい方の姉さん。

入る前に言いなさいよ。

 

 

 

「○○くん、きいてきいて!

 今ね、おねーちゃんがお風呂入ってるんだけど…覗きに行かない??」

 

「あんたは修学旅行中の男子か。」

 

「わっ、ツッコミもするんだね。

 るんっ♪って」

 

「来ない。今勉強してるから、また後でね?」

 

「わっわっ…」

 

 

 

可哀想だけどここはご退場願おう。

何なら僕も一緒になって遊びたいくらいだけど、状況が状況だけにこっちを先に片付けちゃうべきかなーって。

 

 

 

「もー!!あとで遊ぼうって言っても遊んであげないんだから!!」

 

 

 

はいはい…。そう言いながら絡んでくるのは日菜ねぇじゃないか…。

さて、今日もすっかり習慣化した流れで日菜ねぇを無力化したし…やっちゃおうか。

 

 

 

**

 

 

 

結局あれからもいまいち集中できずに、無駄に長引いてしまったぞ…。

あるよね、夜だと特にね。…僕も風呂入っちゃおうかな。

 

僕ら姉弟の部屋は2階、リビングや浴室があるのは1階だ。

欠伸を噛み殺しつつ下っていく階段で紗夜ねぇと会う。

 

 

 

「…あら、今までやっていたの?」

 

「うん、ちゃんとやったよ。」

 

「そう。偉いわね。」

 

「…紗夜ねぇ、お風呂は無事に終わったの?」

 

「??…無事、とはどういう意味かしら?」

 

「んーん、別にいいや。日菜ねぇは?」

 

「日菜?さぁ、さっきリビングでだらしなく寝転がっているのは見たけど…。」

 

「ふーん?」

 

「○○、これからお風呂?」

 

「そだよ。」

 

 

 

あ、因みにこんなに長々喋っているのは一つ理由があって。

うちの階段、幅が狭くて擦れ違えるスペースがないので、誰かと会うとついつい喋り込んじゃうんだよね。

日菜ねぇは別だけど。

 

 

 

「もう少し早く入ったらお姉ちゃんと一緒だったのにね。」

 

「…紗夜ねぇもそういうこと言うの?」

 

「ふふ、あなたにだけよ。」

 

「……じゃあ今から一緒に行く?」

 

「な…ッ!」

 

 

 

想像して顔赤くするくらいなら言わなきゃいいのに…。

日菜ねぇやリサねぇと違って耐性がなさ過ぎるんだよな紗夜ねぇは。

そのくせ無理して弄るからもう見てらんない…。

 

 

 

「…顔真っ赤だよ。紗夜ねぇって可愛いねぇ。」

 

「ちょ……お姉ちゃんを、からかうもんじゃ、ありません…。」

 

「ははは、じゃ、僕下降りるね。」

 

「…私も行くわ。」

 

「部屋戻らないの?」

 

「よ、用事ができたのっ。」

 

 

 

紗夜ねぇと一緒にリビングへ。

…あぁ、だらしないってそういう。

 

リビングの長ソファでは顔に本を載せた日菜ねぇが半身を投げ出すように眠っていた。

 

 

 

「はぁ……日菜。そんなとこで寝てないで、部屋に行きなさい。」

 

「うーん…むにゃむにゃむにゃ……。」

 

「めっっっちゃヨダレ。」

 

「日菜!」

 

「ぅあっわっ、えっ!?あ、おねーちゃん。おはよう」

 

「おはようじゃないわよ…まったく。」

 

「日菜ねぇ、色々出てたよ。」

 

「ふぇ?色々?いろいろってどういう…」

 

「早く行きな…さい!」

 

「ま、まって!いろいろって!?ちょ、ちょっと…」

 

 

 

バアン!!

 

恐ろしい勢いで扉を閉める紗夜ねぇ。

…うん。日菜ねぇ、家でも下着くらいつけようよ…

 

 

 

ガッ!

 

 

 

「いってぇ!…な、なに紗夜ねぇ。

 顔、めっちゃ怖いよ。あと肩!指、食い込んでるって!!」

 

「フーッ!フーッ!フーッ!フーッ!」

 

「さ、紗夜ねぇ…?」

 

「さ、さぁ…これで二人になれたわね…

 お…おふふ、おふふふふ…ジュルリ、お風呂に、は、は、はは、入りましょう…」

 

 

 

どうしたお姉ちゃん!!

おかしくなってんぞ!!

 

 

 

「じょ…冗談だよね…?あっ、脱衣所行かずに脱いじゃう感じ…?ちょ!ちょっと待とう!ね!?ね!?」

 

 

 

**

 

 

 

「おねーちゃん、39℃だってー。」

 

 

 

紗夜ねぇは結構な高熱で寝ている。

そんだけ熱出てりゃおかしくもなる、か…。

 

結局あのあと、リビングで突如として脱ぎだした紗夜ねぇを何とか止めつつ、日菜ねぇを呼んだ。

部屋に行かずに階段でいじけていた日菜ねぇはすぐに駆けつけ、漫画とかでよく見るような首筋へのチョップで紗夜ねぇを落とした。

部屋まで二人がかりで担いでいき、今に至るというわけ。

 

 

 

「あーあー。○○くん、おねーちゃんにえっちなこと言ったでしょ。」

 

「い、言ってないよ!」

 

「ふーん??ま、おねーちゃんそういうの耐性ないからさ。

 あんまり過激なこと言うと、熱出しちゃうんだよね。…注意しないとね。」

 

「まぁ、うん…。そうだね。」

 

 

 

初心すぎる…。可愛いかよ。

 

 

 

「あれ?○○くんお風呂は?」

 

「…あぁ、これから入るよ?」

 

「なるほどなるほど……」

 

「じゃあ、行ってくるね。紗夜ねぇを宜しく。」

 

 

 

今度こそやっと静かに風呂入れるよ…。

珍しく日菜ねぇが紗夜ねぇを看病してるみたいだし、…って

 

 

 

「日菜ねぇ?」

 

「んー??」

 

「紗夜ねぇは?」

 

「おいてきたっ♪」

 

「…服、脱げないんだけど。」

 

「あ、脱がして欲しいの??…甘えんぼさんめぇ。」

 

「ちがうよ。」

 

「なぁんだ、自分で脱げるのかぁ。それじゃあ」

 

「ちょ、ちょっとまって、服に手をかけないで。

 さっき入ったんじゃないの?あ、ちがうあれは紗夜ねぇか…」

 

 

 

ごっちゃごちゃしてきたぞ。それくらい混乱中だ。

 

 

 

「えー?訳わかんないこと行ってないで入ろうよぅ??」

 

「もう!あとで入って!!

 今これから僕がひとりで!入るから!あとパンツ穿いて。」

 

「えー…一緒に入ってあげるよぅ。」

 

 

 

この家に、安息はないのか。

 

 

 

 


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