さよならティターンズ   作:フォード2

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第17話 ジム改を撃て

 北米を後にしたライアン小隊は、アフリカ大陸にあるキリマンジャロ基地に入った。4人は基地の食堂で食後のコーヒーを飲んでいる。

 

 午後1時にライアン小隊はミデアに乗り込んだ。いつもと違う事はモビルスーツがハイザックという事と、特殊部隊が乗り込んでいるということだ。

 

 ライアン隊長は輸送機『ミデア』の中で任務の内容を説明している。

「今日は、連邦軍から提供された情報を元に反連邦政府組織の拠点を制圧する。敵の戦力は少ないが油断するなよ」

 

 ミデアから降り立った4機のハイザックは反政府運動の拠点に向けて足を進めていた。彼らは到着までの暇つぶしにハイザックについて語りあった。

 

「マイク、ハイザックの調子はどうだ? 」

 

「ジムクゥエルより操縦はしやすいです。操縦性も癖がなくて、素直に反応しますね」

 

「隊長、それにしても360度スクリーンは慣れませんよ。ジムとはコックピットが違うので違和感しかないです」

 

 ライアン隊長は頭をかきながら「私もシミュレータで練習はしたんたが自信ないな」と言った。

 

 ライアン隊長は小隊のメンバーに意見を聞いて回った。

「チャーリー中尉、ハイザックに乗った感想はどうか?」

 

「俺はジムを乗り継いで来ましたから。まるでザクに乗っている気分です」

 

 

「ホセはどうなんだ? ハイザックに乗るのが嫌なんだろう」

 

 ホセは不満たらたらといった表情をしていた。

「隊長、自分はティターンズがハイザックを使う理由が分かりません」

 

 ライアンはホセを諭すように真面目な顔で言った。

「ハイザックはコストパフォーマンスが良い。安く作れて数を揃えられるモビルスーツは戦力を増強できる」

 

「我々にはハイザックのような多用途任務をこなせるモビルスーツが必要だったのさ」

 

 

 

 

 ライアン小隊は岩影に隠れながら偵察を行った。反連邦政府組織が拠点にしている村には民間人もいるようだ。ライアン隊長は迅速に鎮圧を行い、よけいな犠牲を出さないようにと訓示を出した。

 

 マイクはモビルスーツの数が情報部の情報よりも少ないことを気にかけていた。彼はあと1機はどこにいるのだろうかと疑問を抱いている。

 

「情報ではモビルスーツは3機のはずだが、後の1機はどこにいるんだ」

 

 ハイザックはビームライフルを構えた。ハイザックはビームライフルの銃口をジム改へと向けている。 一発でモビルスーツを破壊しようと狙撃を試みているのだ。

 

「チャーリー、ジムを狙撃できるか? 」

 

「隊長、やって見せますよ。見ててください」

 

「ジェネレータに当てるなよ。ドカンと爆発するからな」

 

 チャーリー中尉は必ず当たると信じて引き金を引いた。ビームはジム改の腕をピンポイントに破壊した。ジムは機体のバランスを崩しながら地面に倒れこんだ。

 

 僚機のジム改はジムマシンガンを構えたが、ザクマシンガン改による直撃を食らっている。 ハイザックは地面に120mm弾の薬莢をばらまきながらマシンガンを連射した。

 

 

 

 マイクは急速に接近する機体をレーダーに捉えた。彼は白色のハイザックをモニター越しに確認した時、自身の目を疑った。あるはずのないモビルスーツがそこにいたからだ。

 

「なぜ、ハイザックがここにいるんだ」

 

 白いハイザックはジムマシンガンを連射しながらマイクに接近してきた。マイクはヒートホークをブーメランのように投げ、ハイザックを牽制した。

 

「最新の機体が流失しているだと。連邦軍に裏切り者がいるのか? 」

 

 マイクは接触回線でチャーリー中尉に話しかけた。

 

「中尉、ハイザックが逃げます。追いますか? 」

 

「隊長は追うなと言っている。後は連邦軍に任せるらしい」

 

「ええい、中途半端なことを」

 

 ハイザックは対した抵抗を見せずに村から立ち去った。ライアン隊長は連邦軍の一般部隊に任せても大丈夫だと判断した。ハイザックはここから遠くには逃げられず、1機だけではろくな抵抗もできないはずだと考えたのだ。

 

 

 

 

 

 ケプラー製ヘルメットを被り、防弾チョッキを着たアルファの隊員が壁を遮蔽物にしながら接近中。正面からは6輪装甲車に乗ったデルタの隊員が村に近づいている。

 

《こちらアルファからデルタへ。突撃を開始する》

 

《こちらデルタ。了解した》

 

《アルファ部隊は前へ、一気に村を制圧する》

 

《了解。突撃を支援する》

 

 壁から身を乗り出したアルファの隊員が『M72A1』プルバック式アサルトライフルを連射し、攻撃を開始した。後方からは体に給弾ベルトを巻き付けた隊員が『M299』機関銃を撃ちまくっている。

 

「武器を持った村人は敵だ。武器を持たない村人は民間人だ」

 

 指揮官と思わしき人が手信号で合図をした。アルファ隊員が旗を掲げた建物にスタングレネードを投げ、機関銃で内部を制圧している。犠牲者が出ようと知ったことではない。

 

「我々はティターンズだ。手をあげろ」

 

《クリア。建物の制圧完了》

 

 反連邦政府組織は、建物の窓から機関銃を連射し、ロケット弾をデルタの装甲車に発射している。デルタの隊員は84mm無反動砲で建物をぶっ壊した。

 

《あのうるさい機関銃を黙らせろ》

 

《了解。建物をぶっ飛ばします》

 

《クリア。機関銃を排除》

 

 アルファの隊員はライフルを構える村人に銃口を突きつけた。アルファとデルタの隊員は『M72A1』ライフルで抵抗する村人を片っ端から排除しながら村の調査を続けている。

 

《アルファ、デルタ共に村の制圧を完了した》

 

《よくやった。村の調査を続けろ》

 

 

 村にいる民間人は突然の出来事にびっくり仰天。村人には腰を抜かして地面に倒れこんだ人や「ティターンズは帰れ」と叫ぶ村人もいた。

 

 ティターンズの隊員は吐き捨てるように言った。

「誰が地球の平和を担保していると思っているんだ」

 

「何も知らない村人どもめ」

 

 隊長は制圧部隊の指揮官に作戦の終了を告げた。村人の制圧部隊に対する感情も良いとは言えず、これ以上の長居は不要だと判断したのだ。

 

「ライアン大尉、そろそろ調査を終えるのが妥当だと進言します」

 

「拠点制圧作戦を終了する。今回は味方に犠牲が出なくて幸いだったな」

 

「だが、神を信じる狂信的な集団には通用しないぞ。連中は死を恐れない。自爆攻撃もいとわないからな」

 

 

「ええ、あの集団の思想は理解できません。死を恐れぬ過激派は滅んでほしいものです」

 

 


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