よくあるアニメのOPとかで主人公を待ち受ける敵集団が紹介されて映るシーンとか大好きマンなので。
刀語のOPとか蒼き鋼のアルペジオのOPとか好きですね。
「あれ、期待してましたか?」
「いや期待するだろうよ!! 何で後なんだよ!!」
「今日は座学と言ったはずです。実践的な訓練は明日からですよ」
「でもそんな時間は……」
エネルギー効率を高める訓練の内容をお預けにされた艦娘達は異議を申し立てる。提督に言い渡された約一ヶ月半という短い期間の中、今は一刻の猶予も許されない。早く強くなりたいと願う艦娘達は心と共に身体が躍っていた。
「それは貴女達の問題でしょう? 私達には全く関係ありません。そもそもその訓練自体、私達は提督と『
多目的室内が緊迫した空気に包まれる。
鹿島の身体を纏う様な銀光が一瞬輝きを見せた。
理由を知った艦娘達は大人しく鹿島の指示に従い、再び冷たい床へ座る。
潮岬町鎮守府へ来た護神厄討艦隊の艦娘達の本来の目的は”深海棲艦の提督となった■■少尉が、潮岬町鎮守府の制圧の為に七壞星に襲撃させる可能性があるのを考慮して一時的に鎮守府の担当する制圧済海域の防衛と鎮守府の防衛”である。
潮岬町鎮守府の艦娘達の訓練官を務める為に来たのではなく、鎮守府襲撃と七壞星の出現に対するモノとして、■■大将と『
艦娘達の事情など興味どころか気にも留めない、ましてや馴れ合うつもりも全く無い。
彼女達は艦隊の役目を果たす為にいるのであり、訓練の件は旗艦の叢雲に従っているだけに過ぎず、急に入ってきた役目とは関係の無い任務なのだ。
「……ありがとうございます! エネルギー効率について話はほぼ終わったので、次に敵について知りましょう!」
ホワイトボードに写されたプロジェクターの内容が艦娘のエネルギー効率から深海棲艦の七壞星について切り替わった。
「皆さんや瑞鶴さんが追い求めている深海棲艦とは、軍のトップ達が”たった一人で国を滅ぼしかねない”と危険視された深海棲艦のリスト、いや……危険集団です。現在は七人の姫や鬼クラスの深海棲艦と、その七人に一人ずつ配下や相棒とされる姫や鬼クラス、その他の深海棲艦が特殊危険個体として登録され、我々は常に厳戒態勢を引いています。こちらがその集団のリストです」
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七壞星は深海棲艦の発端とされる中枢棲姫を初めとした各海域に名を馳せる深海棲艦を特殊危険個体として登録している集団だ。
深海棲艦の発現地とされている太平洋の中心にあるミッドウェー諸島海域とハワイ諸島を支配し、全ての深海棲艦を纏めあげる世界の災厄にして全ての元凶とされる【
その中枢棲姫の直属の配下として知られる『
インド洋海域全体や太平洋南方の海域全体を支配している七壞星きっての戦闘狂であり”殺戮機姫”として名が知られていた【
その南方棲戦鬼の相棒として深海棲艦出現時に初めて陸に侵攻した”最強”と呼ばれた『
ベーリング海域や北極海海域全体を支配している”氷海ノ死神”と呼ばれた【
その北方棲姫の補助として全てを引き寄せる謎の力を持ち、”誘導要塞”と呼ばれた『
フィリピン海域の一部を支配している”憎悪ノ権化”と呼ばれた【
その深海鶴棲姫の配下として稲妻を体現したかの如く瞬速で海を駆け回る”碧靂”と呼ばれた『
南太平洋海域を支配下に治めるも世界の各海域に度々出現し、七壞星の中では遊撃部隊を率いるとされる”暴虐ノ女王”と呼ばれた【
その戦艦水鬼の配下として対等に戦う事を掲げている騎士道的性格から”正義ノ使魔”と呼ばれていた『
現在はトラック泊地の鎮守府を根城として活動しており、鬼の大佐と因縁の深い”怨骸ノ邪神”と呼ばれた【
その深海日棲姫の配下として唯一七壞星の中で近接武器を使い、自身の身長の倍はある大太刀を操る”幻晄ノ斬鬼”と呼ばれた『
大西洋海域全体と地中海海域全体、北海海域全体を支配しており、深海棲艦を纏めあげるカリスマ性と狡猾な戦術等を考える優秀な頭を持った”支配ノ象徴”と呼ばれた【
その欧州水姫の配下兼代役として海域侵攻や欧州水姫の援護など様々な行動を手掛け、尚且つ立ち向かってきた軍を地の果てまで追い掛け、必ず殲滅する残虐な性格から”全滅ノ象徴”と呼ばれた『
「どの深海棲艦も一線を超えた戦闘能力と特殊な力を持っている凶悪な強者達ばかりです。特に『
深海棲艦にはそれぞれクラスが存在する。
日本海軍規定では艦種ごとにイロハ順でネームが名称され、イロハ級と登録されていたが、新たな駆逐艦や戦艦などが現れてからはその順に更新されていた。
またイロハ級には紅い光や黄色の光を纏う深海棲艦が現れ、これらを順に紅い光を上位個体のエリート級、黄色の光を最上位個体のフラグシップ級、その中でも黄色の光を纏いながら蒼い炎を片目に灯す深海棲艦を最上位強化個体として改フラグシップ級として登録している。
更にはその最上位個体を上回る深海棲艦が現れ始め、戦艦棲姫や中枢棲姫の様に明らか人間に近い深海棲艦が出始めてからは改めてネームを変更し、鬼や姫の様な風貌から鬼が特殊上位個体、姫を特殊最上位個体として登録された。
鬼クラスや姫クラスの深海棲艦は水上型と陸上型の二つに別けられ、中でも陸上型にはいくつかのタイプがあり、非装甲型や重装甲型などの異なる個体が存在する。水上型には空母や戦艦などの艦種がハッキリしているが、一部では魚雷や艦載機等を扱えるオールマイティ的な深海棲艦が存在している。
「七壞星は戦闘報告や戦闘記録、目撃情報にて一体ずつ情報が更新、そして各鎮守府に共有されています。七壞星の支配している海域の範囲や我々が制圧している海域の侵攻ルート予測、七壞星の戦術や戦法に対応又は対抗する手段の準備など情報は様々です」
「となると、我々にも情報を共有すればある程度七壞星に対応出来るのかもしれないな」
「出来ればそうしたいんですが、残念ながら七壞星はその都度に情報とは違った戦術や戦法を用いて来る事が殆どなんです。まぁ戦う上での基本でもありますよね、知られたのなら別の方法で戦えばいいみたいな面倒な駆け引きをしてきます。また討伐又は撃破した際、七壞星の枠は空くのですがそれでも特殊な深海棲艦が現れては登録されています」
七壞星という特殊危険個体集団及びリストが確立された時から今に至るまで何度か撃破や討伐などで深海棲艦が入れ替わっている。
現状七壞星以外の深海棲艦も実力は十分な程で、近接武器を扱う深海棲艦や特殊な能力を扱う深海棲艦も数多く存在しているのだ。七壞星はその中でも選りすぐられた危険な深海棲艦として登録されている為、より一層の戦力強化が必要になってきている。
「それって確か……太平洋深海棲姫、でしたっけ?」
「はい。封印される前は【
太平洋海域の全てを支配していた中枢棲姫の肩代わりとして太平洋深海棲姫がその役を担っており、巨大な白鯨の形をした艤装での戦闘や優秀な作戦指揮能力から支配海域下でその猛威を振るっていた。
そこで日本海軍は米国と協力し、ハワイ諸島海域奪取及び太平洋深海棲姫の討伐作戦を実行。
太平洋深海棲姫は何度攻撃しても瞬時に再生する自己再生能力を持っており、日本と米国は互いに討伐は不可能と断定し、意識不能にさせて封印して閉じ込める作戦を考案。
一瞬の隙を見抜いて太平洋深海棲姫を行動不能にさせ、特殊拘束器具によって艤装ごとアリューシャン列島海域の前衛基地まで輸送、地下五百メートルの地下監獄にて二十四時間監視下の元で拘束されている。
「また【
「幾らでも倒してやるさ、
護神厄討艦隊の『
当時
「七壞星にそれぞれ役割とかあったりますか?」
「基本的にはその海域を支配する王様的存在として様々な深海棲艦を率いて行動しています。所謂艦隊の司令官の様な立ち位置ですね、水上型を除いてあまりその海域から動く事はありません」
「じゃ、じゃあ! 『
七壞星は支配している海域からあまり動く事は無い。
司令官的立場として深海棲艦の艦隊に指示を与え、制圧海域に侵攻してくる事が殆どだ。
時たまに七壊星の配下が艦隊旗艦として現れる事が多く、その都度護神厄討艦隊が出撃して対応している。
では【
「……残念ながら『
『
「深海棲艦の提督が七壞星を護衛につけているのであれば、それは恐らく二人に絞られます。一人目は『
翔鶴達との戦争後に潮岬町鎮守府の防衛を担っていた『
金色の十字光と碧緑の
「恐らく『
「どういう奴なんだ? 『
「『
『
出現時には嵐のように天候が悪化し、黒雲から放たれる雷の影となって現れる。
海を雷の如く駆け回る姿から日本海軍では”
「また皆さんもご存知の通りですが『
潮岬町鎮守府の艦娘達は鎮守府襲撃時にその実力を生で見ている。
巨大な腕を使う破壊力抜群の戦闘能力に誰もが必死になって戦ってきた存在だ。
特に金剛に至ってはお互いが瀕死になるまで戦い続けた、まさに因縁とも言える相手だろう。
「なので正直、そちらの金剛さんが善戦したと聞いた時は驚きました。あの深海棲艦を相手に瀕死に追い込めたのはまさに奇跡としか言い様がありません」
「確かにあの時の金剛さんは凄かったですね。まるでの貴女がたの様に素早く駆け抜け、隙を見つけては攻撃、空に飛ばされても砲撃の反動で軌道修正して突撃からの最後は頭突きで致命傷を与える。当時の金剛さんも瀕死ではありましたが、それでも戦えていました」
「天龍さんも凄かったよ!! 南方棲鬼相手にとっても速く動いていたし、最後はあまりにも速すぎて風が遅れて来たんだよ!」
金剛と同じ艦隊でその戦闘を見ていた鳥海は過去の記録を冷静に分析し、あの『
天龍と同じ艦隊だった大潮も金剛と似たように天龍が南方棲鬼を翻弄し、最後は紫電の如く斬り伏せるという御業を成し遂げた場面を見ている。
相手の攻撃を見極める観察力や音速並のスピード、躯体を活かした戦闘や巨体に対応する順応力は護神厄討艦隊の艦娘と比べてみると似ているような気がした。
「成程成程、その時身体とか光っていませんでした?」
「光って……たのか?」
「いや私に聞いても分からないネ」
「いやでもあの時は光ってたよ? それで君達は改装出来たんじゃないのかい?」
「「あ~確かに」」
深海棲艦を圧倒して戦っていた時の二人は確かに身体全体に光を纏っていた。
鎮守府襲撃が過ぎてから金剛は改二から改二丙へ、天龍は改から改二へと改装しており、装備も一新されて新たな力を手に入れている。
「それは艤装が改装できる証の様なモノですね。核から作られたエネルギーが漏れ出して光る様に具現化したんですよ、我々がこうやって光を纏う様に」
「改装できる基準とかはあるのか?」
「規定では改装できると定められた練度数を超えている事、艤装にある核から供給されるエネルギー量が超えてしまっている事など色々ありますね」
艦娘には改装という強化手段がある。
建造当初の艦娘を通常段階、
改装できるに値する艦娘を第一式改装段階、
改装できるに値する一度改装済みの艦娘を第二式改装段階として日本海軍が取り決めている。
改装すると名前の後に”改”や”改二”などと付け加えられ、その艦娘の改装段階が簡単に分かるように設定されている。第二式改装段階の上にも第三式改装段階、第四式改装段階が決まっているが改装設計図などの装備が必要となる為、そこまでの段階に近づける艦娘は少ない。
「ん? でもそれだと既にエネルギー効率は上がってないですか? 超えてしまっているのなら、100%以上になっているんじゃないかと思ったんですけど……」
「そうですね~これに関しては少しややこしいので後から説明しようかと思ったんですが、面倒なので今お話しましょうか」
プロジェクターの光を一旦隠して鹿島はホワイトボードへ注目を集める。
前に話したエネルギー効率の話へと戻し、艦娘達に説明を始めた。
「少し話を振り返りましょう。普段
建造された時から艦娘は全ての性質にのエネルギー効率が100%で設計されている。
それは【艤装】にも含まれていて艤装の中に流れるエネルギー効率も100%だった。
だが改装できる段階になるとエネルギー効率は約10%向上し、それまで100%で保っていた艤装に流れるエネルギー効率は限界値を超えて漏れ出してしまう。
金剛や天龍が光を纏っていた原因はその為だろう。
改装された艤装や性質には予め110%のエネルギー効率が回るように計算されており、通常段階では110%のエネルギー効率を、第一式改装段階である”改”からは100%の限界値として上書きしている。
通常段階では110%だったが、第一次段階の改でその数値は100%に設計される設定だ。第二式改装段階とされる”改二”でも同じ設計が施されている。
「じゃあ改装しない方がいいの?」
「いえ、改装した方がいいに決まってます。艤装や装備の性能が遥かに違うので。確かにエネルギー効率がリセットされるのは痛いですが、それは上書きされているだけなので何も問題はありませんよ」
鹿島が説明していた普段の艦娘のエネルギー効率が100%だという意味は、その改装段階でのエネルギー効率を指していた。第一式改装段階でのエネルギー効率の成長、第二式改装段階でのエネルギー効率の成長具合や過程を鹿島は初めて戦った時から全員を見極めている。
艦娘達がどうすれば強くなれるのか、またどう強くなりたいのかを聞き分けてこれからどう成長させていくのか、その練習計画を既に考えていた。
練習巡洋艦である以上はプライドを賭けて徹底的に鍛え上げる。
それが鹿島の本音だ。
「話を戻しますが、深海棲艦の提督であれば七壞星の一人や二人は傍に居る事は間違いないでしょう。もし戦う事があるのであれば私達も参加します。貴女達の事情はともあれ、私達は対七壞星の艦隊として役目を果たさなければならないので」
護神厄討艦隊の役目とは七壊星に対抗出来る唯一の艦隊、対七壞星の為に誕生した艦隊だ。七壞星が出現する度に近くの鎮守府に所属する護神厄討艦隊の艦娘が出撃し、襲撃中の艦隊を護衛又は戦闘へ入る。
それはこの鎮守府でも役目を務めており、もし深海棲艦の提督に七壞星がいるのであれば事情や戦果に関係なく護神厄討艦隊の艦娘は出撃する権利があるのだ。
「ではこれにて座学は終わります。夕暮れ時ですね、明日から訓練を始めましょう」
何故か開示されていない。