登校中の聡美。
途中で翔一と合流した。
「おはよう、鹿島くん」
「おはよう、吉崎さん」
「この間は勝手に帰ってごめん」
「いや、気にしてないからいいよ。それにしても、君って速いんだね」
「クリプトン人だからね。よくわからないけど」
「そのスーパーパワーをさ、もっと世の中に役立てない?」
「うーん……私は普通の生活がしたいんだけど」
「そっか。俺はいいと思ったんだけど」
交差点に差し掛かる。
信号は赤だ。
歩いている二人は立ち止まる。
その時、赤信号を無視して交差点に進入する暴走車と、その後ろを追いかけるパトカーが一台。
このままでは大惨事になりかねない。
「ちょっと行ってくるよ」
聡美は猛スピードで飛んで暴走車の前に先回りして降り立つ。
暴走車はブレーキをかけず、聡美に突っ込む。
聡美は右腕一本で暴走車を停止させた。
車の前部が凹んでいる。
運転手の男が降り、逃走する。
「君、やつを止めてくれ!」
パトカーから降りてきた警察官が聡美に言った。
聡美は逃走する男を追いかけた。
「待ちなさい!」
うなじを掴み、男を止める聡美。
「現行犯逮捕だ!」
警察官が男を逮捕した。
「ご協力感謝します」
「いえ」
そこへ翔一が遅れてやって来る。
「すごいね。車が潰れてるよ」
「なんでこんな力が。普通の生活を送りたいのに」
「スーパーマンのファンブックに地球を照らす太陽の光でクリプトン人はスーパーパワーを得るって書いてあったよ」
「クリプトン星ではどうなの?」
「クリプトンの太陽は赤色惑星だからパワーは出ないって」
「あなたってスーパーマンが好きなのね」
「スーパーマンは俺の憧れのヒーローだよ。もちろん、君もね」
「怖くないの?」
「怖い? 何言ってるんだよ。そんな人が友達だなんて最高じゃないか」
「変わってるね」
歩き出す聡美。
「待ってよ」
後を追う翔一。
やがて二人は学校に着く。
「吉崎さん、あれ」
翔一が屋上を指差した。
聡美が翔一の示した先を見ると、そこには今にも飛び降りそうな女子生徒の姿があった。
女子生徒は飛び降りる。
聡美は女子生徒の自殺を未然に防ぐため、落下している彼女を空中で受け止めた。
「え?」
女子生徒は自分の体を抱えて浮いている聡美を見て戸惑う。
「自殺なんかしちゃダメじゃない」
聡美は徐に着地して女子生徒を下ろした。
「悩みがあるなら聞くけど?」
女子生徒はいじめを苦に死のうとしたことを話した。
「いじめね……私がやめさせてあげる」
「そんなことしたらあなたまで」
「知ってる? 私、強いのよ」
聡美は超感覚で辺りの音を聞き分けた。
「あいつ死ぬの邪魔されてるわ」
「助けてもらう価値なんてないのに」
その二つの声の元に移動する聡美。
驚く二人の女子生徒。
「あんたたち、あの子いじめてるでしょ?」
聡美は自殺しようとした女子生徒を指す。
「なによ? なんか文句でもあるの?」
ガスン!
聡美はいじめをしている女子生徒の一人を殴り飛ばした。
壁に激突し、床に伏す女子生徒。
「え、えっと、ごめんなさい!」
もう一人の女子生徒は逃げ出した。
「これに懲りていじめはしないことね」
聡美は翔一の元に戻っていった。