~鏡の世界(帝都から離れた場所)
「やっぱり、リゾットだったか、まあその恰好みりゃぁすぐ分かるがな」
イルーゾォはリゾットの服装をジーっと見つめながら本人であることを確信する
「そういうお前こそ、相変わらず同じ髪型じゃあないか」
リゾットはイルーゾォの顔に指さしながらニコリと笑い言う、その反応を見たイルーゾォもニヤリと口角をあげる
「だがよぉ~、リゾットお前がここにいるってことはよぉ、お前もブチャラティ達にやられたってことか?」
その言葉を聞きリゾットは真顔になり黙る
リゾットの態度に不審に感じたがイルーゾォはそのまま話を続ける
「これで俺たち暗殺者チームも全員やられちまって、この世界にリゾットお前まできちまったってわけか」
「ん?...その言い方まさか...俺やお前以外にも、この世界に来ているというわけか?」
リゾットは他の暗殺者チームも死んだ後にこの世界に来たのかとイルーゾォに聞く
するとイルーゾォはニヤリと笑い頷く
「ああ、おまえの推測通りだぜ、リゾット...アンタや俺以外にもこの世界に来ている」
「!?」
リゾットはここにきて初めて目を見開いて驚く
「まぁ、訳合って今は別々に離れて行動しているがな」
「別々になぜだ?」
「そうだなぁ、その前にリゾット聞きたいことがあるんだが、いいか?」
イルーゾォはニヤついた顔から真剣な顔をしリゾットに問う
「ああ、別に構わないが...」
リゾットはイルーゾォの真剣な表情を察したのか自身も真剣な表情になり答える
「この世界に来てから今まで何をしていたかを聞きたい」
「...そうだな、分かった...すべて話そう...」
~数分後~
リゾットはこの世界に来てからイルーゾォに会うまでのことを根ほり葉ほり話した
だが直接関係のないサヨやイエヤスそしてタツミのことは、言う必要がないと判断し言わなかった
「そうか、ナイトレイドに会ったのか...ならそれはそれで好都合かもしれないな...」
「好都合?それはどういう意味だ?」
イルーゾォの言葉に不思議に感じ問いかけるするとイルーゾォの口から思いもしない言葉が出る
「リゾット、ナイトレイドのメンバーになってくれないか?」
「........................え?」
リゾットはキョトンと口を開ける
「すまん...順序を踏まえて話すのを忘れていた、詳しく話す」
イルーゾォは頭を抱え、目を閉じながら順を追って話を始める
「さっき俺がほかの連中と別行動してるって言ったよな」
「......」
「とある事情で俺以外のやつは今、一方が革命軍に所属し、もう一方が帝国のあのデッケー城の中である人物を探す為、帝都警備隊に所属してんだ」
「とある事情? ある人物? 」
「これを聞けばお前もナイトレイドに所属しろと言った俺の言葉の意味を理解するだろうぜ...実はな...」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「以上が俺が伝えた真実だぜ...」
「俺がここに来る前にそんなことがあったとはな...またあの二人が...」
リゾットはイルーゾォのここに来てからの今までの出来事を知りなぜナイトレイドのメンバーになってほしいかを理解したと同時に血が出るほど拳を握りしめる
(そうか...だからあいつらは...)
「それで革命軍とナイトレイドが繋がっていて帝国を潰し平和な国を造ろうとしているのも分かった、ということは、あの三人もナイトレイドに所属しているということか?」
「...いや、あくまであいつ等は革命軍で帝国の情報収集をしているだけだ、ナイトレイドに所属しているわけじゃあない...色々あって革命軍の密偵として所属するのが限界だったわけだ」
「それで、ナイトレイドに直接会った俺が一番ナイトレイドに所属できると考えたわけか...」
「グッド!!」
イルーゾォはその言葉を待っていましたとばかりにリゾットに人差し指を向け叫ぶ
「なら、次ナイトレイドの誰かと接触したら、所属できるか聞いてみよう、どっちにしろ手配書にない顔も見ているんだ奴らの方から俺を探るだろう」
「ああ、頼むぜリゾット」
「分かった、お前は今まで通り、情報を帝都と革命軍にいる仲間に送れ、俺がナイトレイドに入ればもっと忙しくなるだろうからな、それと、お前は極力戦うな、万が一お前がやられれば仲間との情報を共有出来なくなる、まあ、お前も分かってはいると思うが一応言っておいた、念には念を入れろだ」
「ああ、分かってるぜリゾット」
「そうと決まればイルーゾォ俺を鏡の世界から出してくれないか?」
「お、おう、そうだな、マン・イン・ザ・ミラー俺とリゾットを鏡の外に出ることを許可しろぉ」
そういうとリゾットとイルーゾォは鏡の外へと出る
「じゃあ、俺はこれからナイトレイドがでそうな場所を探る...また近いうち会おう、イルーゾォ...」
そう言い残し帝都の方へ足を運ぼうとしたその時
「リゾット」
「?」
突然後ろから自身の名前を叫ばれて振り向く
「本当はよお、俺から頼んでおいてよぉ、こういうこと言うべきじゃ、無いとは思うが...リゾットお前にはこっちの世界に来てほしくなかったぜ」
「!?」
「お前には、せめて生きていて欲しかったからな...俺があの時、フーゴに止めを刺していればアンタまで死なずに済んだのによぉ...すまねぇ」
「...イルーゾォ......」
イルーゾォは謝罪の言葉を述べ頭を下げるそれを見たリゾットは
「いや...謝るのは俺の方だ...俺の方こそ、後一歩ってところまでボスを追い込んだんだが最後の最後で浮かれボスに殺された...あんなにお前たちに釘を刺しておいてこの様だ...すまない」
「え?」
「え?」
突然イルーゾォがポカンとした顔で驚いた、それにリゾットもつられる
「ボスを、お、追い込んだ...え...つまり、あんたはブチャラティ達にやられたんじゃあなくて、ボスに倒されたってことか、しかも、あと一歩まで倒す寸前まで追い込んだっていうのか?」
「あ、ああ、言ってなかったか?」
リゾットは首を傾け答える
(ボスを追い込んだってーー、嘘だろ、あの正体不明のボスをか!しかも一人で!!やっぱりリゾットはすげえ奴だ、さすがは俺たちのリーダーだぜ)
「それで!ボスはどんな奴だったんだ!」
「そうだな...最初にあったときは...」
その後、イルーゾォはリゾットにボスがどんな人物だったかを問いただした後、30分くらい話してからお互いの目的のために行動を移した。
果たして暗殺者チーム(イルーゾォ以外)が帝国や革命軍に所属している理由とは!