さよならティターンズ(2部完結)   作:フォード2

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第13話 グラナダ名物 月面ピザ

 宇宙世紀.0086年3月、コンペイトウを出港したサラミス改級『セイロン』は、補給と隊員の有給休暇のために月面都市グラナダに入港した。

 

 サラミス級の乗組員には、当直を除いて1日の休暇が与えられた。乗組員とパイロットは大喜びでグラナダの街へと繰り出している。外出許可が出たマイクとホセは解放感あふれる表情を見せていた。

 

 ライアン隊長とチャーリーは2人に声をかけた。

「ホセ、マイク、休暇を楽しんでこい」

 

「くれぐれも喧嘩はするなよ。喧嘩は」

 

「隊長、俺が血気盛んな若者に見えますか?」

 

「ああ、元気があり余るほどにな」

 

 

 マイクは黒ズボンに青ジャケット、ホセは青いジーパンに緑のジャケットを着ている。

「マイク、名物を食って腹ごしらえしたいぜ」

 

「グラナダなんかに名物があるのか?」

 

「お前知らないのか? グラナダ名物といえば月面ピザだろ」

 

「ぼくは、月面都市に来たことがないから」

 

「俺は何回もグラナダに来たことがあるからな。おすすめのピザ屋があるんだ。案内するぜ」

 

 

 マイクとホセは赤い看板のピザ屋に入った。店内は人でこみ合っており、グラナダでも人気の店ということがわかる。席につくと赤毛の店員さんが銀トレイに載せた水を持ってきた。

 

 ホセはメニュー表をパラパラとめくっている。

「ピザは決めたが ドリンクは何にするんだ」

 

「コーラにする。炭酸は好物なんだ」

 

「店員さん、月面ピザとコーラを2人前」

 

 ホセはマイクに向かって得意げに言った。

「これがグラナダ名物の月面ピザさ」

 

「月面ピザはうまいだろう。しょっぱくないコーラもあるぜ」

 

「おかわりがしたくなるぐらいうまいよ」

 

 その時、ピザ屋に皿が割れた音が響き渡った。赤毛で気の弱そうな店員が「すみません」と店長と思わしき人に謝っている。店長らしき人は「もういい」と言って奥に入ったようだ。

 

「ホセ、基地から脱走したグナー大尉をどう思う」

 

「ガルバルディBに乗ってエゥーゴに逃げた人だろう」

 

「テストチームにビームライフルを向けたらしいな」

 

「エゥーゴのスパイに違いないよ。あの人は」

 

 

 マイクはホセの話をうなずいて聞いている。マイクはホセに前から気になっていた事を質問した。

「そういえば、ホセは地球のどこの出身なんだ?」

 

「俺は北アメリカ大陸のメキシコ出身だ」

 

「お前は軍を辞めたら何をしたいんだ」

 

 マイクは前から考えていたことを口に出した。

「ぼくは実家の農園で働こうと考えているんだ。農園でトウモロコシや小麦を育てようかな」

 

「俺は故郷でパン屋でもやろうと思っている。軍を辞めたら来いよ」

 

「必ず行くよ。アメリカからメキシコは近いから」

 

 

 

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