BanG Dream! S.S. - 少女たちとの生活 -   作:津梨つな

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2020/02/13 重ねた日々と歌のオモイデ

 

 

 

実は最近、頑張って歌を練習している。

僕は元々音感がある方でも無いし、音楽を習っていたり自発的に触れてみた経験もこれと言ってない。でも、いつも何かと世話を焼いてくれたり一緒に居てくれる大切な恋人さんに、何か返せる物が無いかって考えたんだ。

歌であればベッドから動かずとも披露できるし、僕の伝えたい思いに少しでも添える部分があれば、歌に乗せて伝えることも出来る。

きっとこれなら、この歌なら、大好きなりみに僕の気持ちを伝えられると思ったから。

 

 

 

**

 

 

 

「ねーねー、りみりーん。」

 

「…何なんその呼び方ぁ。」

 

「呼んでみただけー。」

 

 

 

僕は幸せだ。先がそう長くないとはいえ、人生の中で一番大切だと思える人に出逢う事が出来た。だから、一日でも、一分でも一秒でも長く一緒に居たい。一緒に居なければ。

…そう思えることがどんなに幸せか。彼女の名を呼びながら、今日もまたその想いを噛み締めてダラダラと最高に無駄で有意義な一日を生きるのだ。

 

 

 

「もー…。もうすぐできるから待っててね??」

 

「うんー。」

 

 

 

台所で僕の為にご飯を準備してくれるりみ。今は後ろ姿しか見えないけど、エプロンを付けたりみはまさに天使。…そもそも何を着ても似合うんだけどね。

最近、うちに泊まることも多くなった彼女も、少しでも一緒に過ごしたいという気持ちは同じなんだろうか。

 

 

 

「りみー。」

 

「もー、○○くん寂しがりすぎんー?」

 

「へっへへー。」

 

「ご飯作るんやめる??」

 

「えっ、お腹は空いたよ!」

 

「我儘やんなー。」

 

 

 

「もー」と言いながら結局何だかんだで色々やってくれるりみには、感謝してもしきれない。…でもついついちょっかい掛けたくなっちゃうんだよな。

怒られたいっていうか、怒らせたいっていうか…あでも、本当に怒らせたいわけじゃないし、嫌がることもしたくないんだよ。どんな姿も可愛いから、色んな面を見たいっていうか…ま、要は

 

 

 

「ちょ、ちょっと○○くん??」

 

「??……なぁにー?」

 

「一人でめっちゃ恥ずかしいこと言ってるやんな?だっ、誰かとお話してるん??」

 

「話……?僕何も喋ってないよ??」

 

「えぇ!?」

 

 

 

なにかの声を聞いたというりみがエプロンで手を拭きつつベッドの近くまで来る。暫く周りをキョロキョロ…ついでにカーテンの裏とテーブルの下、ついでに僕の掛け布団をめくってすんすん匂いを嗅いだあと右手をニギニギして帰っていった。

…一体なんの声を聞いたというのだ…僕の部屋、お化けでもいるのかな?

 

 

 

「でもりみの手、すっごい柔らかかったなぁ…ずっと握ってたいなぁ……そう思いながら僕は、台所で料理に勤しむ将来の奥さんの姿を」

 

「それぇぇえええ!!!!」

 

「ひぃっ!?」

 

 

 

右手を鉄砲の形にして真っ直ぐ突き出した状態でとことこ近づいてくるりみ。指摘?の声も相まってアレみたいだ。ほらあの日本の伝統的な…なんだっけ。

 

 

 

「NOOOOOOOOOO!!!」

 

「のっ!?……な、なんなんっ!?」

 

「"のー"だ!"のー"!!…りみ、のーやってたのー?」

 

「くだらな……。」

 

「わー!ち、ちがうよ!ほら、日本のさ、なんかこう伝統的なさ、「いよぉ~」ってやつ!あれ"のー"って言うんでしょ??」

 

「………………あ、あぁ!!能!!」

 

「イエス!ノー!!」

 

「どっちやっ!!」

 

「あ、ええと、狂言と纏めて"のーがく"って呼ばれるやつだよ。」

 

「なんでちょっと詳しいん…?能楽のことってわかるけど、ノー学の○○くんに言われるとちょっと「ん?」ってなるわぁ…。」

 

 

 

………………りみもダジャレとか言うんだ。

 

 

 

「ちっ、ちちっ、ちが、ちなっ、ちなうんよっ!?」

 

「あはははははっ!!顔真っ赤だよー!?可愛いねぇりみ~。」

 

「ちが…!ちがっ!……そ、そもそもっ!○○くんのせいやんかっ!」

 

「なにがー?」

 

「恥ずかしいこと、やっぱり○○くんが言ってたんやん!」

 

「????」

 

「かっ、可愛いからいろんな面見たいとか、ちょっかい掛けたい…とか……みっ、未来の………奥さ……んぅ~~っ///」

 

 

 

あらら、しゃがみこんじゃったよ。

顔も真っ赤だし、恥ずかしくなっちゃったのかな?…にしてもしゃがんだままでそんなにバタバタできるって、器用だな…。

 

 

 

「えっとね。多分ね。わざとだよ。」

 

「にゃっ、なっ、にゃにがっ」

 

「全部聞こえてたってやつ……わざと口に出してみたんだもーん。」

 

「なっ……な、なんでそんな、恥ずかしいことするん??」

 

「構ってもらえるかなーって思っただけなんだけど……ダメだった??」

 

「………も、もぉおっ!!何なんっ!?何がしたいんっ!?これ以上好きにさせてどうするんっ!?」

 

「あっはっはっは!!やっぱりりみはどんな顔してても可愛いなぁ!!」

 

「もぉぉぉぉおおっっっ!!!!」

 

 

 

**

 

 

 

今日も楽しかったなぁ。

りみが帰っちゃったあと、一人の寂しい時間。

この時間を使って、歌の練習をしていこう。折角りみに上げるんだもん、何の曲かバレないほうがいいよね。

 

 

 

『会いに行くよ 僕が叫ぶ そして地獄へ飛ぶ ――』

 

 

 

多分りみも聞いたことあるとは思うんだけどね。…僕が好きで、よく部屋でかけているから。

 

 

 

『新しい始まり 君の唇は ――』

 

 

 

いつか披露できる日を夢見て、頑張らないと。

 

 

 




楽しい回




<今回の設定更新>

○○:本当は英語で歌ってます。(JASRA…おっと。)
   バカっぽいが意外に雑学には強い。
   りみをいじり倒すのが好き。

りみ:いいお嫁さん。和食が得意。
   家事はあまり得意じゃないが上手に出来ても失敗しても主人公が笑ってくれる
   為、もう何でもいいやって感じ。
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