BanG Dream! S.S. - 少女たちとの生活 -   作:津梨つな

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2019/06/30 幼馴染その3 -偉大なる大魔王の叡智のアレとかソレ-

 

 

 

知り合い・身内はいえ、その中でも距離感が微妙な相手っているよな。

今目の前のテーブルで黙々と勉強している風を装っているこの子は、まさに俺にとってそんな感じの子なんだ。

 

 

 

「…あー!!もう全っ然わかんないよぉ!!」

 

「さっきも聞いたよそれ。」

 

「だってぇ…全然理解できないんだもん。」

 

「だから勉強するんだろ?勉強しないなら俺帰るぞ?」

 

「…教えてほしいって言ったのはおねーちゃんにであって、○○にいじゃないもん。」

 

「………。んじゃ帰るよ。いくぞひまり。」

 

「えっ?えっ!?」

 

 

 

いま勉強を見てやっているこの子は、宇田川あこ。巴の妹だな。

正直、あまり関わった記憶もないし、接し方が正直わからない。

あこの方も同じ心境らしく、お互いに一人ずつ付き添いをつけた状態で部屋に居る。

…よって部屋はパンパンだ。

そりゃ高校生が4人もいりゃそうなる。

 

 

 

「待ってよ!○○ー!

 あこちゃん、明日テストだって言ってたよ??見てあげようよ!!」

 

「え、嫌だけど。」

 

「もーなんでー!巴からのお願いでしょー?

 後輩ちゃんなんだし、見てあげようよ!!」

 

「……はぁ。ひまり()()が見てあげればいいだろ?

 俺は帰る。」

 

「あ、あの…!」

 

「ん?」

 

「そ……その……。○○、さん…。わ、私からも……お願い、します…!

 あこちゃん、…確かに、勉強はできないかもだけど……ちゃんと、一生懸命、出来る子、なんです……。」

 

 

 

ずっとオロオロ見守っていた黒髪の人が必死そうに言葉を発する。

ええと確か…しろ…しら…。リンコさんだっけか。

 

 

 

「えっと…リンコさん、でしたっけ。

 リンコさんが教えてあげるってのはどうです?仲いいんでしょ?」

 

「わ、私は……その………。」

 

「間がなげぇ。」

 

「ちょ、ちょっと!燐子さんは普段からこうなんだから、悪く言っちゃダメだよ○○!」

 

「なんだよ、お前も知り合いだったのか。」

 

「うん、バンドで…ね。」

 

「ふーん……。」

 

 

 

あれ、この部屋の中で、俺だけ凄くアウェイ感じるの気のせい?

マジ俺いらなくね。

 

 

 

「まぁ、よろしくやってくれ…。」

 

「○○ったらー!」

 

「……○○にい、かわいそう。」

 

「お前のせいだっ!」

 

「ふっふっふっふ、矮小なるか弱き微生物よ、大いなる驚異に……えっと…」

 

「その微生物ってのは俺のことか。」

 

「うん!」

 

「サイズ考えて物言え。」

 

 

 

お前のがよっぽどちんちくりんだろうが。

あでも、何か感覚掴んできたわ。

距離感微妙だと思ってたけど、真剣に物事考えなければ楽かもしれん。

 

 

 

「大体どこでそんな手こずってるんだよ。」

 

「えぇー?これー。」

 

 

 

漢字ドリルってお前…。

前日ギリギリに追い込みかけるのって歴史とかそういう系じゃないんか。

つか自分の苗字は漢字で書けるようになれよ。

 

 

 

「うっそだろおい。よりにもよって現代の国語じゃねえか。

 暗記系とかはよ?」

 

「ふっふっふ……安心したまえ、和の国の歴史であればこの頭脳に刻み込まれている。」

 

「……漢字も書けないのにか?」

 

「え、知らないの?○○にい?

 にっぽんにはね、ひらがなっていう素敵な文化があってね?」

 

「お前前回の歴史何点くらい取ってたの。」

 

「……その数字、魅惑の交わりを持つ丸みを帯びた」

 

「80?」

 

「…8。」

 

「はちぃ!?」

 

「うん、カタカナのやつしか正解じゃなかった。」

 

「あぁ…こりゃ今回のテストもダメだわ…。

 あとさっきの、厨二病とかじゃなくてただの"8"の形状の説明じゃん。」

 

「思wいwつwかwなwかwっwたww」

 

「…その朗らかさは尊敬するよ…。」

 

 

 

「よかった……一時はどうなるかと…思いました。」

 

「ふふ、なんだかんだ言って、面倒見はいいので…。」

 

「ちょっと怖そうな人ですけど……優しいんです、ね…。」

 

「そのギャップもいいとこなんですよ~。」

 

 

 

聞こえてんぞ。恥ずかしいからやめてくれ。

 

 

 

「二人も、暇なら手伝ってくれないか?

 あの巴の妹がここまで残念なことになってるとは…。」

 

「でも、でも、おねーちゃんは、あこはあこのままでいいって」

 

「勉強の話じゃねーだろ。」

 

「あこは…あこは……」

 

「ほれ、まずは"宇田川"って漢字で書けるようになろうな。」

 

 

 

その後も少し書いては騒ぎ、また少し読んでは騒ぎ、と対して進まない勉強をひたすらそばで見てはいたが…。

…すまん巴、俺には無理だ。

 

リンコさん…燐子って書くのか。

燐子さんも投げてたしな。てかあの人年上だったのか。

 

 

 

**

 

 

 

帰り道。

 

 

 

「…なんか、すごかったね。あこちゃん。」

 

「あぁ…ありゃ確かに巴の妹だ。面倒臭さが並じゃない。」

 

「でも結局最後まで教えてあげてたでしょ?…やっぱり○○優しいね。」

 

「途中何度か逃げようとしたんだがな。

 …燐子さんが悲しそうな顔すんだもんよ。あれはずるいだろ。」

 

「ふーん?…私が悲しそうな顔しててもそうだった?」

 

「いや、指差して散々笑って帰ると思う。」

 

「ひどーい!!」

 

「あの人も…色々凄かったもんな。近くで見ると。」

 

「??………あっ。」

 

「Afterglowにもああいうタイプの人はいないしなぁ…。

 あの雰囲気は、気になっちゃうよな。仲良くなりたい、的な?」

 

「そうですかー。…どうせ胸ばっか見てんでしょ。○○のえっち。」

 

「ばっかりってこたぁねえけど…。凄かったなってだけだ。

 …お前の姉さんも凄かったよな?」

 

「しーらないっ。」

 

 

 

そこに関しては、お前も受け継いでそうだし。

…家系なんだろうか、と、あこに言えないくらい頭の悪いことを考えてしまう俺だった。

 

 

 

因みに。

巴には今度ラーメンを奢らせる約束を取り付けた。

今日の分として、精々感謝してもらうこととしよう。

 

 

 




結局毎回タイトルはあまり意味を持ってないのかもしれません。





<今回の設定更新>

○○:学力は並。何かお礼するからと巴に頼み込まれてこんな目に。
   男は大体おっぱい星人だろ、と開き直ることにした。

あこ:愉快な魔王。苗字も漢字で書けない。
   でもカッコイイやつとか厨二臭い感じは書ける。髑髏とか薔薇とか。
   歴史上の偉人達はみんな平仮名で書くとふわふわしてしまって抵抗があるため
   カタカナと知ってる限りの宛字で書くようにしている。
   ヲ堕=ノ武ナ雅。

燐子:あこと遊ぶつもりで家に来たら知らない男がいてパニックになったのはまた別のお話。
   でかい。(直球)

ひまり:姉のことは好きだが主人公と一緒にいる時の姉は嫌い。
    なんかムカつくから。
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