うざい提督とブラック鎮守府   作:あばずれ

146 / 199
146. 親が子を心配するのは当たり前、だと思いたい

『オ前ノ所為デ全テガ台無シダ!! シクジリヤガッテ!!』

 

 

 

『クソッ!! ドイツモコイツモ役ニ立タナイ屑バカリダ!! 何デ私ノ計画ノ邪魔バカリスルンダ!! フザケルナヨ!!』

 

 

 

『深海鶴棲姫モ! 中枢棲姫モ!! アマツサエ()()デサエモ!!! 馬鹿ニシテハ理解スラシテクレナイ!! 挙句ノ果テニハ……私ノ完全ナル支配計画ヲォォ……!!! 踏ミ躙ルナンテェェェ!!!』

 

 

 

『珍シク情弱ナ鉄屑ノ身体ヘ入レタカラ、主導権握ラセ上手ク操ッテハ躍ラセテタノニコノ始末カ!!!』

 

 

 

『クソッ……! 何デ……! 何デ……!!』

 

 

 

 

 

 

「いや~あの鎮守府はいつも壊れてるねぇ~」

「壊されるのは二回目か」

「折角私が泣く泣く払った建設費も水の泡だぁ、後であのポンコツ兵器共に請求書でも送り付けようじゃないかぁ」

 

 蒼く晴れ渡る空と澄み渡る青い海に挟まれ、摩耶達は荒くれ鎮守府へ向かっていた。摩耶が提督を横抱きしながら、艤装を展開して鹿島と共に海を駆け走る。夏の時期となると海の風はとても涼しく、透き通るような白い長髪が雲のように靡いた。

 

「でも今回の建築費は全て■■大佐が負担したそうですよ」

「へぇ~あの鬼がねぇ~……どういう風の吹き回しなんだろうかぁ」

「そりゃアンタの義親だろうに。流石に心配したんじゃないのか?」

 

 ちょうど潮岬町鎮守府が遠くで見えた所に摩耶達は雑談を繰り広げる。横抱きされている提督は片手で軍帽を押さえながら目の前の光景を眺めていた。

 

「有り得ない。あのスーパーモンスターペアレントが俺の事を心配するなど天地がひっくり返っても有り得ない」

「どれだけ義親のこと信用していないんですか……」

 

 流石は鬼に育てられたと言うべきか、■■大佐と似た性格のおかげで自身が義親に心配されるなど毛ほども思っていないらしい。それはお互い共に心配する必要は無いという信頼をしている上での考え方なのか、ただ単純にあの性格だから来ないという考え方なのか、摩耶と鹿島にとってはどちらか分からなかった。

 

「まぁでも……送迎船が途中でエンジントラブルにより航行不可能、提督を抱きかかえながらここまで来る羽目になるとは思わなかったな」

「俺は楽で充分ありがたいがね」

「抱いて運ぶあたし達の身も考えてくれ」

 

 摩耶が提督を横抱きし、鹿島が荷物を抱えているのは訳がある。■■大将の手配した送迎船が途中エンジントラブルで航行出来なくなり、仕方なく護衛していた摩耶と鹿島が連れていくという形になっていた。

 提督としては身体を横にした方が楽なので、尚且つ摩耶に抱きかかえられながら間近で胸を見る事が出来るのは至福の時と言える。一方で摩耶はそれに気付いていても何故か止めようとはしない。

 

「着いたぞ」

 

 摩耶達は潮岬町鎮守府周辺にある砂浜へ辿り着く。海面を跳躍して砂浜へ着地する前に艤装を格納。横抱きしている提督をゆっくりと支えて砂浜に足をつかせる。砂浜の一部はは黒く焼け焦げていて、クレーターの様な爆発跡がそこかしこに残っていた。翔鶴達との戦争後か、鎮守府の外部でも一部戦闘した跡は消えていないようだ。

 

「さーて帰ってきたぞ、って今は新しく司令本部を建築してるのか。どこにあるんだ? 仮の司令本部は」

 

 摩耶達は荒くれ鎮守府内へ入り、次々に建設されていく建物を眺める。建設業者がせっせと汗水流して働いており、仮の司令本部があると聞いてその場所を探していた。

 

「あら早いのね、もう少し遅れると思ってたわ」

「ん?」

 

 しかし突然身に覚えのある声が聞こえ、摩耶達は声の方向へ振り向く。

 

「やっぱ艦娘の方が早いのよ。そっちで来てもらった方が良かったわね」

「『(オウゲン)』叢雲か、迎え役はお前か?」

「えぇそうよ。■■大佐に頼まれたからね……早速案内するわ、来て頂戴」

 

 護神厄討艦隊旗艦『(オウゲン)』叢雲が元気に摩耶達を迎え入れてきた。そこで世間話の一つや二つする暇もなく、摩耶達は叢雲の後を追う。四人が向かった先は普段は艦娘達が利用する講堂。その講堂にある空き部屋が仮の司令本部らしく、執務室も兼ねているらしい。

 

「……やっぱ艦娘がいないと静かだな」

「まぁね。この鎮守府って地方なのに割と大規模だし、誰もいないとなれば急な閑散に違和感を感じるのは仕方の無い事よ」

 

 艦娘がいない鎮守府というのはとても不思議なもので、憲兵や整備士などがいても違和感を感じてしまうほどだった。当たり前の感覚が突然当たり前では無くなる事で、急な喪失感で身体に違和感を引き寄せてしまう。言葉にした摩耶や鹿島、叢雲でさえもそれは感じていた。

 

「ここが仮司令本部兼執務室よ」

 

 やがて講堂内の仮司令本部へ辿り着く。突貫工事か無理矢理作り替えられた雰囲気が見て取れた。名札はノートの破ったページの紙に「仮司令本部」と油性マッキーで書かれており、ドアは何回か蹴破られたのかドアと脇の隙間から中がよく見える。異様な雰囲気に言葉を失うも提督はその部屋の中へ入った。

 

「やっと来たかい、遅過ぎて眠っちまう所だったよ」

「……やはり貴女は変わりませんね」

 

 部屋の奥には机に足を乗せ、煙草を堂々と吸う■■大佐が居座っていた。しかし■■大佐の女性の素振りとはらしからぬ行動に誰も指摘したりはしない。提督は口調を敬語にして話しながらゆっくりと■■大佐に歩み寄る。

 

「そろそろ煙草はお止めになった方がいいのでは? その老体となればいつ倒れてもおかしくはありませんよ、今倒れても私は構いませんが」

「その様子だと余計な減らず口は治さず来たようだな。安心したよ、それぐらいなければ張り合いがないからな」

 

 堂々と居座る■■大佐を前に提督は執務机を挟んで相対する。お互い沈黙を保ったまま目で睨みつけ、部屋全体の空気を重苦しくさせた。

 

「……ありがとうございました。司令官不在の中、鎮守府の経営及び建設費の負担、艦娘の管理など本来は私の執務を態々請け負っていただき感謝の意を表明します」

 

 提督は■■大佐の前で軍帽を脱ぎ、深々と頭を下げて感謝を述べた。

 提督の意外な行動に摩耶や鹿島は驚きの表情を隠せずにいる。

 

「ふん……どういたしまして。何だい義親の前にしては珍しく素直じゃないか、少しは凡骨共のいびりも効いたのかね?」

「ご冗談を……私は一個人の軍人として貴女に感謝を述べただけに過ぎません。ポンコツ兵器共の嫌がらせなどで性格が治る様でしたらとっくの昔に治っていますよ」

「そりゃ違いないな」

 

 提督と■■大佐は静かに笑い声を上げる。義理の親子関係とはいえ、この親子の話を傍から見るのは新鮮なものだ。互いに捻くれた性格であり、言動や素振りもほぼ一致。鬼と呼ばれた軍人と海軍一の減らず口と呼ばれた軍人が話しているのは珍しい事だ。

 

「謎は解けたのかい?」

「……はい。やはり貴女の言う様に闇よりも深い暗黒……徐々に規模は大きくなっています」

「そうかい……まぁ私は楽して生きたいんでね、そういう事には関わらない主義だからお前らで自由にやってくれ」

 

 提督の話を聞いていた■■大佐は吸っていた煙草を灰皿に潰し、執務机に乗せていたクリップボードに挟めてある資料を確認した。最後の確認か、軽く見通した後に■■大佐は机に乗せた足を床に着かせて立ち上がる。手には恐らく服装などが積まれたキャリーバッグを持っていた。

 

「さて……そろそろ戻るとしようかね」

「おや、お帰りになられるので?」

「いつまでもここにいては南にいる部下が寂しがるからね。ある程度の手続きは済ませた、後はお前達で自由にやりたまえ……──

 

 

 

 ──……異動する日までな」

 

 

 

 キャリーバッグを引きながらすれ違いざまに■■大佐は最後の言葉を吐き捨てる。脅迫じみた威圧感ある声に思わず摩耶と鹿島は身体を微妙に跳ねらせた。■■大佐は仮司令本部のドアを蹴って開かせ、静かにその場を去っていく。

 

 しかし──、

 

「あ、そうそう忘れていたよ」

「……何でしょうか」

「あの護神~なんちゃらかんちゃら艦隊の艦娘がそこの叢雲ちゃんと合わせて三人、ここに来てるんだった。精々気をつけるこったね」

 

 伝える事を忘れたのか■■大佐は廊下から顔を出して提督へ伝えた。どうやら護神厄討艦隊の艦娘が何名かこの鎮守府に赴いているらしい。恐らく『(オウゲン)』叢雲が一時的な戦力強化の為に引き寄せたのだろう。

 

「……叢雲、誰が来てるんだ」

「今はこの私、『(オウゲン)』叢雲と『(レイ)』木曾、『(アオグロ)』蒼龍、『(ビョウコウ)』金剛がいるわね、今は哨戒任務でいないけど。まぁ貴方と共についてきた『(シロガネ)』鹿島と『(ヒグレ)』摩耶も合わせれば合計六人いる事になるわ」

 

(オウゲン)』叢雲は提督が横須賀鎮守府へ連れていかれた後、潮岬町鎮守府の仮責任者として鎮守府の護衛と管理を一時的に担っていた。後に灰色や■■大佐が肩代わりする事になり、次に叢雲は鎮守府近海海域の哨戒又は防衛を担う事になる。

 

 翔鶴達との戦争後、鎮守府近海付近の制圧海域へ侵攻する深海棲艦の艦隊が目撃され、『(オウゲン)』叢雲は日夜問わずに戦っては殲滅させていた。

 しかし日に連れて深海棲艦の勢力は徐々に増していき、七壞星である『文曲(アストラフィ)』戦艦レ級の出現を確認。今後も出現する可能性を考えて叢雲は護神厄討艦隊のメンバーを三人招集し、そして今に至る。

 

「大所帯だな、まさに敵無しという訳か」

「そうね~、今じゃ世界で一番安全な場所はここなんじゃないかしら」

「只今終わりました~って、あれ!!? 白さん!!?」

 

 何か仕事を与えられていた灰色が疲れた表情で仮執務室のドアを開けて入ってきた。書類を挟んだクリップボードを脇腹に抱えて仕事を終えたようだ。仮執務室に入れば白い軍服を着こなし、特徴的な白い長髪と鮮やかな紅い眼の提督が視線に入り、すぐさま白色だとあからさまに嬉しそうな表情で気付く灰色。付近には摩耶と鹿島、『(オウゲン)』叢雲も入ってきた灰色に視線を集中している。

 

「おお、灰か。その様子だと随分と鬼に(しご)かれたようだな」

「はい……めちゃくちゃにされちゃいました……とほほ……」

 

 ■■大佐が責任者になったというものの、灰色は厳しい生活を送っていた。午前五時に起床して午前六時に朝食、午前七時から午前十二時まで書類任務に入り、午後十三時から午後十八時までまた書類任務、午後二十一時に消灯又は就寝という余裕の無いスケジュール。少しでも怠る様な事があれば■■大佐に鬼の如く説教を打ち付けられ、規律ある生活やマナーをその身に叩き込まれていた。

 

「んで、さっきの話の続きをしたいんだけど七壞星の件……少し変な動きがあったわ」

「変な動き?」

「えぇ、翔鶴が言うからにはこの状況なら普通は七壊星を三人程送り込んでくるはずだと思ってたの……だけど」

 

 一昨日から連続して七壞星が確認されず、更には深海棲艦の艦隊の勢力が弱くなってきていると言う。昼夜問わず侵攻してくる深海棲艦の艦隊だったが、一昨日午前三時から急に艦隊の規模が小さくなり、『(オウゲン)』叢雲達は違和感に思っていた。

 

「明らかにおかしいわ。徐々に規模が小さくなってきてるなんて、何かしら怪しい事を考えてるに違いない。まるで、()()を待ってるみたいに……」

「……」

 

 今の戦況はとても不明確な状態で危険だった。■■少尉によって呪われたと言っても過言ではない潮岬町鎮守府は、いつ七壊星や深海棲艦の艦隊によって破壊されてもおかしくはない。

 現に深海棲艦の艦隊が襲撃してきているが、強まってくるはずの勢力は逆に弱体化しつつあるという予想外の事態だった。護神厄討艦隊のメンバーを即座に集めて牽制したのが逆に抑制する様な形になったのか。敵側の思考が全く分からなかった。

 

「って事で摩耶、どうかしら?」

「……あぁ、また今日の午後五、じゃなくてヒトナナマルマルに深海棲艦の艦隊が襲撃してくる……だけど、よく見られる敵水雷戦隊だ」

「やっぱりね……悪いけど、今後の鎮守府防衛の為に私が一時的に艦隊に加わる事にするけどいいかしら?」

 

 摩耶の【予感】では敵水雷戦隊が鎮守府近海に侵攻してくるらしい。報告を聞いた『(オウゲン)』叢雲は哨戒中の三人へ無線で伝達。三人は即座に敵水雷戦隊へ向かっていったようだ。それを確認した叢雲は提督へ、自身が潮岬町鎮守府に留まる考えを伝えた。

 

「お前が来るのか?」

「えぇ私だけよ。あの三人は各々違う日にそれぞれの鎮守府へ制圧海域防衛の重鎮として帰還させる。そして念の為、この鎮守府で戦力の一時的な弱体化を狙ってくる深海棲艦の襲撃を考慮して、この私が着任するわ」

 

 この不安定な戦況の中で多大な戦力を移動させるのは危険だ。そこで『(オウゲン)』叢雲は潮岬町鎮守府に集合した『(レイ)』木曾、『(アオグロ)』蒼龍、『(ビョウコウ)』金剛を一週間に一人ずつ帰還。今後の深海棲艦の侵攻を考慮して最終的に叢雲が一ヶ月間残る案を考えた。

 

「まぁ『(ヒグレ)』と『(シロガネ)』がいるこの鎮守府じゃ、恐らく大丈夫だろうと思うのだけれど、念の為にね。もしかしたらこうなる事を考えた上で襲撃してくる可能性があるもの」

「なるほどな……よし分かった。お前の考えを採用しよう。灰、忙しい所悪いが■■大将に提出する異動関係の書類を作成しろ、期限は今週末までな。俺は後で直接■■大将に連絡する」

「わ、分かりました」

 

 提督は叢雲の考えに賛同し、灰色に書類を作成するよう指示を与えた。後で■■大将には提督が直接連絡するようだ。灰色は早速自分の机に向かい、用意された書類を手に取り書き始めた。

 

「あ、貴方に少し確認してもらいたい事があるのだけど」

「何だ?」

「ついてきてくれるかしら」

 

 仮執務室を出ていき、提督と摩耶達は『(オウゲン)』叢雲の後を追う。

 向かった先は新しく改装された医務室。

 

 司令本部にあった医務室は翔鶴達との戦争によって半壊し、一度撤去されて司令本部だけでなく医務室も新しく改装されていた。以前の医務室のドアは木製で廊下の音漏れや開く際の妙な音が酷くなっていたが、今は鋼鉄製の引き戸となって厳重だが軽く、そして防音と耐久に優れたドアになっている。

 

「邪魔するわよ」

「は~い、って貴方!? いつ戻ってきたの!?」

「ついさっき」

「ついさっき!? 一体どうなってんのよ!!?」

 

 医務室の中へ入るとまるで新しく開設された病院のように白く清潔な場所へと生まれ変わっていた。廊下を挟む様に個人の病室が設置され、手術室も用意されている他、医療器具も最新の状態へ一新されている。以前に入院していた横須賀鎮守府の医療施設とそう変わりない。ドアを開けた手前の部屋からカーテンを潜って■■医師が現れた。突然の提督登場に目を見開かせて驚きの表情を隠せずにいる。考えるのが面倒臭くなったのか頭を掻いて状況を確認した。

 

「あ~まぁ……とりあえずいいわ。島風ちゃんの事でしょう?」

「えぇそうよ。一応確認取ってもらいたくね」

 

 ■■医師の服装も新しく調達されたのか目が眩む程の純白な白衣を着こなしている。さながら医療ドラマに出てくる医師の主人公のようだ。今度は■■医師に案内され、ある病室へ入る。

 

 そこにいたのは──、

 

「今も意識は戻らないわ。あの時以降身体に異常は見られないのだけど……一向に目を覚まさない状態よ」

 

 綺麗なベッドで眠っていたのは島風だった。

 

 翔鶴達との戦争後に島風は意図せず■■少尉の操り人形として翔鶴を脅迫していたが、侵食通信機を取り除かれて以降目を覚まさなくなってしまっていた。呼吸や血圧、心拍数に異常は無く心臓も正常に機能しているが、意識だけが全く戻らない。

 

 遷延性意識障害、いわゆる植物状態に近い状態でいつ目を覚ますのか分からないようだ。大脳や脳幹は至って正常で損傷や怪我もない事から無理に施す必要は無いらしいが、三ヶ月以上この状態が続くとなれば植物状態と認めざるを得ないと■■医師は言う。仮に目覚めたとしても本人との意思疎通や自力で動く事が出来なければ治療は困難を極める。艦娘として復帰出来る事はまず無いだろうと考えていた。

 

「色々あらゆる手段は尽くしたけどこれが限界だった……いつか目を覚ましてくれるといいんだけど……」

 

 島風の身の回りの世話は全て■■医師が担っており、毎日欠かさず話し掛けている。その為か■■医師は疲労困憊の様で、目にはクマが出来ていた。

 

「ねぇ貴方、何か知ってる事無いかしら?」

「……」

「睨まなくても私は貴方の事知ってるのは分かってるでしょう? 別に怪しんだりはしないわ、どうぞ遠慮なく」

 

 ■■医師の問い掛けに提督は一瞬『(オウゲン)』叢雲の方へ睥睨(へいげい)する。それに気付いた叢雲は提督の事情を知っているのか、面倒そうにため息を吐いて気遣った。■■医師は提督と摩耶の事について全てを知っており、叢雲も把握していたようだ。

 

「……侵食通信機は一時的に艦娘の身体の中にある核を操っている。まぁお前の事だろうからサンプルとしてホルマリン漬けにでもしてるだろうが……あの黒い触手があっただろ? アレがまだ身体の中に残っている可能性がある。手術でもして取り除くといい」

「分かったわ……流石ね。ありがとう……だったら少し仲間を呼びたいのだけれど、いいかしら?」

「……構わない」

 

 ■■医師はあからさまに嬉しそうな表情で提督へ感謝の意を述べる。険しそうな表情をする提督は何も言わないまま医務室を出ていった。『(オウゲン)』叢雲と摩耶、鹿島は提督の後を追っていく。

 

「何か嫌な事でも思い出した?」

「あぁ……まぁな」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。