BanG Dream! S.S. - 少女たちとの生活 - 作:津梨つな
「〇〇くん?前に髪切ったのっていつ?」
「う?……んー……思い出せないくらいの遥か昔ぃ…」
「もーまた変な事言ってぇ…。イメージ変わるくらいロングになってるよ?」
「マジ!?イケメンになってる!?」
「…髪長いからイケメンだとは思わないけどね。あ、でもでも、普段から〇〇くん可愛い顔してると思うんよ??」
そういえば、髪なんて随分切ってないもんなぁ。あれは確か、三ヶ月か四ヶ月前位だったような…。うーむ。
僕的には、超絶ロングヘア―の男の人って凄く格好いいと思うんだけど、りみはそう思わないみたいだし、また切らないとダメかなぁ…。
「次いつ切るとか、予定あるの??」
「予定はないなぁ。前も姉さんが来た時に切ってくれただけだし、次いつか姉さんが来たらやってもらおうかなあ。」
「お姉さん…いるの??」
「そだよ。言ってなかったっけ?」
僕には、少し複雑な間柄なんだけども
で、その姉さんの存在をりみが知らなかったって事は…うん、言い忘れてたんだなぁ。
「私にも、お姉ちゃんいるんだよっ!」
「そうなんだ!!……お姉さんとりみ、顔似てる??」
「んー…。何回か似てるって言われたことはあるけど……どうかな。」
「写真とかないの??」
「……むぅ。」
「??」
「あるけど、あんまり見せたないわ。」
「なんで?」
あ、芸能人とかそういう有名な人なのかな。写真は事務所を通してください、みたいな。
「あっ、勿論、誰にも言わないから安心して??」
「……そんなこと心配してへんっ!」
「じゃあ何が心配なのさー。」
「……お姉ちゃん、美人ってよく言われるの。」
「おぉ…!」
「だから、もし〇〇くんに見せて、〇〇くんがお姉ちゃんのこと好きになっちゃったら……嫌やんか。」
「…………なんで?」
りみは好きでもお姉さんは嫌いにならなきゃいけないって事??あっ、でも、前に他の女の子の話はしちゃいけないって怒られたっけ。
ってことはこのままお姉さんの話をしちゃいけないって訳で……。いや、お姉さんを女の子と思わなきゃいいのか。つまり…。
「そんなん…言える訳ないやんか……めっちゃ恥ずかしぃ…。」
「わかった!お姉さんって男の子!?」
「……へ?」
「あぁ違う、男の娘って言うんだったっけ。」
前に友達の
「お、お姉ちゃんはそんなんじゃないよ??」
「…女の子なの??」
「当たり前だよっ!"お姉ちゃん"言うてるやんっ!」
「……そっ、か。…ごめんりみ、僕はその話、これ以上できないよ。」
「何やの!?急にテンションジェットコースターみたいになってるやんかっ!」
凄い…例えツッコミだね、りみ。
「りみの前で、他の女の子の話しないって決めたから。…だからごめんね?」
「………ええと、お姉ちゃんの話はいいんやよ?」
「やっぱり男の」
「女の子やし!お姉ちゃん何も生えてへんわっ!」
「生え……?」
生える?…えっ、えっ??男の娘って、何かしら生えてるもんなの??
それは………羽とか?
「お姉ちゃん、飛べるの??」
「〇〇くん……何の話をしてるの??」
「ん??」
「んー??」
「……お姉さんは、女の子?」
「うん。」
「りみの前で女の子の話をしないっていうのは合ってる?」
「合ってる…とかじゃないけど、されるともやもやしちゃうかなぁ。」
「…お姉さんは、特別?」
「特別っていうか、ええと………ホントに何も分からないんだね。」
「?」
「…お姉ちゃんの話は大丈夫。」
僕の頭が追い付いていないせいで繰り返してしまった不毛な会話に痺れを切らしたのか、一呼吸置いた後に説明してくれるらしいりみ。
可愛い上に優しい。やっぱりりみは世界一素敵な女の子だなぁ…!
「そうなんだ。」
「でも、……これは言っていいのかなぁ。」
「何でも言ってくれていいよ!」
「………。」
「あ、あれ!?」
「はぁ……。もう、そういう可愛いさはズルいよね…。」
「???」
「…お姉ちゃんの写真、これから見せるけど、…お姉ちゃんのこと好きになっちゃったら悲しいなって。」
「…かなしい?」
「だって、私は〇〇くんのこと…大好きなんだもん。誰にも渡したくないくらい、大好きなんだもん…。」
りみが?僕を、大好き?…やったぜ!!
「ありがとう!!僕も大好きだよ!!」
「んぅ…。もういいや、はいこれ。」
スマホを手渡される。……写っていたのは、ギター?っぽい楽器をもってピースするりみと、そのりみの頭に手を置いてニッコリしているお姉さん。
…おぉ、確かにこれは美人って言われるのも納得できる。でも、それよりも…
「すごいや…!」
「やっぱり…可愛いて思う?」
「格好いい!!!」
「………んー?」
「お姉さん、髪長いんだね!…うん、やっぱり髪が長い人って、格好いいよ!!」
「…〇〇くんって、
どういう意味だろうか。髪長いのが格好いいって、少数派の意見なんだろうか。
…ってことは、りみは反対派ってことだよね。…何が何だか、こんがらがっちゅれーしょんだよ。
「???……僕は僕だよ?」
「うん。…なんかもう、ホントに可愛いね。」
とても残念そうな、それでいて大人びた優しい表情のまま、すっかり伸び切った僕の髪…そして頬を撫でる。
その表情にドキドキしながらも、貰った言葉に思うところがあったので伝えてみることにする。
「…僕も、もっともっと髪伸ばさないとだね。」
「どしたん?お姉ちゃんの真似するん?」
「違うよ。…可愛いって、言ってくれたでしょ。」
「??嫌だった…?」
「んーん。りみから貰える言葉は何だって嬉しいよ。
…だから、もっともっとロングヘア―になって、今度は「格好いい」って言われたい!」
「………はぁ。」
「あ、あれ。やっぱり格好いいより可愛いほうが好き?」
「髪の長さは関係なく〇〇くん自身が可愛いし恰好いいんやから、髪切ろ?……私、切ってあげるから。」
「ほんと!?え…切ってくれるの??」
「うん。……私が格好いいと思う髪型にしていい??」
「うん!!お願い!!!」
「……ん。」
結構大胆に切り落とされた髪だったけど、頭が軽くなったようで凄く気に入っている。
けど、その後も「可愛い」っていっぱい言われたのが何だかなぁ…。りみの方が何十倍も、何百倍も可愛いってのに。
髪が減ってすっきりしました。関西弁って難しい。
<今回の設定更新>
〇〇:相変わらず清々しいまでの馬鹿っぷり。
そんな中に変な知識だけ放り込んで行く友人たちよ、自重してくれ。
まりなという姉が居るが、直接の血縁関係はない。
何だかんだで結局りみ大好き人間。
りみ:主人公一筋だが、一緒に過ごすとツッコミ役に回ることが多い為
少々疲れるようだ。
姉に対して強い憧れを持っている。