時はアカメが現れる数分前に遡る
(クッソ!こいつのスタンド能力はどうなってるんだ!!まるで、でたらめだ!!!)
ザンクはリゾットのスタンド能力がどういう理屈で発動しているのかを帝具『スペクテッド』の五指の能力のうちの一つ、『洞視』の能力で思考を読み取ろうとしているが、その能力がザンクのスタンドや帝具を持ってしても、避けることが出来ない、絶対的な殺傷能力を持っているという事実だった。
(奴の能力が無敵でもスタンドには射程距離がある、だが俺のスタンドは射程距離が短い!加えて、奴から離れたとしても、俺に飛び道具はねぇ!射程距離も奴の方が上かも知れない!!)
そう、このまま、戦っていればザンクはリゾットに触れることなくやられ、情報を話したうえ、殺されていただろう、しかし、そうならなかったのには理由が三つある
一つ目は『リゾットは決して油断などしていなかったが焦りが見えたこと』
ほんの少しの焦りと自分(ザンク)から情報を聞き出すため殺すことはないと『同視』の能力で理解、焦りの原因は仲間を殺害した人間を2年以上ざがしていた事により、絶対に相手を逃がさないと言う強い思いと、出来れば奴の仲間が来る前に、情報を聞き出したいという感情が出てしまったのだろう。
二つ目は『サヨを敵として観ていなかったこと』地面で気絶している、タツミと違い、リゾットはサヨが攻撃を仕掛けてきたら容赦なく倒していただろう(サヨに思い入れがあったとしても)、そこがタツミ(入ったばかりの素人)とリゾット(暗殺者)の差であろう、ではなぜ、リゾットはサヨを敵として観なかったのか?答えはシンプルだ、リゾットがザンク達の前に現れたころには、サヨの片腕は斬られており、大量の血が地面を埋め尽くしピクリとも動いていなかった、それを見たリゾットはサヨの死を弄んだザンクに対し怒りを露わにし、サヨを敵候補から外したのだ
三つ目は『時間帯が「夜」』だったことだ、いくらリゾットがサヨを敵候補から外したとはいえ、ザンクの不審な動きや表情を観れば、すぐさま後方から迫りくるサヨを軽くあしらい、メタリカで止めを刺すことが出来たであろう
時間帯は夜、いくらリゾットが洞察力、観察力で嘘の表情が分かろうとも、暗くては意味がない、月明りで照らされていたとしてもさほど変わらない、だがリゾットがザンクに近づけば月夜の光でも顔くらいは観察できるだろう、しかしザンクはスタンド使いであるのと同時に帝具使いでもある、同視の能力でリゾットが相手の嘘を見分けることが出来ることは百も承知、ならば、奴が近づいてくる前に、顔を伏せれば、それだけで解決するのだ!
この三つの偶然が重なったことにより、リゾットは重傷を負い、アカメが現れなければこのまま首を斬られていた、良くて相打ちのどちらかであっただろう
そして時は、今!
「タツミが倒れているのが、お前の反応を見るからに命に別状がなさそうなのはいいとして、リゾット...お前が此処まで追い込まれるとはな」
アカメは剣先を片手でザンクに向けたまま、片足の膝を地面につけているリゾットの肩に手を回し立たせながら、言った
「...言い訳をするつもりはない、お前が来なければ俺はやられていただろう...アカメ、礼を言うよ」
リゾットは視線をザンクの方に向けたまま、アカメに対して礼を述べる
「意外だな、まさかお前から礼を言われる日が来るとはな」
ザンク(標的)の目の前なので表情は硬いがアカメは少しだけ口角を上げる
「いや~、内部破壊の通り魔に加えて、一斬必殺のアカメかぁ...これはいよいよなりふり構って要られなくなってきたなぁ」ニヤァ
バッ
ザンクがやれやれと喋りながらため息を吐くとスタンドを出して、アカメに攻撃を仕掛ける
「気を付けろ、アカメ!ザンクは帝具以外に、もう一つ能力を持っている、お前ではその姿を見ることは出来ない!逃げることに専念しろ!!」
それの言葉を聞いたアカメはリゾットからはなれタツミが倒れている方向と真逆の方へとジャンプしザンクから距離を取ろうとするも
「スタンドに村雨は通用しない!さっそくで悪いが死ねぇ!!アカメぇ!!!」
ザンクのスタンドの手刀がアカメの首筋に入ろうとした
しかし
シュッ
「「!?」」
その見えるはずのない手刀をアカメはギリギリの所で交わし、二発目のパンチも後方へジャンプし難を逃れる。
「なっナニィイイイイイイイ!!アカメ!キサマァアア、お前もこいつと同じスタンド使いなのか!」
ザンクが思いもしないことで取り乱しているとアカメの顔を見て、ハッと理解する
それはリゾットも同じことだった
なんとアカメは目を瞑っていた
「スタンド使い?が何なのかはよくわからないが、ザンクお前のその口ぶりからリゾットもそのスタンド使いに該当することになるが?」
そう言い切るとアカメは目を開き、リゾットの方へ視線を合わせギロっと目を鋭くし「後で詳しく聞かせてもらうからな」っと訴えているとリゾットはそれを感じ取り、冷や汗をかきながら頷く
「スタンド使いを知らないだと?じゃあ何で避けれた?アカメ!」
ザンクはスペクテッドの能力を使うことを忘れ取り乱しながらアカメに問いただす
それとは別にリゾットはその答えを既に見つけていた
するとアカメから口が開く
「私の仲間にブラートという、姿を消して戦うことが出来る男がいる、だからよく、手合わせしてもらっていたんだ、透明の相手と戦うときがいつか来るのではないかと思ってなだから、見えなくても空気の流れや気配を感じ取ることはそう難しい事ではない」
理由を述べるとアカメはあえて透明になれるはずのリゾットのことをザンクに言わなかったがリゾットの方に視線を送る
リゾットもまたその視線の意味に気付く
(俺がもし裏切って透明になっても戦える...そういう意思を感じるぞ、アカメ)
「...そおいやぁ、昔いたなそんな奴、確か100人斬りのブラートだったっけか?...スタンド使いじゃ無けりゃぁ敵は居ないと思っていたが、即死攻撃の刀もあるし厄介ねぇ、もう一人は両腕が使い物にならないとは言え、予測不可能の内部攻撃を仕掛けてくるしなぁ~、それに刺された傷からはもう血が出てないようだし...」
ザンクはリゾットの思考を読んでサヨに刺された傷口をふさいだことを知る
それはリゾットに肩を回した時にアカメも気づいたことでもあった
リゾットは脇腹の傷口を空気中の鉄分を集め塞いでいたのだ
「う~ん、片方(リゾット)は手負いとはいえ、さっすがに2対1はきついしなぁ、サヨはもう使いものにならないし...決めた、アカメ...お前にしよう...『シックス・センス』」ブウン
「サヨ...!?あそこに倒れているのは、まさか!?あの時、死んでいたタツミの元仲間のサヨか!」
倒れていたサヨは伏臥位の体勢で倒れていた為、顔が見えなかったのだ
「詳しいことは後だ、奴が何か能力を発動しようとしている!それも...アカメお前に対してだ!!」
2人がそうこうしているうちにシックス・センスは親指と人差し指をLにし、親指を人差し指の先端、人差し指を親指の先端つけ□にし、アカメがその中に入るようにポーズをとる
するとザンクはスペクテッドの幻視の能力を使いアカメがもっとも愛する者の姿を、その目の前に浮かび上がらせる
「!?」
するとその幻影はシックスセンスの□の中へと吸い込まれ、全部が中に入るとその□が人の身長ぐらいの大きさへ変化するとその□はドアへと変化する
するとドアの取っ手がゆっくりと回り始め、ドアが開く、ドアの隙間からこの世の物とは思えない、空気が漂い、アカメとリゾットは冷や汗をかき、後方へと少しだが後ずさる
その瞬間、開きかけのドアの向こう側から声がした
「お姉ちゃん...」
「!?」
その声を聞きアカメは硬直し、リゾットはドアの方を直視し、ザンクは不敵な笑みを浮かべると、ドアが完全に開き、中からアカメに似た少女が現れた
「やっぱり、お姉ちゃんだ」ニコ
「ク、クロメなのか?」
目の前には笑顔でアカメに語り掛けるその少女を見てリゾットが見た事もないアカメの驚きの表情を見せる
「愉快愉快...第二ラウンドと行こうか」
スタンドが出したドアはアカメにも見えています、もちろんサヨとクロメも