宇宙世紀.0085年10月、コンペイトウ基地のルンガ沖
サラミス改級のブリッジではライアン隊長が模擬戦の様子を遠くから見守っていた。
《模擬戦のルールは簡単。先に相手をロックオンした方が勝ちだ》
《状況開始。模擬戦を存分に楽しめよ》
Eパック式ビームライフルを装備した3機のジムクゥエルが模擬戦を繰り広げていた。このビームライフルは、ガンダムTR-1ヘイズル、コンペイトウ所属のジムクゥエルが使用している事で知られている。
チャーリー中尉はマイクの後ろにピッタリついた。マイクを照準環(スコープターゲット)の中央に捉えていた。
「後ろを取ったぞ。どうだマイク」
マイクは機体を急速反転させた。マイクはフットペダルを踏み込み、機体を急加速させた。
「ロックオンさせてたまるか! 」
ホセ少尉は、不用意にもチャーリー中尉の進行方向に姿を現してしまった。チャーリー中尉は即座にロックオン、撃墜判定を下した。
「ホセ少尉 うかつだぞ。ちゃんとシミュレータで訓練したのか? 」
「はい。言われなくたって訓練してますよ」
「まったく、口うるさい上官だぜ。口をチャックしてくれよ」
「少尉、無駄なおしゃべりが多いぞ。無駄な動きもな」
マイクは岩の陰に入ってチャーリー中尉をやり過ごした。
「やっぱり デブリに入ってやりすごそうか」
無線からチャーリー中尉の怒鳴る声が聞こえた。
「やり過ごそうなんて甘い考えだぞ」
「バン。お前はこの瞬間に死んだ」
訓練から帰還後、マイクは愛機ジムクゥエルの調子をスパナを持つ女性メカニックに聞いていた。
「モビルスーツの調子はどう? 」
「悪くないわ。調子いいぐらいよ」
アレクサ軍曹は隊でも気の強い性格で知られている、歳は20代、身長は170cm以上で赤みがかかった髪が特徴の女性だ。
「チャーリー中尉にこっぴどく絞られたようね」
「ほら、あなたはすぐに顔に表情が出る。むすっとしない」
「はい、はい。アレクサの言うことはよくわかりましたよ」
ホセはアナハイム製の赤い自販機でコーラを3本買った。ホセはマイクにコーラを投げてよこした。
「ほらよ。俺のおごりだぜ。感謝しろよ」
マイクは投げられたコーラを無事にキャッチした。
「わざわざ買ってきてくれたのか。感謝するよ」
「次の模擬戦では絶対負けねぇからな」
「望むところだ。負けられない戦いになるな」
ライアン隊長はチャーリー中尉と訓練内容を話し合っていた。
「若い世代も育ってきたな。これからのティターンズを支える世代だ」
「ええ、若いやつは士気旺盛ですから。育てがいがありますよ」
「目標に邁進するやつも多いからな。やる気があるのは良いことだ」