タツミを含めたナイトレイドのメンバーに、顔を合わせ自身が正式に加わった事を話したリゾットは、無事、仲直りを果たしたタツミと共に、アジトから少し離れた、サヨとイエヤスの墓の場所まで来ていた。
「渡すのが...遅くなってしまったな、すまない」
リゾットがそう言うとサヨとイエヤスの墓の前にサヨの弓とイエヤスの剣を丁寧に置く
その後、リゾットは地べたに座り込み、目を閉じてから数分間、動くことはなかった。
そのリゾットの後姿を見ていたタツミは、リゾットの思いを肌で感じ取り、数秒後、自身もリゾットと共に祈りを捧げた。
お祈りを終えたリゾットが立ち上がると目を閉じていたタツミもそれを感じ取り、目を開けリゾットに続くように立ち上がる。
「ありがとな、リゾット、あいつらの為に」
そう言うとタツミは墓の方に顔を向ける
「...礼を言われる覚えはない、俺が好きでしたことだ。」
リゾットはタツミの方へ振り返る
「そっか、じゃあそろそろ戻るか!」
当然のようにそう答えたリゾットに感謝しながらタツミは口角を上げアジトに戻ろうと提案する、それに答えるようにリゾットはアジトの方角へと足を運ぶ。
アジトの入り口についた所で、再びリゾットが言葉を発する
「タツミすまないが、俺はナジェンダの所に行かなくてはならない」
「え?ボスに、なんで?」
リゾットのその言葉に不思議そうな顔でリゾットに応えるタツミ
「ああ、大切な話があってな」
そう話すリゾットの目は真剣であった。
それを察したタツミは
「分かった、じゃあ、俺はみんなの所に戻るよ、またな」
そう言いながら手を振りながらアカメたちが居る方へと走っていく
タツミが反対方向へ走っていくのを最後まで見守ったリゾットはナジェンダがいるであろう場所へ向かった。
~ナイトレイドアジト 会議室~
「お、来たか、もういいのか?」
ガチャ
キィィ
リゾットが会議室のドアを開くとそこには椅子に腰かけ、片腕を組みながら煙草を吹かすナジェンダの姿であった。
ガチャン
「ああ、もう大丈夫だ、待たせてすまなかったな」
ドアを閉めたリゾットはナジェンダの方へ歩み寄る
「気にするな、別にそんなに待ってないしな...それで私にしか言えない話があるのだろう?」
そう言うとナジェンダは煙草の火を消し、灰皿に入れると、机に両肘を立てて寄りかかり、両手を口元に持って、目はリゾットの方へ向ける
「ああ、とても大切な話なんだ...タツミにも、他のメンバーにもまだ話せない、だがナジェンダ、君には伝えるべきだと思ってな」
これはリゾットがナジェンダが約束の場所へ行く少し前のこと
キーーーーーン
イルーゾォは言われた通り、他の暗殺者チームに了承を得るため話をつけていた。
それを頼んでいたリゾットは、待ち合わせ場所、すなわち、帝都の少し離れたトイレの鏡で待っていた。
すでにイルーゾォは鏡の中におり、気づくとリゾットは鏡の世界に入っていたのであった。
「リゾットよぉ~、言われた通りあいつらに言って来たぜ」
「ああ、それでイルーゾォ、あいつらは何て言っていた?」
慣れているのか動じる様子はなく、何事もなかったかのように会話を進める二人。
「ああ、OKだ、両方とも、アンタの仲間だって伝えてもいいって言ってたぜ...ただし」
「ただし?」
「言っていいのは、ナイトレイドのボス、だけだってよ」
イルーゾォは壁によりかかりながら続ける
「理由は、ナイトレイドのメンバーの誰かが...まあ仮にだが、帝国に捕まったとき、情報が漏れてしまう、それによって、今、帝国にいる、あの2人が危険にさらされるし、革命軍の方にいるあいつ等の能力が知られたらやられるリスクが高まるからな」
「なるほどな、ボス(ナジェンダ)一人なら、捕まる可能性は極めて低い、ナイトレイドの連中が捕まったとしても知らされていないから、いくら拷問されようとあいつらの情報は出てこないというわけか」
「ああ、そうゆうことよ」
なるほどとうなずくリゾットに指さしながらその通りという態度をとるイルーゾォ
「だが、リスクもある、もし帝国に所属しているあいつ等が、ナイトレイドのメンバーに接触したら、殺られる可能性もあるということだ、それについてはどうするつもりだ、イルーゾォ」
リゾットの疑問にチッチッチ人差し指を振りながら話しだすイルーゾォ
「そのことなら安心しろ、そういう事態にならない為に、俺のマン・イン・ザ・ミラーがあるんだ、もしそうなりそうだと思ったら、俺が二人を鏡の世界へ入門させる、どうしても俺がそばにいられなかったら、アンタから聞いたナイトレイドの行動情報を二人に伝え接触しないようにすればいいだろ」
「なるほどな、それなら、まあ、問題はない、それにあいつならそう簡単にやられはしないだろうし、もう一人は不安だが、お前の話によると前とは比べ物にならないほど精神的に成長したらしいからな」
リゾットは顎に手を当てまさかあいつがなぁっと感心するそぶりを見せる
「それよりも重要なことは、今からくるっていうナイトレイドのボスが信用に値するかどうかじゃあないか?」
一応納得はするリゾットに今度はイルーゾォが疑問をうちあける
「そうだな、それによっては、話すか話さないかが決まる...」
「まー、そりゃぁ、そうだ」
「...」チラ
少し不満そうに言うイルーゾォを横に自身のポケットに入っている時計を取り出すリゾット
「そろそろ待ち合わせの時間か...イルーゾォそろそろ鏡の中から出してくれないか?」
「ああ、そうだな、もうそんな時間か、まぁ、アンタ一人でも大丈夫だとは思うが気ぃつけて行けよ」
そう言うとイルーゾォはリゾットを鏡の世界から
「ああ、分かっている、では言ってくる」
そして現在
「そうか...革命軍の密偵チームに3人、帝国にスパイとして2人、お前の仲間が動いているというわけか」
ナジェンダはリゾットの仲間のことを聞くも特に反応はなく、むしろ、やはりなっという態度をとっていた
「思っていたよりも、反応が薄いな...こっちは色々と覚悟していたのだがな」
予想外の反応にリゾットは顔には出さないが意外そうに問う
「いや、もちろん驚いているさ、だがお前と会ったのは今日の午後だ、それに仲間が帝国に殺されたと言っていたとき、お前は“チーム”と言っていた、だから、他に仲間がいて、そのチームの連中も別に動いているのではないか?そう考えていただけだ?」
リゾットはナジェンダの考察に思わず、「ほう」っと感心した、ほぼナジェンダが言っていることとあっていたからだ。
(まさか、俺が思わず漏らしてしまったチームという言葉だけで我が暗殺者チームの現状を
を導き出すとはな、流石はナイトレイド、いや革命軍を立ち上げただけのことはあるな)
リゾットが心の中でナジェンダのボスとしての器を再認識していると再びナジェンダが声に出す
「まぁ、現にお前は話してくれたじゃないか、話すか話さないか(隠す)によってだいぶ違う、それにお前の過去や素性は触れない約束でナイトレイドに所属させた私にも責任はある」
ナジェンダはフッと微笑み、リゾットの方をみつめる、その目はまるで、お前のことを信頼しているぞっと言っているようにリゾットは感じた
「ナジェンダ...ありがとう、感謝するよ...本当に」
リゾットは頭を少し下げながら感謝の意を込める
「いいさ、それにお前の仲間がナイトレイドに力を貸してくれるのであれば、これほど心強いことはない、今はまだ、会うことはできないかもしれないが、お前の方からよろしく頼むと伝えておいてくれないか?」
「ああ、必ず伝えよう...では失礼する」
リゾットがナジェンダの了承を得たことを仲間に伝えると約束するとこの場から離れよう振り返ろうとした瞬間、ナジェンダが義手を伸ばしてリゾットの左肩を掴みこう言った。
「まあ、待て、実はお前に言っておくことがあったんだった」
うしろを向いているリゾットでも声色と部屋の静けさですぐさま理解した。
これからナジェンダが言う言葉をそれは
「リゾット今日、入ってきたばかりで悪いが、お前に仕事を頼みたい」
「仕事...そうか、思ったよりも早いな」
リゾットもまたいつも以上に真剣な表情と声色で発す
「ああ、お前が今思っている通り殺しの依頼だ。」