BanG Dream! S.S. - 少女たちとの生活 - 作:津梨つな
「こ、こんばんは~!お、お名前頂戴します!!」
「あ…ええと、○○といいます。…今日十八時から予約してて…あぁ、これ、診察券です。」
「あ、は、はい!!ちょ、頂戴致します!!お席にかけておまっお待ちくださいっ!!」
久々に訪れた羅須歯科で俺を待っていたのは何とも活力に満ち溢れた新しい風…恐らく"初めまして"になるであろうスタッフが増えていた。メガネの似合う青髪の女の子…名札は一瞬で裏返ってしまったために読めなかったが、今までにないタイプだ…。いや、病院の新人としては正しい形なんだろうけど、ほら…
一生懸命バインダーやファイルと睨めっこし、パソコンをイジってはワタワタと慌てる様が実に初々しい。…うんうん、こういうのだよな。白衣の浪漫ってのは。
「やっぱ可愛いよねぇ。」
「………花園さん、なにやってんの。」
いつも通り貸切な待合室のソファだが、いつの間にか隣に客がいた。…客、うんまあ私服だし患者側で来てんのかな?この子は。
黒髪の素敵なお姉さんはソファをベッドのように使いつつ、受付の新人お姉さんを眺めている。ニヤニヤと、実に楽しそうだが…
「う?……暇だから、シカン。」
「視姦ん?…意味わかって言ってんの?」
「わかんないけど、チュチュが「あんたはそこでシカンしてなさいっ!」って。」
相変わらず無茶苦茶な院長だ。しかし、暇だとはどういうことなんだろう。…この病院、シフト制ではなかったはずだけど…
「あのクソガキ…」
「聞こえてるわよ。」
「アッアッ、院長!いやぁ本日も麗しい…」
「…出禁にするわよ?」
「したら患者ゼロ人になるだろ。」
「くっ……!!」
すっかりお馴染みのやりとりを交わし、歯噛みするチュチュのテンコツをグリグリと撫で回し、さっきから気になっていた疑問をぶつけてみる。
「…花園さん、今日休みなの?」
「え?…あぁ、ハナゾノはもうここのスタッフじゃないの。」
「……え、クビ?」
「クビというか…契約期間が終わっただけよ。」
「あんだよ、折角まともな判断ができるようになったのかと思ったのに。」
「まともなはんだんん!?私、しょくをうしなったんですけどぉ!」
「君はどうも危機感のない喋り方をするね。今どうやって生活してんの?」
どうやら契約社員のような立ち位置であったらしい花園さんは、話の通りなら現在無職。どう考えてもこんなところで視姦に勤しんでいる場合じゃないと思う。
どんどん頭の悪そうなキャラに堕ちていく彼女だが、一体全体素性の掴めない人物である。
「今はレイヤと暮らしてるんだっけ?」
「そ!レイは私のおかあさん!にひひ。」
「お母さんかどうかは知らないけど…確かにこの病院の唯一の真人間感はあったもんなぁ。」
「むっ、ワタシがいるじゃない!」
「チュチュは…真人間っていうより、被扶養者って感じ。」
「ひふよーしゃ?…なにそれ?」
「うーん……守ってあげたいってことだよ。」
「なっ…!!」
うん、間違ってはいない。要は子供ってことなんだが…そういえばこの人も実年齢知らないな。この前酒は飲んでたから成人してはいるんだろうけど…容姿的にも身長的にもいいとこ中学生くらいだと思うけど、曲がりなりにも一病院を回している訳だし人も雇うし…ホント何なんだこの病院。
「まっ、まぁ?…どうしても、守ってあげたいって言うなら、任せてあげなくも…ないけ」
「ちょっとっ!今いいところでしょーがぁ!」
あぁもう、勘違いして暴走した挙句真面目に仕事する新人に当たり散らしてるよ…。間違いない、この病院の自由度はこの人由来だ。
必死に何度も頭を下げ遂には最後の一撃は受付のカウンターにクリティカルヒット。もう不憫で見ていられなかった俺はおでこを抑えて涙目の彼女の元へ近づき、ギャーギャー喚く後ろの赤髪を尻目にフォローに回ることに。
「大丈夫大丈夫、院長が悪いんだから。」
「ふ、ふぇ??でも、怒ってらっしゃって…」
「いいんだって。…ほら、隣のお姉さんも全く動じてないでしょ。」
「はっ花園さんがですか??」
「ほんとだ…!」
「ね?」
誰も反応していないのに怒りの勢いが全く衰えない永久機関のようなチュチュとどこまでもマイペースな花園さん。この状況に全く驚きを覚えなくなった俺は、きっともうどうにかなっているんだろう。
まだオロオロと視線を彷徨わせる新人さんだが、近くで努めて落ち着いて話しかけたこともあってか落ち着きを取り戻し始めている。
「お姉さん、最近入ったの??」
「はっ、ひゃいっ!…あっ、
「朝日さん、ね…。」
「ふっ、不束者、ですが!よろしくお願い、しますっ!」
「それは何か違うぞ朝日さん…。」
「あ、あれぇっ!?」
なんというか…この人がこんな調子なのは新人云々だけではない気がする。きっと元よりこんな、慌ただしい子なんだろう。
それはそれで、れおなちゃんとはまた違った魅力があるというか、可愛らしいというか…
「まぁ、何だ…多分ここ受診するのって大した人数いないと思うけど、みんな心の広い人ばっかりだろうからさ…ゆっくり慣れていったらいいと思うよ?」
「!!あっ、ありがとうございますぅ!!!…あいたっ!」
ゴォンッと、再度カウンターに頭を叩きつけて照れ笑い。…うん、これは新たな癒しだ。これを目当てにここに来ても…
「えへへ…またやっちゃいましたぁ…。あっ、そ、そういえば診察の準備ができたようでっ!」
「ん、ありがとう朝日さん。」
…ごめんれおなちゃん。俺、案外目移りしちゃうタイプかも。
「よく来たな○○。今日も色んなところ削ってやるからなぁ!」
「今日はクリーニングだけって言ったじゃないですかぁ!!」
やっと加入。
<今回の設定更新>
○○:可愛い子が好き。そりゃそうか。
ロック:かわいい。オロオロしてても可愛い。好き。
パレオと二大カワイイポイントを担うことに。
チュチュ:この雰囲気の原因。
ちょっとデレた。
たえ:自由人。レイとよろしくやっているらしい。
マスキング:今日も絶好調。ミス・ドリラー。