リゾットが逝く!   作:ティハロック

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第8話 村雨とメタリカ

「なぜだ...ありえない...」

 

アカメは帝国に所属していた頃を思い出す

 

アカメにはゴズキという自分を父と慕わせ特殊訓練を施し、暗殺者に仕立て上げた男がいた

当時ゴズキは帝具 村雨を所持しており彼はアカメにこう言っていた

 

「村雨に斬られた人間はたとえかすり傷だろうと呪毒が入り心臓がある限り死に至る、だからなアカメ今までいないんだ...村雨に斬られて生きている奴は、まぁ斬られた部位を呪毒が回る前に斬られた手や足を切断すれば話は別だがな」

 

そしてその話を聞いた数か月後アカメは帝国を裏切り追ってきたゴツキを殺し村雨を手に入れた

 その後はナイトレイドで悪事を働く帝国のゲスどもをこの村雨で暗殺してきたからこそアカメは村雨のいや一斬必殺村雨の性能を誰よりも信頼しているだからこそ目の前の光景に目を疑った

 

「なぜ...死なないんだ」

 

アカメは自身の手によって村雨に斬られた目の前の男(リゾット)が数十秒経っても倒れないので不信に思っていた

そしてあることに気づくそう目の前の男は上半身の前の部分がほぼ裸だというのに呪毒が浮く気配すらないそれどころかピンピンしている

 

(この男、村雨に斬られておいて、何事もなかったかのように動いている、確かに右手首を斬った手ごたえはあった、今だって斬られた方の右手首を左手で押さえている)

 

アカメは表情こそ変えないが汗を流していた今まで村雨に斬られて生きていた人は居なかったからだ

腕や足を犠牲にした人は居たが目の前の男は五体満足でその場で動いている。

 

アカメが目の前の男がなぜ死なないかを考えていると

 

「一斬必殺村雨...所有者アカメ、確かに情報なしに斬られていたら確実に俺は死んでいただろう...」

 

突然目の前の男は声を出しアカメの村雨の能力を知っていることを話すそれを聞いたアカメは

 

「知っていたところで、斬られたら心臓が止まり死に至るはずだが...」

 

冷静に目の前にいる男の問いに刀を構えながら答える

 

「まあ、待て、俺はお前たちと戦うつもりなどはなからない...」

 

「......」

 

アカメは何か罠でもあるのではないかと男の敵意はないという言葉を聞いても戦闘態勢を崩さない

 

「...お前たちの狙いはこの屋敷の住人だろう?ならば俺たちが殺し合う理由はないしこの女(アリア)を殺したいなら殺せばいい...違うか?」

 

「え?」

 

アリアはリゾットの言葉に驚く

 

リゾットが敵意がないから争うのはやめようとアカメに問いかけたその時

 

「何言ってんだ!!リゾット アリアさんを見殺しにするっていうのか!!」

 

アリアを自身の背に隠しリゾットに短剣を向けながらタツミが叫ぶ

それに対しリゾットは

 

「はぁ...お前はその女の本性を知らないからそう言えるのだ...その女は罪のない人間を監禁し死ぬまでいたぶるクズだ」

 

リゾットは首を傾けため息を吐きながらタツミに真実を言う

 

「な!?」

 

タツミはリゾットの言葉に耳を疑う

 

「ウ、ウソよ...リゾットの言葉に騙されないで!」

 

「くっ!!」

 

タツミは頭を頭をかかえ考える

 

(リゾットは突然何を言い出すんだ...アリアさんがそんなことをするはずがないだろ...きっと何かの間違いだろ...そうだ、アリアさんは恩人なんだそれなのにリゾットはその恩を忘れ変な難癖付けやがって!!)

 

「俺はアリアさんを信じる、きっと何かの間違いだ」

 

「タツミ」ニヤ

 

タツミがアリアに罪はないとアリアを守ろうとリゾットやアカメに短剣を向けなおす

 その言葉を聞いたアリアは邪悪な笑みを向けてからタツミの名前を呼ぶ

その邪悪な笑みをリゾットは見逃さなかった

 

「タツミ...お前は正義感が強い奴だとは思ってはいたがこれほどとはな...」

 

リゾットは呆れながらもタツミの本気の目を見て本気で守ろうとしていることを悟る

 

「ならば、やはり、葬る」

 

アカメがタツミに斬りかかろうとした瞬間

 

 

 

 

 

 

メ       タ       リ       カ

 

 

 

「!?」

 

アカメの目の前に突然宙に浮くナイフが表れた

 

「悪いがタツミには触れさせん」

 

(ナイフが宙に浮いている? さっき突然姿を現した事といいこの男まさか帝具使い!?)

 

「これ以上は無駄に血を流すだけだ、もうやめにしないか...それにいるんだろう?アカメの後ろに立っている木の陰に」

 

リゾットはアカメの後ろの何本かあるうちの一本の木の方に指をさす、すると

 

「にゃははは、まさか気づいてたとはね、あんたなかなかやるね!」

 

そういうと木の陰からテヘっと舌を出しながら出てくるレオーネの姿であった。

その姿を見て一番驚いたのはタツミであった

 

「あー、あんた、あのときのおっぱ...!」

 

「そうだよ、美人のお姉さんだ♡」

 

そういうとレオーネはアカメがいる方向へ歩いて近づく

 

「なんだ、知り合いだったのか」

 

「ああ、前に話した泥棒だ」

 

「ああ、こいつが...」

 

リゾットはレオーネがタツミの金をだまし取ったと察した

 

「では、葬る」

 

アカメが剣を構えながら発すると

 

「待った」ヒョイ

 

アカメの後ろ襟を掴み後ろに引く

 

「何をする」

 

アカメはレオーネの行動に疑問を持つ

それに対しレオーネは

 

「この少年には借りがあるんだよ、返してやろうと思ってな...それに」

 

レオーネはタツミに笑顔を向けウィンクした後、リゾットの方を真剣な表情を向けアカメの耳元で声色を変え話す

 

「もう一人の方は得体のしれない何かやばい物を感じるんだ...まぁ野生の勘ってやつだな...このまま戦ったら最悪死ぬ...本当はアカメも勘づいてるんだろ?」ヒソヒソ

 

「......分かった...」

 

アカメはレオーネの言葉を素直に従い刀を鞘に納める

 

「それに」

 

レオーネは小屋の方に近寄る

 

「少年、お前「俺はアリアさんを信じる」なんて言ったが」

 

ガッゴォ

 

レオーネは錠前のついた分厚い扉を蹴り壊す

 

「これを見てもそんなことが言えるかな」

 

レオーネは真面目な顔をする

 

「見てみろ...あれが帝都の闇だ」

 

扉の中を除いたタツミは顔を引きつらせ絶望したかのような表情を見せる

 

「...な...なんだよ...これ!」

 

「地方から来た身元不明の人たちを甘い言葉で誘いこみ己の趣味である拷問にかけて死ぬまで弄ぶ...それがこの家の人間の本性だ...」

 

目の前には前にリゾットが見た同じ光景が広がっていたただ一つ違うのは...

 

「サヨ...」

 

地面に横たわり首から下を毛布で包まれたサヨの姿であった

 

「おいサヨ...サヨ.........!」

 

「知り合いもいたのか」

 

レオーネが腕を組みながら言うとアリアはコッソリと足音を立てずに逃げようとするも

 

「おい、どこにいくのだ?」

 

「きゃっ!!」

 

そう言いリゾットはアリアの髪を掴み、小屋の中へ放り投げる

小屋の中で倒れこんだアリアは絶望に顔を歪ませたタツミに助けを求める

 

「タ、タツミわ、私はこんな場所があるなんて知らなかったわ、タツミは助けた私とこいつ等どっちを信じるのよ!!?」

 

するとその時

 

「タ...ツ...ミ...」

 

「!?」

 

タツミは声のする方へ振り返る

 

「タツミだろ...おれだ」

 

「い...イエヤス!!?」

 

変わり果てたイエヤスの姿であった

 

「俺とサヨはその女に声をかけられて...メシを食ったら意識が遠くなって気が付いたらここにいたんだ」

 

イエヤスは涙を流す

 

「そ...その女が...サヨをいじめ殺しやがった!!!」

 

「う...ううっ...」

 

イエヤスは自身の不甲斐なさに泣くことしかできなかった

 

「なにが悪いっていうのよ!」

 

そういうとアリアは立ち上がり続ける

 

「お前たちは何の役にも立てない地方の田舎者でしょ!? 家畜と同じ!! それをどう扱おうがあたしの勝手じゃない!!」

 

アリアは開き直ったのか醜くゆがんだ顔で本性を表す

 

「だいたいその女、家畜のくせに髪がサラサラで生意気すぎ!!私がこんなくせっ毛でだから念入りに責めてやったのよ!! むしろこんなに目をかけて貰って感謝すべきだわ!!」

 

アリアは謝るわけでも、泣き叫ぶわけでもなくただ自分が正しいと当たり散らす

 

「善人の皮を被ったサド家族か...邪魔して悪かったなアカメ」

 

「葬る」チャキ

 

アカメは刀を構える

 

「待て」

 

唐突にタツミはアカメを止める

 

「まさか...またかばう気か?」

 

レオーネは睨みながらタツミに問う

 

「いや...違う...タツミ...お前...」

 

リゾットはタツミの表情を見て確信する

 

「俺が斬る!」ズドォ!!

 

タツミは短剣をアリアの方に振りかざす

アリアは胴体を真っ二つに斬られ血を大量に流し死んだ

 

それを一連の動きを見てレオーネは

「ふぅん...」(にくい相手とはいえためらわず斬り殺したか...)

とタツミの評価を改めて考える

 

「へへ...さすがはタツミ...スカっとしたぜ.....!ゴフゥ」

 

仇を取ってくれたタツミに礼を言った瞬間イエヤスは血反吐を吐いた

 

「!どうしたイエヤス!」

 

タツミはイエヤスに駆け寄る

 

「ルボラ病の末期だ...ここの夫人は人間を薬づけにしその様子を日記に書いて楽しむ趣向があった...ソイツはもう助からない」

 

アカメが真剣な表情でタツミの目を見て話す

 

「ッく! リゾットオ!!」

 

タツミはリゾットの方へ走って駆け寄りリゾットの顔面を一発殴りかなりの身長差のあるリゾットの胸ぐらをつかみこう続けた。

 

「お前、知ってたんだろ!!なんで言わなかったんだ、サヨが間に合わなくてもイエヤスはまだ間に合ったかもしれないだろ!?」

 

「............」

 

タツミはリゾットの胸ぐらを強く握りしめ怒りの声をリゾットに向ける

それに対しリゾットは反撃するわけでも反論するわけでも殴り返すわけでもなく只々じっと表情を変えず黙っているだけだった

 

「なんとか言えよお!」

 

タツミが再びリゾットの顔面を殴ろうとしたその時

 

「タツミやめろお」

 

ピタっ

 

イエヤスが叫ぶと同時にタツミの拳がリゾットの顔面をスレスレで止める

 

「イエヤス?」

 

タツミはイエヤスの方に泣きそうな顔を必死に堪えながら向ける

 

「リゾットは何も悪くないんだ!!リゾットはロープで吊るされてたサヨを開放してくれたんだ、俺を病院まで連れて行こうとしてくれたんだ」

 

イエヤスは顔をぐじゃぐじゃにし泣きながら本当のことを話した

 

「だったらなんで!!」

 

タツミも納得いかないのか泣きながら叫ぶ

 

「俺がいいって言ったからだ!!」

 

「!!!?」

 

「どっちにしろ俺の命は助からないだから...タツミと一緒に逃げてくれって言ったんだ、リゾットも約束してくれたんだ!!」

 

「くっ!!?」

 

その言葉を聞くとタツミはリゾットの胸ぐらに掴んでいた手を放しリゾットに背を向ける

 

「それ...にな、タツミ、サヨは...最後まで屈しなかった...カッコよかったぜ」

 

タツミはイエヤスの方へ駆け寄り、肩に手を回す

 

「それと...リゾット...」

 

リゾットはイエヤスの方を真剣な眼差しで見る

 

「出会いは最悪だったけど、お前のこと嫌いじゃなかったぜ」

 

その言葉にリゾットは悲しそうな表情をしイエヤスに背を向けこう言った

 

「ああ...俺も...嫌いじゃあなかった...」

 

「へっ...ありが...とな...タツ...ミ...もげん...き…で…な..............」

そう言い終えるとイエヤスは息を引き取った。

 

「もう...気力だけで持ってる、状態だったな」

 

アカメは悲しそうにつぶやく

 

「......どうなってんだよ帝都は...」

 

「行こう」

 

アカメは振り返りレオーネにアジトに帰るよう言うするとレオーネが思いもしない言葉を発する

 

「なー、あの少年持って帰らないか?」

 

「ん?」

 

「アジトは常に人手不足だ、運や度胸...才能もあると思わないか?」

 

レオーネはそう言うとタツミの後ろ襟を掴み引きずる ズルズルズル

 

「離せ!俺は二人の墓を!」

 

タツミは自身の後ろ襟を掴むレオーネの手を掴み必死に抵抗する

 

「ああ 遺体は私が後でアジトまで運んでやるから安心しろ」

 

「ハア!?」

 

「あっもちろんお前にも来てもらうぞ リゾッtってあれ?」

 

「!?」

 

レオーネがリゾットがいるであろう方向へ顔を傾けるとそこにはリゾットの姿はどこにもなくアカメも突然消えたリゾットに驚きが隠せない

 

(気配もなく、消えるとは...やはり、あの男...只者ではない...)

 

アカメは一瞬の内に消え去ったリゾットを脅威に感じる

 

「リゾット...ますますアジトに引き入れたくなった」

 

アカメとは逆にレオーネはリゾットに興味をいだき絶対にアジトに引き入れると心に決める

 

「でも今は...ここにいても仕方ない、行くぞアカメ」

 

「ああ」

 

そういうとレオーネは暴れるタツミを抱え、アカメと一緒に走り去っていった

 

「..........」

 

「行ったか...」

 

リゾットは透明化を解除する

実はリゾットはアカメやレオーネの目を盗んで逃げたのではなく小屋の中で透明になり息を殺してアカメたちが居なくなるのを待っていたのである。

 

(アカメたちの反応や屋敷の住人たちを暗殺するのを見て確信したやつらはただの殺し屋や集団ではない何かもっと大きな組織に組みしているのかもしれんな、だとしたらしばらくの間はタツミも無事でいられるだろう...それに)

 

そう考え終えるとリゾットは村雨につけられた傷を見つめる

 

(本当にあの時は肝を冷やしたぞ)

 

リゾットはポケットに入っている剃刀を4~5枚取り出す

 

(村雨に斬られた瞬間、傷口周辺の血をメタリカで剃刀に変えることが出来た、そのおかげで呪毒は俺の体ではなく剃刀の方へ模様が浮き出た...本当につくづく思うぞ、能力との相性というやつを俺のメタリカでなかったら、もう少し傷が深かったら死んでいただろうな)

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

「まあいい...取りあえず警備隊もそろそろ来る頃だ...ここを出るとしよう...」

 

リゾットは再び姿を消し屋敷から出て行った...

 

 

 

 

 

 

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