「なに?タツミが居なくなっただと」
「ああ、トイレに行ったきり、戻ってこないんだ」
アカメはタツミがいるであろう路地の方へ行くと、居なくなっていることに気付く
そして、十数秒ほどでリゾットが戻って来たので、説明をしていたのだ。
「...ここに戻らないとなると、タツミは標的に遭遇したということか...」
「私もそう睨んでいる...ボスの情報では、ザンクは帝具持ちだ、早くタツミを探さなくては」
「...そうだな...行くか」
「ああ」
リゾットとアカメはタツミが行った方向へと走った
(...なんだこの違和感は?タツミが一人でザンクを相手にしている可能性が高いからか?…俺の長年の経験が何かあると思わせる、この感覚はいったい?)
リゾットのこの違和感は数分後に思い知ることとなる。
その頃タツミは
「サヨやめてくれ、俺だ、タツミだ!分からないのか!!」シュッ ッシュッ
「...」 スッ パッ
死んだはずのサヨの弓矢の攻撃を避けていた
「ン~愉快愉快、首を斬るのもいいが、最愛の人に殺されかける光景も、中々見ものだね~」
それを近くで眺めているのは、仁王立ちで、両方の腕に剣先が付いているにも関わらず
なぜか、弓に使いそうな矢を握っている、不気味な笑顔を見せる男、そう今回の標的
首斬りザンクであった。
(クッ...どうなってるんだ、サヨが生き返ったと思ったら、それがザンクの幻で、幻を見せられたかと思えば今度は、ザンクの後から実態のあるサヨが現れやがった!)
「!?」 バキ
タツミはこれ以上攻撃をさせないようにする為、サヨの弓をへし折ると一直線にザンクの方へ走りこみ、短剣を握りしめ、叫んだ
「お前!サヨに何しやがったぁ!!」
それを見てもザンクは、微笑みを解かず、かと言って、タツミの攻撃を避けようとするそぶりも見せず、そのままタツミの短剣がザンクの胸に突き刺さろうとしたその瞬間
ドガァ
「ぐっはぁ」
ドゴァン
その打撃音と共にタツミは後方へ吹っ飛び、壁にぶつかる
(な、なんだ、何が起きたんだ?ザンクは一歩も動いていなかった、サヨだってあの位置から一歩も動いてない、だけど、この腹部の痛みは、まるで誰かに殴られたような)
タツミは何がおきたか分からずキョトンとした顔をする
「フフフ、その顔を見るにやはり、見えていなかったか...」
(まぁ五指の能力を使わなくても分かるがな)
タツミが腹を抑えながら歯を食いしばりながらザンクの方を見つめる
(あいつの額の目が帝具であるのは間違いない)
「何もない所から攻撃する、それがお前の帝具の能力か!」
「フフフ...愉快愉快...何もないねぇ、まぁ、半分正解で半分は不正解と言っておこうか」
「?...ど、どうゆうことだ!」
「フッ何も知らない僕ちゃんの為に、帝具の能力だけは教えてやるよ、お前がさっき思っていたように俺の額にある、この目の形をした、これは帝具“スペクテッド” 洞視、遠視、透視、未来視、幻視の「五視」の能力を持つ、まっ観察力が鋭いの究極形だな」
(五視の能力?じゃあ、あの見えない攻撃は、まさかもう一つ帝具を持っているのか!)
「不正解、今お前は、俺が帝具を2個持っていると考えただろうがそれはちがぁう、帝具は一人1つまで、それを破ると、体に圧倒的な負荷がかかる、最悪死ぬからなぁ」
タツミの心を読みそのうえで小ばかにするかのようにタツミの考えを否定するザンク
「それにタツミィお前はもう一つ考えなくっちゃあならないことがあるぞ」
「もう一つ?どうゆうことだ?」
「は~めでたい奴だなぁ、あれを見ろ」
「あれ?...ッハ!」
ザンクが指さす方に顔を傾けたタツミはザンクが言うもう一つの疑問について気づく
そうそこには死んだはずの人間が立っているのだから
「そう、死んだはずの人間がなぜ生きているのか...気にならないか...タツミ」
「ッく!」
ザンクの問いに思わず顔を歪めてしまう、タツミはザンクの能力でサヨが生き返ったとは思いたくなかった、あの日にみたサヨの亡骸が本当は何かの間違いで、本当は生きているんじゃないか、今ここにいるサヨは一時的に記憶を失っていて、ザンクに利用されているのではないか、そう思っていた、いや、そう思いたかった。
しかし、ザンクの言葉でサヨが実際に死んだという現実を突きつけられる
「謎が増えたなぁ~、さてさて、タツミ君はこの窮地を脱することか出来るのか~」
「うるせー!俺は信じねえぇぞ、お前がサヨを蘇らせたって!現にサヨはあそこから一歩も動かねぇし口も開かない、第一サヨが俺に攻撃するはずがねぇ!!どうせお前が作った偽物だろ!!!」
タツミは覚悟を決め短剣をサヨの方へ向ける攻撃の準備をする動作を見せる
「ふーん、そうか、偽物か...そう思うんなら、そいつに直接聞いてみろや」
「え?」
ザンクの思わぬ言葉に驚きザンクの方へ顔を向くすると
「タツミ...彼が言っていることは本当よ」
「!?」
(今の声は!間違いない!!)
タツミは声の下方向へバッと顔を向ける
同時に声の主がタツミの方へ歩み寄る
「本当に、サヨなのか」
「ええ、タツミ、会いたかったわ」バッ
そう言うとサヨは両手を広げタツミを抱きしめる
その行動に安心したのかタツミは短剣を掌から床に落とし涙を流す
「本当に、サヨ...なんだな、いき、生きてたんだな」ポロポロ
「うん...」
ザッザッザッザッザ
タツミは、サヨが生きているという安心感で背後に近づくザンクに気付かなかった
(愉快愉快、サヨはこのままで、タツミの首を斬るチャンスだ、サヨとタツミ両方の首を斬ってやる、生きていたと分かった最愛の人の首と同時に斬られたときのお前の顔、見せてもらうぞタツミィ)
「タツミ、せっかくで悪いんだけど、私のお願い聞いてくれる?」
「ああ、俺に出来ることなら何でもやるよ」
「ありがとうタツミ.....じゃあ...」ニコ
「死んで」
「え」グサ
真表情になったサヨはザンクが片手に持っていた、矢を奪い取ると、そのままタツミの背中に突き刺す
その行動にタツミは驚き、血反吐を吐く、そしてサヨはタツミを突き放す
ドカ
「ごはぁ、な、なんで」
タツミは伏臥位の体制になりサヨの方へ顔を向ける
「何やってんだあぁー!!」スパァ
「!!?」
サヨの行動に驚いたのは矢で刺されたタツミだけではない
ザンク自身もなぜか驚いており自身から取った矢を持つ右手を斬り飛ばし、空中で手と分離した矢をつかみ取る
その衝撃でサヨはそのまま倒れこんだ
(完全に予想外だった、まさか俺の手から矢を奪い取って、こいつに刺すとは、もし、こいつに能力が宿ったらどうするつもりだ!自分では当たりの良い便利な能力だとは思っていたがコピー人間に五視の能力が通用しないのは厄介だな)
「サヨォオオオオ」
「背中を矢で刺されたってのに、サヨちゃんの心配かぁ、タツミ...なッ!?」
「ウォおおオオオ、ザンクゥウウ」
背中を刺された痛みで、腕を動かすこともままならないが顔はザンクの方へ睨みを聞かせ叫ぶ、しかしザンクはタツミの顔ではなく、別の部位を見て驚いていたのだ
(こいつ、傷口の血がもう塞がっているのか?確かに矢は深々と背中の中心点に刺さっていた、普通なら血が止まることなんてありえない!)
「どうやらタツミ、お前は、矢に選ばれたらしいな」
動けないタツミにじりじりと近づくザンク
「矢?なんのことだぁ!!」
「お前が能力を身に着ける前に殺してやるぞ、タツミ」チャキ
そう言うとザンクは右手に身にまとった剣を上に挙げタツミの首元にふりかざす
「死ねぇーい、タツミィイイイ」
「ウォオオオオオ」
死を覚悟したタツミは目を閉じて叫ぶ
後ほんの少しで、タツミ目掛け、刃が首を斬り落とそうとしたその瞬間
メ タ リ カ
「な、ナニィイイイ!?」 グチャァアアア
ザンクの右手から、ナイフと剃刀の刃が噴き出る、その影響か、右手に付いていた剣がナイフや剃刀に食い込み付け根の部分が斬られ地面に落ちる
カチャッ
「この攻撃は、まさか!?」
「遅くなって、悪かったなタツミ」スゥウ
刃物で傷だらけになり、右手の血を抑え込むのに必死なザンクと、身動きが取れず、伏臥位の姿勢のタツミの間に急に現れたのは透明化を解除したリゾットだった
「途中までは一本道だったんだが、途中で分かれ道があってな、そこでアカメとは、別行動をしたんだが、どうやら当たりを引いたのは俺のようだな、それに、もし、アカメが俺より先に、来て居たら危なかっただろう」
「リゾット」
絶体絶命のピンチにリゾットが現れ少し安堵するタツミだが、すぐさま別の方へ顔を向けると意識を失った、リゾットも気を失ったタツミが見る方向へ顔を向ける
「そうか、お前が噂の体の内部から攻撃するっていう通り魔か」
ザンクは自分に起きた攻撃に対し答えを導き出し、リゾットの方へ顔を向けるもリゾットは別方向へ顔を向けていた、だがリゾットはザンクの質問に答える
「ああ、そうだ、それは俺だ...お前のような人を人とも思わないようなゴミを殺してきた」
リゾットは否定はせずザンクの問に答える
「特にお前のような人の尊厳を侮辱するようなやつはな!」
リゾットは倒れているサヨ?の方向からザンクの顔へと方向を変える
「グワァアアアア」プシュプシュプシュ
(帝具を使っても攻撃を避けれないだとぉ!)
ザンクの顔から大量の針が噴き出る
「お前には元々聞きたいことが合ったが、お前の左手に持っている矢を見て、聞きたいことがもう一つ増えた、お前の帝具は、文献に合った“スペクテッド”「五視」を大幅にアップさせるものだ、そして、帝具は一人につき一つ!つまり、死んだはずのサヨが、あそこで倒れているということは!お前は!!」
「ウゥオオおおおおおお!シックス・センスゥウウ」ボワァアン
ギュン
サッ
リゾットがザンクの謎を確信し言いかけたその時、ザンクの体から緑色の人間に近い物がリゾットめがけ左手で殴り掛かる
だがリゾットはその攻撃を難なく避ける
「なに!?避けただと!!...ハハハ、愉快愉快...そういうことか、お前のあの意味不明な攻撃、俺の攻撃が見えたって事は、お前も!!」
「「スタンド使い(だ!)か!」」
スタンドファイル①
ザンクのスタンドの名前の元ネタは映画シックス・センスから