BanG Dream! S.S. - 少女たちとの生活 -   作:津梨つな

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2019/10/28 お姉ちゃんと寝るだけ

 

 

 

思う様に寝返りが打てず、何かに挟まれている様な圧迫感を覚え緊急浮上する僕の意識。開いた目に映る景色は未だぼんやりとしていて薄暗い。

……あ、薄暗いのはきっと、まだ起きる時間じゃないからだな。

だが、この圧迫感は何だろう。まるでサイズの小さい寝袋に無理やり入り込んだかのような、少し窮屈に感じるスペースで身動きが取れずにいて、ずっと底面・ベッドに面している左半身が居心地の悪さを主張している。早く姿勢を変えなければ。

どうやら手も塞がっているようで、体全体を少しずつ捩るようにして体勢を変える。

 

ふにっ。

 

 

 

「んぅっ………。」

 

 

 

顔を覆っていた何か柔らかいものを、首を捻じることで除ける。同時に頭上から聞こえる小さな声。

…段々と意識が覚醒してきたようで、僕が()()()()()()()()()()()のかわかってきた。夜の睡眠時間は紗夜ねぇと過ごすことになっているんだったっけ…ってことは今のは紗夜ねぇの…。

いざその事実に気付いてしまうと最早睡眠どころではない。姉弟とは言え、濫りに身体に触れていいものではないし、そんな爛れた関係になってはいけない気がする。

恐らく抱き締められる形になっているであろう現状を少し緩和すべく、目の前の柔らか…じゃなくて紗夜ねぇから距離を空けるように後方へ下がる。

 

ふよん。

 

 

 

「んんっ…。」

 

 

 

先程のデジャヴュのような感触が後頭部から伝わってくる。それと同時に、またしても頭上…やや後方より落ちてくる艶めかしい響き。…あぁ、この声と感触はもう一人のお姉ちゃんか。

待てよ?夜の担当は紗夜ねぇだったはず。でも状況的に、いつも通り正面から僕を抱き締める様にして眠っている紗夜ねぇと、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()日菜ねぇに挟まれていることになる。ううむ、これは由々しき事態だぞ。

紗夜ねぇに抱き締められて眠るのは非常に心地よい。ただ、無意識なのか意図的なのか、明け方の紗夜ねぇの腕力は強く、胸の中で窒息死してしまいかねない状況に陥る為気付いた気に向きを反転する様にしているんだ。要は、紗夜ねぇに後ろから抱き締められる形になるって訳だね。

ただ、今朝のこの状態でソレをやることがどれだけ難しいかったらもう…。そもそもシングルベッドに三人が寝ているわけだし、二人ともぎゅうぎゅうと絡みついてくるせいで空いているスペースがほぼ無い。全身が二人のお姉ちゃんに密着している状態であって、縦後ろを向いても今度は日菜ねぇの胸に顔を埋めることになると言う訳だ。

でももう左腕と肩が限界だ。このままでは全く安らぎどころじゃないので、仕方なく寝返り作戦を敢行することにした。

 

 

 

「んしょ…」

 

ふにっ

 

 

 

「あんっ…。」

 

 

ふにゅん

 

 

 

「んぁ……っ」

 

 

ふよっ

 

 

 

「ぁっ……んぅっ…」

 

 

 

…何だろう。ただ姿勢を変えているだけだというのにこの感触と嬌声の連続は。一応健康な男子学生である僕にとって良くない。非常に良くない。

一苦労の後、漸く後ろを向くことに成功したが……姉弟でこんな見方は良くないと思うんだけど、日菜ねぇの方が胸の主張が激しいらしい。紗夜ねぇの時は服の上からの見た目で意識するようなことは無かったのに、日菜ねぇの方を向いた途端に胸の位置が分かってしまう程だ。

 

 

 

ぎゅぅ

 

 

「んっ?」

 

「……もう、変なところいっぱい触って…悪い子ね、〇〇は。」

 

 

 

日菜ねぇの胸部を観察していると、僕の鎖骨あたりに後ろから回された腕に力が入る。思わず零した声に返ってくるのは紗夜ねぇの優しい声。

紗夜ねぇ、最近ますます柔らかくなったよな…。…あ、ち、違うよ?態度とか声色の話ね?

 

 

 

「ごめんなさい…。」

 

「ふふっ、別に怒ってないわよ。…お姉ちゃんはあなただけのものなんだから、何処を触ってもいいのよ。」

 

「い、いや…それはちょっと…。」

 

「……ほら、ぎゅってしてあげるわね。……どう?柔らかいかしら?」

 

「……あったかい。紗夜おねーちゃん、好き。」

 

「私も大好きよ…〇〇。」

 

 

 

後ろから程よい締め付けを感じ、その温もりに身を任せる。柔らかく温かい、紗夜ねぇは包容力の権化みたいなお姉ちゃんだ。

 

 

 

「んんっ……んぅ…」

 

「…ねー、紗夜ねぇ?昨日寝る時って、日菜ねぇここに居たっけ?」

 

「居なかったはずだけど…。狭いと思ったら日菜が入り込んでいたのね。」

 

「起こす?」

 

「…どうせもうすぐ起きる時間だし、そっとしておきましょ。私たちに何かある訳じゃないんだし…」

 

 

 

紗夜ねぇがそう言いかけたところで、日菜ねぇの体がどんどんと迫ってきた。後ろで若干力の入った紗夜ねぇの体から察するに、日菜ねぇが紗夜ねぇを抱き寄せたのだろう。実際近づいてるのは日菜ねぇの方なんだけど。

 

 

 

「ちょっ、ちょちょちょ……」

 

「んにゃ……んふふふ」

 

「んぷっ……!!!!」

 

 

 

先程迄の状態でさえ狭かったのに、今やすっかりサンドウィッチ状態だ。さっき眺めていた日菜ねぇの胸に顔を埋められ、尚もぐいぐいと押し迫ってくる。

紗夜ねぇも紗夜ねぇでじたばたしているし、日菜ねぇ一人増えるだけで寝床はこんなにも混沌とするらしい。

柔らかさと甘い香りの中、酸欠で薄くなっていく意識。何とかしようと両手を動かしたが、最終的に日菜ねぇを抱き寄せる形になってしまった。後ろから紗夜ねぇに抱き締められつつ、正面の日菜ねぇの背中に手を回し抱き締めている。当の日菜ねぇは僕ごと紗夜ねぇをしっかりと抱き締め……。

 

 

 

**

 

 

 

結論から言うと、篭もる熱気と低酸素状態のせいで僕は強制的に二度寝を味わった。

目覚めたのは昼過ぎで、今度は適度に距離を保った二人に見つめられる中での起床となった。…平日だし、本当は普通に学校もあるんだけど目覚めない僕は当然として、心配になった二人まで学校を休んだそう。

必死に謝る二人だったが、正直僕は何一つ嫌な思いもしていないので一つだけ条件を出して手打ちと言う事にした。

 

 

 

「……でも、本当にそれでいいの??〇〇くん。」

 

「だめかな?」

 

「あたしはすっごくいいと思うけど…おねーちゃんは??」

 

「…確かに、夜は私の担当だけど…〇〇は、私達両方と寝たいのよね?」

 

「うん。紗夜ねぇも日菜ねぇもどっちも一番好きだからね。…今日の朝は苦しくて気絶しちゃったけど、それでも幸せだったなぁってさ。」

 

「……も、もぉ。ズルいくらい可愛いよ…〇〇くん。」

 

「ええ、〇〇、自分の可愛さをわかっててやってるでしょ…?」

 

「…ホントにそう思っただけなんだけどなぁ。」

 

 

 

僕が提案したのは、『夜は三人で寝ること』。但し、今日の様に紗夜ねぇのシングルベッドで寝るのは厳しいので、日菜ねぇの部屋のダブルベッドを使う…というものだった。

日菜ねぇの部屋だけダブルベッドなのは、小さいころ寝相が悪すぎたためにいつも床で目覚める日菜ねぇに親が与えた為だ。今でこそ落ち着いた寝相だが、本当にあの頃は酷かったらしい。

 

 

 

「えへへ……あたしの部屋で皆で寝るのかぁ…。お泊り会みたいで楽しいね!!」

 

「普段から同じ家で寝泊まりしているのに今更何言ってるの…。」

 

「でも、おねーちゃんもちょっと嬉しいでしょ??」

 

「私はいつも〇〇と一緒に寝ているもの。」

 

「ぶー…。」

 

「まあまあ…。…あのね、もう一つ提案なんだけど。」

 

「なあに??」

 

「……今日、学校休んじゃったでしょ?…だから、この後は日菜ねぇのベッドでずっとゴロゴロして過ごしたいなぁ…って。…ダメかな?」

 

「賛成っ!あたし、すっごくいいと思うっ!!るるるんってする!!」

 

「……はぁ。まぁ、〇〇が言うんなら仕方ないわね…。私も賛成よ。」

 

 

 

その後もずっとベッドから出ずに過ごすという幸せな一日を送ることができた。勿論、その日の夜から寝床は日菜ねぇのベッド。…これでずっと一緒だね、お姉ちゃん。

 

 

 




最高。




<今回の設定更新>

〇〇:触り放題。くっつき放題。
   主人公曰く、紗夜ねぇの布団はフローラル系のエロい匂い。
   日菜ねぇの布団は甘い女の子っぽい匂いらしい。

紗夜:夜の独り占めが出来なくなって少し残念。
   …だが、その分朝や昼間の割り当てを少し貰った。
   弟が触ってみた感触の感想は「薄い筋肉の上に確かなふにっとした感触。
   受け入れてくれる優しさと吸い付く肌が素敵」。

日菜:夜もくっついていられることに只々歓喜。おねーちゃんも大好きだもんね。
   弟からの触感についての感想は「ただ柔らかいだけじゃない魔性の
   母性。紗夜ねぇよりメリハリのある体つき」。
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