なお、今週土曜日は通常通りに25話、26話、27話を投稿しますので、ご理解の程よろしくお願いします。
更新速度が速いなぁのレベルで暖かく見ていただければと思います。
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誤字報告、この頃に気付きました。結構前の誤字報告もあり、早く気付けなくて申し訳ないです。
誤字報告してくださった方々、本当にありがとうございます。
――医務室
「多分これで治ると思う……」
摩耶達によって正式な治療が施され、ベッドに寝込む金剛。
「どうなったらお前の妹達は新たに発見された島の野蛮な原住民の処刑みたいな事するんだ?」
「これが毎日……何でそこまで……」
金剛が受けていた拷問のような傷痕は見ただけで想像を絶する物だった。見るだけでも背筋が凍る程だ。
「……だっ……て……信じたくテ……」
「お前の不屈の信用も底無し沼の様だな金剛。さすがダイヤモンドと名付けられただけある」
「どう……すれば良かっ、タノ? 私は……どうす、れば……」
「前任を殺せば良い、それだけだ。だが仲間思いで妹思いのお前だぁそんな事など出来るはずがないだろう信じ続けた結果がその始末だ」
「提督ー、これ頼まれたもの」
「おう川内、休暇は三日間だ」
「よっしゃー」
提督が川内に依頼した内容。それは差別してる側が企んでいる事だ。読み上げると恐ろしい内容が書いてある。
「おーおー、物騒な事を考えるものだねぇ考える暇があるだけ羨ましいよ」
「従順したフリをしながら、俺の行動パターンを予測して計画、毒殺は失敗。訓練時にミスと見せかけて朝潮に砲撃、これも失敗。俺が寝てる間に刃物で殺そうとするも摩耶によって失敗……マジかよ。天龍か木曾の剣を奪ってすれ違いざまに殺害、これも失敗。演習時に金剛が砲撃、俺を粉々にする、これがあるな」
「めちゃくちゃ殺されかけてるじゃん提督」
「バ、バカめあんな分かりやすい罠があるか、わざわざ擬似釣り餌に引っ掛かる深海棲艦みたいな阿保とは違う」
「え、いたの?」
「いやそれより知らないのあっ――」「見事にな」
話を提督に遮られ、嘘のような話に鈴谷は引いている。提督は資料を摩耶に渡し、金剛の元へ近づいた。
「容赦なく言うが金剛、お前は全ての艦娘の事情を知っている大人しく吐いてもらおうか」
「……知らな――」「いいや知っている。何故ならお前は差別された鉄屑共から全てにおいて虐められていたからだ違うか?」
正解だ。
でも簡単には言えない。
「だがどこかで戻ってくる。そう馬鹿みたいに信じて耐え抜いた、だが結局は誰かに助けを求める始末だぁもう抑えきれない、どうすればいい? 何が悪かった? 違う違う金剛、お前が信じてたのは妹達じゃない……■■だ」
「……」
「■■はこの鎮守府のリーダー格。大人しく従っていればいつしか戻ってくると言われてお前はまんまと信じこんだ。だがそれは真っ赤な嘘だ、結局は差別意識を継続させる為の道具でしかなかった、アイツらは優位だと思い続けたいからね」
川内が集めた資料に金剛の扱いが記されていた。これは金剛本人にも見せられない、残虐の限りを尽くした資料。如何に前任が恐ろしい人物か良く分かる。
「それにお前がいくら信じようとアイツらは帰ってこない、必ずな」
「そんな……」
「必ずだ。絶対に帰ってこない、無理だ」
「どう……して、も……?」
「どうしてもだ」
「待っ……てても?」
「犬死にだ」
「で、でも……」
「断言しよう! 絶対に来ない!」
提督は見ていた。
比叡達が洗脳されているからではなく本当に金剛を嫌っている事を。あの目は洗脳と併用で着任したと同時から姉に対して何かしら悪い感情が芽生えていたのだろう。例え洗脳が解けてもその感情は残ったままだ。
「あんなクソみたいな鉄屑共の事など諦めるんだな!! お前が持っていたナノメートル程の希望も全て報われないんだぁ、もう見返す他はないぞ、さっさと吐くんだ差別した鉄屑達の全貌を! そしてその怪我を高速修復剤で治すがいい」
「提督……裏もあるよ」
「裏?」
紙を裏返し、裏の記述を目にする提督。驚くべき内容に覗いた鈴谷達も思わず声が漏れる。
「……面白い事を考えるものだ背筋が凍る程ね」
裏に書かれたのは金剛とその他の艦娘に自爆装置をつけた事。
恐らくこれは前任が前もって装着させたものだろう。手を組んだ艦娘を使って提督と接触、そして戦闘中に自爆で道連れする手段だ。提督もこの事は今初めて知った。
「自爆装置を装着した艦娘、朝潮、島風、白露、時雨、夕立、不知火、響、電、球磨、多磨、木曾、天龍、古鷹、加古、青葉、阿賀野、五十鈴、最上、熊野、鈴谷、足柄、羽黒、摩耶、金剛、比叡、霧島、長門、陸奥、日向、鳳翔、赤城、加賀、飛龍、蒼龍、雲龍、大鳳。いずれもこれは前任に判断が委ねられる。自爆スイッチは各艦娘ごとにスイッチが設置、今は■■が所持している……か……川内よくまとめた、後で褒美をやる」
「やったー……って喜べる状況じゃないか……」
「私にも……」
自身も知らない事実に鈴谷は腰が抜ける。いつでも死神の鎌が首にかけられていると思うと背筋が凍った。今、ここで死んでもおかしくはない状態だ。
だが少し腑に落ちない。この鎮守府に存在しない艦娘まで明記されている。しかも殆どが轟沈、又は解体済みだ。自爆した後でも明記されているのか、それとも――、
「嫌だ……死にたくない……」
「おいおい鈴谷、今死ぬってわけじゃねぇんだ。だが……鈴谷は仕方ないとして何でアタシに……?」
提督は黙ってボールペンを手で回し、医療室の奥まで歩く。そしてボールペンを真っ二つに破壊し、怒りを顕にした。
「提督……!」
「遠回しに脅迫とはやってくれるなぁ……■■。これだけ腹が立つのは久しぶりだよ鈴谷、お前らがどうなろうが構わないが摩耶に手を出すとはな……」
「いつ……やったん――」「いつやったかなんてどうでもいい!! 奴らがそこまで下種な手口を使うんだぁ、追い込まれてるって事だ。だったらこちらだって奴らより引けを取ら汚い手なんて無数に知っている上に何回もやっている……川内、自爆装置と
「んまぁ仕方ないね、報酬は倍だよ」
川内が資料を片手に闇へと消える。
提督は落ち着いているが、これはかなりの緊急事態だ。
「頼む。摩耶、鈴谷、金剛、お前らはこのまま普通の生活をしていろ。こちらも知らないフリをするんだ」
「でも突然誰かが提督と触れて爆発したら……」
「その点は問題無い。奴らは何故まだ自爆させないか知ってるか?」
「……そういえば従順したフリって」
「そうだ、恐らく奴らは俺を一番残酷且つ残忍に、最低で凄惨なやり口で惨殺するつもりだ。であれば考える方法は二つある、あまりお前らにはショッキングだから言わないでおこう……さぁて!! 騙し騙されの泥沼試合だぁどちらが本性を手玉に取るか、史上最低最悪のプレイボールと行こうじゃないかぁ、なりふり構わず何がなんでもその極楽絶頂の楽園から俺らが作った絶望という名の軋轢地獄の淵に叩き落とすぞ!!!!」
――朝
訓練が宣言通り、より厳しくなる。鈴谷、加賀は提督自身に教えられ、金剛は休養中だ。用意された体操着に着替えた鈴谷と加賀は汗だくになっている。
「提督……休んじゃダメ?」
「何言ってんだ始めてからまだ一時間も経ってねぇぞポンコツ兵器共」
「えー……休んでいる金剛が羨ましく思えるよ……」
「何言ってるのちゃんとやるのよ……」
「そうだ加賀の言う通りちゃんとやれ、さもなくばその滝のような汗を集めて風呂の時のシャワーにしてやろうかぁ?」
「気持ち悪い事言うのはやめて、悍ましいから」
鈴谷は昨日の事を思い出していた。度重なる暗殺を回避していた提督、自分達に爆弾がある事、そして――、
「……にしてもまさか送り込んだ艦娘が川内だなんて気づかなかったな」
「川内はここに配属される前は俺が育てた艦娘だからな。あ、言っとくが内緒だぞこれ」
そんな事は分かっている。バレたらそれこそ自分達もタダじゃすまない。
「鈴谷、お前は昼戦夜戦どちらもカバー出来る装備にした。この後、プリンツの元でしごかれるがいい」
「ん? オーケー……」
「加賀、お前は制空権確保時にそれから起こす行動について教える。装備はそのままで大丈夫だろう」
「りょ、了解したわ……」
「提督ー!」
プリンツが提督を呼び掛けた。後ろには回復した金剛と青葉が居る。何やら急用のようだ。
「何だ」
「……これ」
「頼まれたもの、作りました!」
青葉のは川内と協力してまとめたこの鎮守府の艦娘が犯した失態の資料。
金剛が渡したのは艦娘の差別リスト。本来なら金曜日までに提出する筈が、依頼した二日後に金剛はまとめあげたのだ。綺麗に名前がまとめられている。
「これは本当か?」
「本当です!」
「間違いないんだな?」
「一番虐められてきたのは私だヨ? もう分かるでショ?」
金剛の目は少しばかり輝いて見えた。
まるで綺麗に施されたダイヤモンドのように。
「……少しは輝きを見せたな」
資料を手に取り、早歩きでどこかへ向かう提督。向かった先は摩耶がいる司令本部内中庭。今は夕立と手合わせしている。
「おう、どうしたていと――」「少し来い」
摩耶の手を握り、引っ張り出す提督。訓練は一時中断し、昼休みとなった。そこで提督と摩耶は話をする為にある艦娘達を狙っていく。廊下で加古が自部屋に戻ろうとしていた。
「やぁやぁ加古君、調子は如何かな?」
「何だお前、話す事なんて無ェよ」
「暁と雷を解体寸前まで追い込んだのに?」
「知るかそん――」「ここだけの話、君の過去は俺と摩耶しか知らない、周りに知られたらたまったもんじゃないだろう? それに君が俺のインスタントラーメンに入れるお湯に毒を入れて殺そうとした件、実は大本営にバレてしまったんだ。今にも憲兵隊が動き出してる、このままだと君は殺害未遂容疑でこの後の人生は保証出来ない。だけど自爆装置について教えてもらえれば過去については秘密にするし、この事は帳消しに出来る。君に取り付けられた自爆装置も解除出来るんだ、更には君だけの給料が倍以上底上げされる、この事はまだ誰にも教えていない是非考えてくれたまえ、じゃ!!」
言い捨てるように加古を置いていく提督と摩耶。
次に向かったのは――、
「副砲の調子が悪いのかな? 那智」
「黙れどっかに行ってるんだな」
「へぇじゃあ君が隠して治療している羽黒がどうなっても構わないと?」
「脅しは通用しな――」「ここだけの話、その羽黒の様態なら大本営が持つ最新の医療器具で完全回復出来る。だが君には今俺の神聖な睡眠中に夜這いで刺し殺そうとした件が大本営にバレてしまった。憲兵隊が今でも動き出してる、君の殺害未遂容疑でこの後の人生は保証出来ない、羽黒に会う事も出来ない、それは嫌だろ? 今これから俺の殺害計画を教えて貰えれば殺害未遂の件は帳消し出来るし、羽黒にもすぐ治療が出来る。更には給料も君だけは底上げだ、まだ誰にも教えていない、判断は君だ是非考えてくれたまえ、じゃ!!」