第11話 リゾット・ネエロは見捨てない
~帝都中央付近~
イルーゾォと別れ何時間か経過したリゾットは、言い残したことがあるのか右ポケットに入っている携帯電話に手をかけ自身の右耳につける
とおるるるるるるるる
とおるるるるるるるるるるるん
とおるるるるるるるるるるるるるるるん るるるん
「出ないな......っあ」
数秒経った時点でこの世界に電波がないことに気が付くリゾット
そもそもその世界に携帯などの通信システムなど存在するはずもなく周りの帝都市民から変な目で見られていた。
「それにしても、この世界は不便だな」
リゾットは使えない携帯電話をポケットに戻しこの世界の不便さについて嘆いた
(分かってはいたつもりだが、つい通話しかけたぞ、やはりイルーゾォにはこれから情報を伝えてもらう連絡係をしてもらうほかない、まあ本人もそれが分かっていて帝国側にも革命軍側にも属さなかったんだが...行ったり来たり大変だろうな)
今イルーゾォは鏡の世界から帝国、革命軍にいる暗殺者チームのメンバーそれぞれにリゾットがこの世界に来てこれからナイトレイドに所属するかもしれないという情報を届けに向かっていた。
リゾットがイルーゾォの立場になって考えるすると
「ごめんなさい」
リゾットが通っている道の左側で見た目が、十歳以下の女の子が尻もちをついて倒れこみ泣きそうな顔で目の前にいる大柄の男に謝っていた。地べたには女の子が飲んでいたと、思われるコップが転がっていた
「あ~、右のズボンがシミになっちまったよ...っち」
そう不機嫌そうに言い放つのは右目がリゾット同様白い部分が黒く左目が失明し傷がついており、黒髪の横サイドが白髪をした右ズボンが飲み物でシミが付いた帝都警備隊の服装をした男であった
(まあ、さすがにその程度のことで傷をつけるようなことはしないだろう)
リゾットは自分には関係がないという態度をとりながら二人のそばを素通りしようとする
「まぁ、まだお前はガキだ...一発ぶん殴るだけで許してやるよ」
そう言って男は幼女に右拳を振りかぶろうとする
「ひぃっ」
少女は涙目になり頭を押さえ目をつぶる
周りにいる帝都市民も目を背け関わらないようなそぶりを見せる
「これも帝都警備隊隊長オーガ様の教育ってやつだ感謝しろよ!」
「ウオラァ」
バシンッ
「~~~~~~...? えっ?」
「.....なんだぁ...てめぇ」
そこには少女に振りかざし殴ろうとしたオーガの拳を右手で受け止め、少女をもう片方の腕で自身の背中に隠すリゾットの姿であった
「まさか...本気で殴り掛かるとはな」
流石のリゾットもとっさのことだったので顔に汗が出ている
「どけ、てめぇも殴られてぇのか、それとも捕まりたいか、あぁん」
オーガはリゾットにがんを飛ばし脅す
「いや、そうじゃあない」
「だったらなんだ、おい」
「ひぃ」ブルブル
今にも切れて襲い掛かろうとするオーガと恐怖でリゾットの服を両手で握りしめ顔を埋める少女
リゾットは右手で自身の胸の内側を弄りある小袋を取り出す。
「ああん、袋?」
オーガは顔を傾ける
「これをあなたにお渡ししよう思いまして...」
オーガはその小袋を受け取る
ジャラジャラ
「ほう」
袋を手に取り察したのか急に眼の色を変える
「んー、まぁ、俺もやり過ぎだとは思ていたところだ、同じ黒い目同士仲良くしようじゃねえか、今回は大目に見といてやるよ」
そう言い終えるとオーガは袋の中を再び覗き声に出して中身を数えながら去っていく
(本当ならメタリカで痛めつけてやりたいところだがこの人通りのなかではな...それに)
「ウ...ヒック...ウゥ...ウワァアアン」ポロポロ
(子供の前でメタリカは教育上良くない)
ポン ポン
「ふぇ?」ピタ
リゾットは恐怖して震えることしかできずにいたが緊張がとぎれ泣きだした幼女の頭に手をのせ軽く撫でる
「もう大丈夫だ、立てるか?」
リゾットは幼女と同じ目の高さまで腰かけ優しい顔つきと安心するような声色で囁く、そうたとえるなら、普段はぶっきらぼうで表情を全く見せない妙な威圧感があるおじさんがときたまに見せるやさしい笑顔のように、ほっと少女を安心させた。
「うん」ゴシゴシ
幼女は両手で涙を拭うとリゾットが差し出した手をとりリゾットも優しく少女の手をとり立たせる
「おじさん、助けてくれてありがとう」ニッコリ
少女は笑顔を見せリゾットにお礼を言う。
「気にする必要はない...それよりもだ、両親はどうした?お父さんかお母さんとはぐれたのか?」
リゾットは幼女の目線に合わせ聞く
「うん、あのねママとはぐれちゃったの」
「そうか...しょうがない俺も一緒に探そう」
「本当」パアア
幼女はその言葉にさっきよりも強い笑顔を見せる
「ああ、それと名前を聞いておこう、俺はリゾットという君は?」
「私はねローグていうのよろしくねリゾットのお兄ちゃん♡」
そう言ってローグはリゾットに抱き着き手を後ろに回す
(さっき、おじさんって言ってなかったか?)
そう不審に思いながらもリゾットはローグをお姫様だっことまではいかないが抱きかかえる
「さて、ではさっそk」
「おや!おやおや!!おやおやおや!!!私の正義センサーに反応あり!そこの御二方!お困りですかな?」
後ろから元気のいい可愛い声が聞こえてきたためリゾットとローグは声のする方へ振り返るすると、そこには帝都警備隊の服を着用し後ろ髪にポニーテールをし笑顔が素敵な女の子と、その女の子の左手から紐がぶら下がり繋がっているのは、見たこともない犬に似た生物が引きずられながら近づいてきた
「お前は...」
リゾットが不審そうに口を開くすると
「帝都警備隊セリュー正義の味方です」ビシィ
「キュウウウウウウーン」
セリューと名乗る警備隊の少女が右手で敬礼しながら自己紹介をし始めその隣で犬?が鳴く、その犬を見たローグは
「わああ、かっわいい!!」パァ
犬?を見て目を輝かせる
「そうでしょう、そうでしょう!コロの良さが分かるなんていい子ですね」
そういうとセリューはローグの頭を撫でる
「えへへ」
ローグも満更ではない様子
「あっそうだ!名前はなんていうのかな?」
「私はローグっていうの、こっちはリゾットお兄ちゃんだよ」
「うん!ローグちゃんにリゾットさんね!それで困ってることがあるんだよね、私も手伝いますよ!!正義のために」
「...」
「じゃあローグちゃん何か困ってることを教えてくれるかな?」
セリューは目を輝かせる
「うん実は、ママとはぐれちゃったの」
「そっかー、それは大変だったね、ちなみにどこではぐれちゃったの?」
セリューはローグの言葉に真っ直ぐ耳を傾ける、真剣さがこっちにも伝わってくる、本当に人の役に立ちたいと肌で感じる
「向こうのドリンク屋さん」
「じゃあ、そこにお母さんが探しに来てるかも知れないね、お姉さんも行こうかな」
「ありがとうセリューおねえちゃん」ニコ
「ちゃんと御礼言えて偉いですね」ナデナデ
「えへへ」
和気あいあいとする二人それを見るリゾット
「...行こうか」
リゾットはこのままセリューにローグを任せようと考えたがセリューが「正義」と発するたびに目のハイライトが消えたり若干どす黒い何かを感じたが彼女の言葉に嘘は感じられなかったそれでも念のため着いていくことにした。
数分歩いているとドリンク店(ドリンクバー ドリンキー)についたそこには辺りをキョロキョロし何かを探している女性の姿があった
「あっママー」
ローグはその女性の方へ走っていく
「!ローグ」
母親は安心したのか瞳が潤い涙を流しながらローグのもとへ駆け寄り娘を強く抱きしめる
「もう、心配したんだから、勝手にいなくなっちゃダメでしょ!」
母親は涙目でローグに説教をする
それに対しローグも
「うえーーん、ごめんなさーい」
泣きながら必死になって謝る
「でも今はもういいの、あなたが怪我無くこうして無事に帰ってきてくれたから、それでいいのよ」
母親は再び娘を強く抱きしめる
「えへへ、苦しいよママ」
「リゾットさんローグちゃんママが見つかってよかったですね!」ニコリ
セリューはリゾットに笑顔を向けながら語る
「...そうだな、これで安心というやつだ」
リゾットも顔には出さないが一安心したのかほっと肩を撫でおろす
「あの、どちらか存じませんが娘をありがとうございます。なんて御礼をしたら良いのか...」
母親は深々とリゾットとセリューに頭を下げる
「...お礼などいらん」
「いえ、当然のことをしたまでです。」
「キュイ、キュウウイ」
「でしたら、せめてお名前だけでも」
「リゾットだ」
「帝都警備隊セリュー・ユビキタスです」
リゾットは腕を組み顔を背け、セリューは敬礼をしながら名前を言う
「リゾットさんセリューさん娘をローグをここまで送り届けて下さってありがとうございます。今度ぜひ御礼をさせてください、それでは主人が待っていますので私たちはこれにて失礼します。本当にありがとうございました。」
「またねー、リゾットのお兄ちゃん、セリューのお姉ちゃん」
母親は頭を下げ、ローグは右手を振りながら帰っていった。
セリューも両手を振る
「行ってしまいましたね、ローグちゃんたち」
「ああ」
「ふふふ」
セリューは突然笑いだす
「?なんだ、突然」
「あっいえリゾットさんって見かけによらずいい人なんですね」
「................失礼な奴だな」
リゾットは目を細めてセリューの言葉に不信感を覚える
「ははは、スミマセンでもあなたが悪じゃないってことは分かりました。あなたは正義感あふれる人です!」
「正義感あふれる人か...」
リゾットはまさか自分が正義感あふれる人すなわちいい人と言われ顔がうつ向く
(俺が正義感あふれる...か.........っふ、皮肉だな)
心の中でそう答えるとリゾットは右頬を上げ笑顔を見せる
「?...リゾットさん?」
急に黙って不敵に笑うリゾットを見て心配そうに話しかける
「いや、何でもない」
「そうですか?...いやあ...でももし、リゾットさんが悪だったら裁かな...いいえ何でもないです」ニッコリ
「~~~」ゾッ!?
セリューの人間の顔とは思えない笑みにリゾットは思わずゾッとする
(こいつ今、裁かな...と言ったか?俺の聞き間違いか?いや違う、それに今の微笑み只の笑みじゃあない、俺が今まで見た狂人のそれじゃあないか、この女はきっと相手が悪だと思えば慈悲なく容赦なく殺すだろう、どんな些細な悪でもだ!俺もローグについて行ったのは正解だったかもしれん、もしオーガとの出来事を知ればこいつはローグを悪と判定し殺していたかもしれない確証はないが俺の勘は当たるそれに...)
リゾットは考えをやめ犬?の方に目をやる
「一つ聞きたいんだが...」
「はい、なんですか?」
セリューはキョトンとしながらリゾットの問いかけを待つ
「この生き物はいったい何なのだ?」
「ああ、コロちゃんのことですか」
「コロちゃん?」
「はいコロちゃん、帝具 ヘカトンケイルご心配なく悪以外には無害ですので」
(この生き物を使って人を殺すのかと考えていたがまさか帝具とはな、生物型の帝具があるとは知らなかった...とはいえこれで疑心が確信に変わった!セリュー・ユビキタスこいつは要注意人物だ、あまり関わらないようにしよう...)
「そうか、それでは、俺も帰るとしよう」
そう言ってリゾットは背を向けようとしたその時
「あ、ちょっと待って!」
「...」ピタ
「路地裏を通るときは気を付けてくださいね」
「......」
「最近通り魔が出て人を殺しているそうです。その死体には体の内側から破壊されて剃刀や釘と言った殺傷力の高い物が散らばっていたとか」
セリューは頬を膨らませながら右手の人差し指で頬を突っつきながら淡々と話す。
「そんなことが...あったのか...知らなかった(大嘘)...ご忠告礼を言う...では俺はこれで」
「はい!気を付けてくださいね!!またどこかで会いましょう、コロちゃん今日のご飯は死刑囚5人でどうですか?」
「キュウウウウウウウウウン♡」
そう言ってセリューは走り去った
セリューが完全に居なくなるのを見届けた後今後について口を開く
「さて、いまの俺は一文無しだ、夜になったら金を奪い返し口封じの為に...」
※タツミ視点
「ま...今日のが成功したらお前もわかるさ」
レオーネがタツミに優しい顔つきで話す
「おう!絶対成功してくるぜ!」
それに対しタツミは右手を上げ答える
「グッドキル!」ビシッ!
レオーネもまたサムズアップし声援を送る
「今日が俺の初仕事だ標的は鬼のオーガ...今夜...」
※リゾット&タツミ視点
「「オーガを暗殺する!」」
店名はオリジナルです。