BanG Dream! S.S. - 少女たちとの生活 -   作:津梨つな

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【瀬田薫】瀬田薫単独公演 - 儚 - 【完結】
2019/07/06 瀬田薫劇場 -壱幕-


 

 

 

「おい、おい、なんだお前、そんなだったか?」

 

「ふふ…お邪魔しているよ、○○。」

 

 

 

久々に会ったそいつは前とは随分違っていて。

いやもう変わったどころの騒ぎじゃない程、別人になっていた。

 

 

 

「色々聞きたいことはある。

 まず、中学以来の筈なのに何故家がわかった?あと、どうやって入った?

 そして、くっついてきたそいつらは誰だ。…いや、それよりも、お前誰やねん。」

 

 

 

目の前にいる紫髪の背の高い…俺が知ってるあいつなら女。

と、取り巻きのように後ろにくっついている黒髪のキャップを被った子と水色の髪のオロオロした子。

この3人が当然のようにお邪魔してきたのだからそりゃ驚くのだろう。

うん、誰ひとり知らない。

先頭の紫だけ、自己紹介を聞いて元同級生を思い浮かべこそしたけど…こんなんじゃなかったと。思う。んだけど。

 

 

 

「ん?さっきも自己紹介したと思ったが…私は、薫。瀬田薫、さ。

 覚えているだろう?…ほら、中学生の時、よく遊んでいたじゃないか。」

 

「覚えているから今驚いてるんじゃねえかよ…。」

 

「うーん。言っている意味がよくわからないが、私は私。昔も今も変わらず、只一人のエンターテイナーさ。」

 

「エンターテイナーかどうかは知らんけど。

 薫…とは呼んだことなかったな。瀬田、喋り方も雰囲気も変わりすぎだろ。」

 

 

 

俺の記憶にあった瀬田は、もうちょっと大人しめで控えめな。

そうだ、もうちょっと女の子女の子した感じの奴だった。

今目の前にいるのは真逆の、俺の苦手そうなやつだった。

 

 

 

「…薫さん、一体どんな子だったの。」

 

「普通の、何処にでもいる純情可憐な女の子さ。」

 

「ふぇぇ…今の薫さんからじゃ全く想像できないよ…。」

 

 

 

あぁ、取り巻きも知らないのか。

ホントに、一体何があった。瀬田。

 

 

 

「…で。ほかの質問は?」

 

「あぁ、そうだったね。

 …ずっと、君を探していてね。ある関係筋の方に、家を調べてもらった。

 部屋に入れたのも、その方が鍵を用意してくれたからさ。」

 

「いやそれまずいんじゃねえの。」

 

 

 

関係筋?なんの筋だよ。

少なくとも人としては筋通ってねえぞそれ。

 

 

 

「まずくなんかないさ。うら若き恋する乙女が、愛しの王子様に会いに来ただけ…違うかい?」

 

「違うだろ。美化してんじゃねえよノッポ。」

 

「うーん、辛辣だね…。」

 

「ねー、薫さん。やっぱ迷惑そうだし、帰ったほうがいいんじゃないの?」

 

「後ろの黒いの、君は分かってんなぁ。」

 

「黒いのって…髪色で呼ぶのやめない?

 あたし、美咲っていうんだ。だから、せめて名前で呼んで。」

 

「んん。じゃあ美咲。」

 

「そっちのふわふわしたおねーさんは?」

 

「ふぇ!?わ、わわ、私は、松原…花音っていいます。

 お好きに呼んでいただいて、結構です…。」

 

「そうか…。松原、何でそんなに慌ててんの?会話苦手?」

 

「ぇ、だってその…男の子とちゃんと話すの…初めてだったから…。ふ、ふぇぇ…。」

 

 

 

なんとも頓珍漢な連中を連れてきたものだ。

まぁ筆頭が一番よく分からないことになっちゃってるんだが。

 

 

 

「で?…まさか本当に俺が好きで追ってきたわけじゃねえんだろ?

 何しに来た。」

 

「ふふ…なぁに、ただ、今の君の顔が見てみたかっただけさ。

 君も久しぶりに私に会えて、なかなかに素敵な時間を」

 

「過ごせるかアホ。

 …まぁ、そちらの二人のおねーさんについては眼福モノだけどよ。」

 

「…え、キモ。」

 

「んじゃ美咲は除外して…」

 

「キモ。」

 

「どっちにしろかよ。」

 

「ふぇ、ふぇぇ、喧嘩はダメだよ…。」

 

「あぁ…松原、君はなんかいいな。癒しって感じだ。」

 

「ふぇぇ!?や、やめてよぅ…。恥ずかしい…。」

 

「うーん、ホント、君だけは会えてラッキーって感じだ。」

 

「むっ?そういうところは感心しないなぁ○○。私というものがありながら、花音に手を出すというのかい。」

 

 

 

出してねえだろ。

お前というものもねえよ。

 

 

 

「…ホントにお前はどうしちゃったんだ。

 あの頃はもうちょっと可愛い感じの子だったじゃないか。

 …今はなんつーか、お前の方がよっぽど王子様だぞ。」

 

「この私は、嫌いかい?」

 

「うん。ぶっちゃけキモい。」

 

 

 

"キモ"の部分は美咲を真似してやった。

…めっちゃ睨まれてる。

 

 

 

「あんま熱い視線送んなよ美咲。惚れてるのがバレバレだぞ。」

 

「死ね。」

 

「すげえラブコールだ。」

 

「ふぇぇ…。」

 

「美咲にまで…本当に見境がないな君は…。」

 

「お前はまずそのキャラ何とかしろ。」

 

「ふむ…。私のキャラクターか…。

 確かに、取り付く島もないとはこのことだ。まずはそのキャラクター問題をどうにかしてみようか。」

 

「最初に気づくだろそれ。」

 

「…わかった。それじゃあ、次に来る時までに何とかしてみよう。

 楽しみに待っていてくれ。」

 

「あぁ、そうしてくれ…。

 いや待て。次があんのか。」

 

「ぬ?勿論、家が分かって鍵も手に入ったんだ。

 これからも来るぞ私は。覚悟を決めておくといい。」

 

 

 

お前はどこの使者だ。

来んなよ。

入ってきた時と同じように、それが自然であるかのように帰ろうとする瀬田。

 

 

 

「いや来んなよ。来なくていい。

 …松原だけでいい。」

 

「ふぇ!?」

 

「どのみち花音さん一人じゃここまで来られないでしょ。」

 

「そ、そうだった…。」

 

「それじゃ、次を楽しみにしていてくれ。○○。」

 

「話聞けよ。」

 

 

 

都合の悪いことは全てスルーした上で玄関を出て行く一行。

と思いきや瀬田だけ戻ってきた。

 

 

 

「いいかい○○。かのシェイクスピア曰く、「失敗は成功の元、料理には味の素」さ。

 …つまり、そういうことさ。」

 

 

 

キィ......バタン

 

 

 

い…意味わかんねぇ……!

 

 

 




つまり、そういうことさ。





<今回の設定>

○○:主人公。
   中学の時同級生だったという理由だけで強制的に観劇させられる被害者。
   現在高3。第一印象は花音の可愛さにドン嵌まり。美咲も悪くないといった感じ。

薫:天災。
  主人公に振り向いて欲しくてこんな感じになっちゃいました。

花音:可愛い。

美咲:強い。
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