BanG Dream! S.S. - 少女たちとの生活 - 作:津梨つな
「おー○○ー!
いっつも待っててもらって悪いなー!」
ライブ終わり。ライブハウスロビーにて。
さっきまで熱い演奏を繰り広げていた幼馴染連中がゾロゾロ出てくる。
ライブの後は全員分の差し入れを用意して帰りを待つのがすっかり習慣化している。
…俺マネージャーか何かかな。
「おう、巴。今日も熱かったぜ。」
「さんきゅー。」
グッ。と突き出した拳を合わせる。
あまり女の子とコレをやるイメージはないが、まあ相手は巴だし。
こいつは幼馴染連中の中で恐らく最も波長の合う奴だ。
バンドだとドラムを担当していて、性格もあんまり女の子っぽくない。
…と、忘れないうちに頼まれていた飲み物も渡す。
「ほれ、これでいいのか?」
「お!これこれ!
いやー、あこから聞いて気になっちゃってさー。」
渡したのは「ガラナ」。
一時期から急に飲みたがりだし、ついに今回はリクエストされてしまったので買ってみたのだが。
…まさか通信販売に頼る事になるとは。この労力、高くつくぜ。
ちなみに、話に上がった"あこ"とは巴の妹のことだろう。
小さい頃しか記憶がないが、巴にべったりな感じだったな。
「で、蘭は炭酸水でいいんだよな?」
「…ん。ありがと。」
黒髪に赤メッシュが入ったこの子は蘭。
ギター弾きながらボーカルもやるっていう、いかにもバンドマンって感じの奴だ。
いつもえらくパンクな雰囲気を醸し出しているんだけど、確か家が華道の何かスゲエ人たちらしい。あんま興味ないからどうでもいいけど。
確かバンド結成の理由も蘭が関係してたような…?
ひまりから聞いただけだからあんまり詳しくは知らないけどね。
因みに、言葉数が少ないのは怒っているからじゃない。
昔結構な喧嘩をして以来ちょっと距離があるのだ。
「蘭、機嫌悪い?」
「別に…。
○○は、機嫌悪い?」
「いや?そう見える?」
「ううん。いつも通り何も考えてなさそうな顔に見える。」
ほらな。
ちょっとディスってくる感じは、確かこいつの素のはずだ。
「○○くん!いつも待っててくれてありがとね。
…今日の演奏、どうだったかな?」
「ッ…!つ、つぐ…み…。
あ、あぁ、うん。いつもどおり、最高だった…よ。」
「よかったぁ!
今日は結構ミスも少なくって、調子いいなぁ!って自分でも思ってたの!!」
あぁ…天使や…。
この子が俺の愛してやまない幼馴染、羽沢つぐみちゃんだ。
実家は商店街の名店。喫茶"羽沢珈琲店"を経営しており、つぐみに会うために小遣いを削って通いつめた思い出もある。
…普通に遊びに誘ったりが恥ずかしかった頃だな。
バンドではキーボードを担当しており、練習中もライブ中もとにかく目が離せないほどかわいい。
普段も何かと頑張っちゃう子で、その姿勢もまたかわいい。
とにかく可愛い。
「つぐみは、えぇと…これか。」
「ありがと!
この時期は特に喉渇いちゃうから、助かったよ~。」
はぁ…渡したペットボトルの紅茶をちびちび飲む姿もまた可愛い…。
水皿から水を飲むハムスターみたいだ。
「○○ー。なんか危ない顔してるー。
……で、モカちゃんの頼んだやつはー?」
「…はっ!お、おぉモカ!
お前のは確か……なぁ、ほんとにこれでよかったのか?」
取り出したのは牛乳。普通の、パックのやつだ。
一応指定ありで、絶対低脂肪のやつは買わないようにと言いつけられている。
「うーん、ありがとー。
これはねー、帰ってからパンと組み合わせて楽しむんだー。」
「…お前、ホントにパン好きな。」
「んふー。まあねー。」
「ね、ねえねえ!私のは!?」
「……なんだ、居たのかひまり。」
「えぇ!いたよー!!ずっと!横に!いたの!!」
「そうか、それはよかったな。」
「もー!適当に流さないで!!
私のはないの!?」
「ない。」
「無いってことないでしょーが!!」
「…お前、また太くなったんだろ?
ほれ、俺の飲みかけの水でいいならやる。」
「…扱いがひど過ぎるとおもうんですケド…。…ちょうだい。」
いや飲むんかい。
「ぷはぁ。
…って!太ってないよ!!」
「え?だってモカが…」
「モカ!?」
適当に言ってみただけだが、ひまりに合わせてモカの方を見やる。
「んー?……ぴーす。」
無表情のまま素敵な程雑なピースを頂いた。
と、同時に崩れ落ちるひまり。
「うぅ……みんなひどいよ…。
特に○○がひどい…。」
「はっはっは!○○達は相変わらずだな!!」
「…うん、いつも通り。」
「それな。」
巴や蘭が言うように、これは飽く迄
ひまりは弄りやすいしな。リアクションがでかい割に、無駄にメンタルが強いのがまた良い。
と、そこにつぐみが慌てて入ってくる。
「ま、まあそのくらいにして…
そろそろ暗くなっちゃうし、みんな帰ろ??」
「確かにな。…打ち上げは明日やるんだっけ?」
「そだよー。明日のお昼からー、みんなでつぐの家にしゅーごー。」
「そかそか、明日もつぐみに会えるのか。
そりゃ早く帰って、明日に備えなきゃなぁ…。」
「あ……あぅ…○○くん……」
「お前、つぐ好き過ぎな。」
「まぁな。」
「……………。」×2
巴は良くわかってくれているのか、いつも通り程よくイジってくれる。
が、最近、蘭とひまりがこの話題に乗ってくれなくなったんだ。
今もそうだが、急に無言で見てくるというか…怒ってる?
まぁ、バンドとかそういうグループ活動って恋愛沙汰で崩壊とかよく聞くもんな。
音楽に対して真剣な蘭のことだ。それを危惧している可能性は十分にある。
…蘭の前ではあまり口に出さないほうがいいのかな…。
因みに、当のつぐみ本人は毎度新鮮に恥ずかしがってくれる。
ほんのり頬を赤らめ、視線がウロウロと彷徨うのだ。
この反応が見たいがために言っている節もあるからな。自重しようか。
「なんだよ二人とも?帰ろーぜ?
モカも眠そうだし。」
「うーん…。頑張ったあとはー、まぶたが重いのでーす。」
「そう、だね…。」
「う、うん。それじゃあ、今日は解散にしよっか!
○○くんとひまりちゃんはあっちだったよね??」
「あぁ、みんなとは反対方向だもんな…。
それじゃ、みんなまた明日な~。」
「あ、まってよ○○…、あっ、みんなまたあした!!」
1拍置くようにしてひまりもついてくる。
さっき弄りすぎたのか、少し元気がない。
流石に悪いことしたかな…。
「どしたひまり?疲れたか?眠いか?」
「…んーん。別に。
明日、一緒に行く?」
「おう。…寝てたら起こしに来てくれ。」
「もー…仕方ないんだからー…。」
歩き出してもあまり元気は戻ってこない。
まぁ疲れてるのもあるんだろうが。
うん、やっぱ元気のないひまりは見てても面白くないし、ここは――
「あ、そうだ。コンビニでも寄っていかね?」
「…いいけど、何買うの?」
「…お前、一人だけ水しかもらってないことになんの異議もないのか?
だとしたら弄られ慣れすぎだぞ。」
「そ、そんなことないけど…。」
「…なんとなく甘いもの食べたい気分になっちゃってなぁ。
ひまり先生おすすめのスイーツでも買って、ウチでプチ打ち上げやらないか?」
「…!
いいね!やろやろ!私が選んでいいの??」
「俺じゃあどれが美味しいとか分かんねえもんよ。頼むわ。」
「えへへへ。任せといて!
何買おっかな~♪」
…あれだけ頑張ったあとだもんな。
たまには優しくしてやらんと、大事な幼馴染だし…と、少し俺らしくない態度を取ってしまったが、結果的に機嫌も戻ったようなので良しとしよう。
やけにハイテンションなひまりとコンビニへ。
太るだなんだと言えないレベルの量を買い込み、二人でささやかな打ち上げをした。
こういう時、幼馴染って関係性の良さが実感できるよな。
日をまたいでしまいましたね…
つぐみ可愛いです。
<今回の設定更新>
○○:つぐみ愛がすごい。
一見パシリのようだが、飽く迄好意でやっている。(パシリ)
巴:若干男勝りな感じも相まって主人公とは波長が合う。
恐らく幼馴染勢の中で唯一主人公が気を使わない存在。
妹と"限定"という言葉に弱い傾向がある。
蘭:ずっとツンツンしてる。
高1の時にメッシュのことを弄った主人公にブチギレて以来、ちょっとギスり気味。
対して口は利かないが何だかんだで主人公のことを見ているので、仲が悪いわけではない。
本当はもっと仲良くなりたいと思っているらしい。(モカ談)
モカ:気が付けば大体何か食ってる。
パン大好き。
潤滑剤的な役割を持っており、モカのマイペースのおかげで今日もAfterglowは
円滑に回っています。
つぐみ:天使。
みんなのことが大好き。みんなからつぐみに対しても言わずもがな。
ひまり:ちょっとチョロすぎるかもしれない。
最近、主人公に冷たくあしらわれるのが若干癖になりつつある。
何だかんだ優しくしてくれる主人公にベッタリ。