BanG Dream! S.S. - 少女たちとの生活 -   作:津梨つな

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2019/08/02 姉と弟のあわあわ☆ふりーだむ

 

 

「あっはっはっはー!!見て見て!○○くん!!」

 

「ちょ、ちょっと待ってよ日菜ねぇ!外でやんなって!!」

 

 

 

やっぱりというか何というか…。

基本的に家にいない人が家に居るともう滅茶苦茶になるなぁ。

学校から帰ってくるなりいきなり花火を渡された時には、さすがの僕も視界が霞んだよ。

その状態から「取り敢えず花火はやめて別の遊びにしよう?」と冷静に対処した自分を褒めてあげたい。

だって室内だぜ?

今だってリビングがシャボンでいっぱいだ。

 

 

 

「ねーねー!これすごくない??おっきいのが作れるんだって!!」

 

「あぁ、テレビで見たことあるよ…ってそれどこから出したの。」

 

「いっひひー。…タライにシャボン液をー…。」

 

「だから!リビングでやるもんじゃないってば!

 外でやるか…せめてお風呂場とかさあ…!」

 

「お風呂?お風呂入りたいの??」

 

「どんな耳してんだよ!」

 

 

 

こんなタイミングで急に入浴とか脈絡なさすぎでしょ。

日菜ねぇじゃないんだから。

 

 

 

「ってかさ、この状況どうする気?」

 

「んー?ご飯食べる時とか?」

 

「もっと心配することあるでしょ…。

 ほら、(紗夜ねぇ)が帰ってきたら~とか、考えないわけ??」

 

「まっさかぁ~。おねーちゃん、今日は生徒会がどうとか言ってたと思うよ??

 まだまだ帰ってこないって~。」

 

 

 

ケラケラ笑う日菜ねぇ。そういうフラグっぽいこと言うなって…。

 

 

 

「…ただいま。」

 

 

 

ほらー!!

 

 

 

「あ、あわわわわわわわわ。」

 

 

 

こっちはこっちでわかりやすくテンパってるし!

 

 

 

「泡に囲まれて「あわわ」って…ぷっ。」

 

「わ、わわわ、笑ってる場合じゃないでしょー!

 どーすんのこれ!!」

 

「しーらないっ。

 僕は部屋に帰ってるから、たまにはじっくり怒られてみたら?」

 

「○○くんのばかー!裏切り者ー!!」

 

「はいはい。」

 

 

 

リビングを出て、階段へ向かう途中に紗夜ねぇに会う。

機嫌悪いのかな?目線は足元やや前方に向けられているし、相変わらず眉間には皺が寄ってる。

…それでも僕に気がつくとにっこり笑って「ただいま」と言ってくれた。可愛い。

日菜ねぇにはああ言ったけど、少しだけ時間稼ぎしてやろうかなぁ。

 

 

 

「おねーえちゃん。」

 

「!?○○…?どうしたの?きょ、今日はやけに可愛いわね…」

 

「この呼び方は恥ずかしいからやめよう…。

 えっと、帰ってきて紗夜ねぇが居ないとやっぱり寂しくてさ。

 …ただいまって声聞いて、今日は何だかすごく嬉しかったんだ。」

 

 

 

うん、嘘は言ってない。

紗夜ねぇに素直に気持ちを言う、その行為自体は僕らしくないけど。

 

 

 

「そう、そうなの…ふふふふ、ふふふふふふ。」

 

「さ、紗夜ねぇ?」

 

「…ね、○○?」

 

「おねえちゃんと、お部屋でお昼寝しよっか?」

 

「…ん??」

 

 

 

あ、やばい距離間違えた感あるぞこれぇ。

さっきまでただただ可愛かった紗夜ねぇに、何やら不穏な気が流れ始めた。

少しは時間も稼げたろうし、逃げ時か。

 

 

 

「なんなら、寝付くまで隣で子守唄歌ってあげよっか?」

 

「あ、それいいかも…」

 

「それじゃあ行きましょ。」

 

「えっ、あっ、あの、えっと」

 

「…?あ、まだおねむじゃないのね?

 ふふっ、わかったわ。それじゃあ私の部屋でアレを」

 

「あぁ!そういえばリビングで日菜ねぇが面白いことやってたよぉ!?」

 

「…日菜が?」

 

 

 

ごめん、日菜ねぇ。

でも紗夜ねぇのメンツの為にも仕方なかったんだ。

あのまま黙ってたら絶対やばいこと口走ってたよこの人。

ピクリと眉を反応させ、柔らかそうな表情を引き締め直す紗夜ねぇ。

踵を返しリビングへ向か―――う前に一言。

 

 

 

「○○、後でね?」

 

「…は、はい。」

 

 

 

後で何があるってんだ…。

 

 

 

**

 

 

 

「うぅっ…ぐすっ……ひっく、ひっく……うえぇ…」

 

「日菜ねぇ、あれは流石に怒られるって。」

 

 

 

夜。

晩ご飯の間までネチネチ怒られ続けていた日菜ねぇは、僕の部屋でしゃくり上げて泣いていた。

流石に心が折れたのか。

 

 

 

「でもさ、ちょっと時間あったでしょ?

 …よりにもよって、なんであんなことしたの。」

 

 

 

あのあと紗夜ねぇが向かったリビングはまさに地獄絵図。

どうやらテンパった日菜ねぇは一応隠蔽を試みたようだけど、僕が早々に見捨てたことにより袋小路に。

もう時間もないし隠すのは無理がある――じゃあ紗夜ねぇもシャボンの楽しみに巻き込めばワンチャン…?となったそうだ。いやならんだろ。

 

結果、紗夜ねぇを特大サイズのシャボン玉で封じ込めようという暴挙に出たらしいのだが…。

知ってのとおり、テレビとかでもやっている()()は中に入る人の協力が必要だ。

勿論抵抗した紗夜ねぇによってそれは叶わず、零したシャボン液を紗夜ねぇが被るわ飲むわで大騒ぎになったらしい。

そのあとの空気は流石に僕の甘えじゃどうしようもないほど苦かったよ。

 

 

 

「だってさ…だって、あの状況はもうどうしようもないじゃん…。

 ○○くん、裏切るしぃ……えぐっ、えぐっ…」

 

「はいはい、すごいよ鼻水。

 これ、びろーんって!はははは!」

 

「もー!お姉ちゃんの鼻水で遊ばないの!!」

 

「はい、じゃあちーんしましょうねー。」

 

「んぅ。……ずびーっ」

 

「お姉ちゃんだって言い張るならもうちょっと年上っぽいことしなよ…。」

 

 

 

えぐえぐ言っているのを慰めて、鼻水の処理までして…

 

 

 

「赤ちゃんの面倒見てるみたい。」

 

「なにそれーひどいー!!」

 

「はははは、ごめんごめん。

 じゃあ次は怒られないように気を付けないとね?お姉ちゃん?」

 

「うん…次は気をつけるもん…。」

 

「うん、えらいえらい。」

 

 

 

ぐちゃぐちゃになった前髪を手櫛で梳く。

…次は外で遊ぼうね、日菜ねぇ。

 

因みに、このあと日菜ねぇが落ち着き次第ではあるけど、僕は紗夜ねぇの部屋に呼ばれている。

さっきの「後でね」発言の全貌がいよいよ明かされるのだ。

 

 

 

「…出頭する気分だなぁ。」

 

「……逮捕しちゃうぞ☆」

 

「日菜ねぇ、その鼻水しまって。」

 

 

 

 

 




紗夜ねぇが帰ってこなければ花火もしちゃってたぞ☆




<今回の設定更新>

○○:姉弟関係的にも姉妹の真ん中に入ったほうがしっくりくるのか…?
   でも双子だしな…
   ( ゚д゚)ハッ!…三ツ子…?

日菜:泣き顔も可愛い。
   何故か外遊びを室内で、インドア遊戯を屋外でやりたがる傾向にある。
   河川敷で七並べとか。

紗夜:相変わらず弟にはデレデレ。
   日菜に対して怒る時のみ、若干の恐怖補正により「いつもより多めに」怒ってしまう。

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