ハイザックはザク譲りの高い操作性を誇っている。
ハイザックは、ビームライフルとビームサーベルを同時に使用できない問題を抱えていた。これはタキム社ジェネレータの相性がジオン系モビルスーツとは合わなかったからである。
ライアン小隊は、後方の基地からミデアに乗って出発した。小隊はアルジェリアの砂漠の中をハイザックで歩いている。
マイクはハイザックのコックピットの中で「気温20度、今日はいい天気だよ」とつぶやいた。
マイクは村まで歩く作戦をめんどくさいと感じていた。彼らはミデアを降りてから20分以上も砂漠の地面を歩いていた。
「隊長、敵の所まで輸送機で行きましょうよ」
「マイク お前は地対空ミサイルに撃墜されたいのか」
「いえ、そういう訳ではありません。めんどくさいと思いまして」
「作戦を成功させるためには歩くしかない。奇襲攻撃を成功させるためには」
ライアン小隊はティターンズに所属する部隊と合流した。ルイス小隊との合流ポイントに着いたのだ。ルイス隊長はジムスナイパーⅡ、トムソン中尉とジョンソン中尉はジムキャノンⅡに搭乗している。
マイクはモビルスーツを前に興奮していた。そう、彼はモビルスーツマニアなのだ。
「ジムスナイパーはかっこいい。遠距離から狙い撃てるんだな。ジムキャノンも頑丈そう。後ろから援護してくれる心強い味方だよ」
ティターンズが掃討する目標は丘の下にあった。民族解放戦線以外は誰も住んでいない村。民間人を巻き込む心配や、余計な犠牲を出さないことを一切気にしなくてもよいターゲット。
村の建物は日干しレンガで建てらている。中央に道路があり、両端には平屋の建物が建ち並んでいる村だ。ヤシの木の影にはジオン製のモビルスーツも見え隠れしている。
《作戦開始時刻だ。各自 時計会わせ》
《村に突撃する。敵モビルスーツはすべて破壊しろ》
《了解。有効射程に入った敵から攻撃します》
村の方では急いでモビルスーツを立ちあげていた。デザートカラーのモビルスーツが5機以上ある事が視認できる。モビルスーツの無許可保有は犯罪に値する。法律に違反する行為だ。
チャーリーがロングライフルを構えている。中尉は突っ立ったまま動かないザクに照準を合わせた。戦場では止まった者から撃たれる。
「ターゲットのザクを確認。狙撃する」
2機のドムがボバー走行をしながらティターンズの部隊に接近している。いずれも武装は90mmのMMP-80マシンガンだ。ドムは機動力を生かしながらティターンズの攻撃を避けつつ、クラッカーを投げた。
「閃光弾だ。何も見えないぞ」
「ホセ うろたえるな。センサーを使え」
「了解、サーモグラフで赤外線を探知します」
やつらはティターンズを全く恐れていない。恐れるどころか、余裕がある動きを見せつけている。やつらは死というものを恐れていないのだろうか。
2機のドムはボバー走行をしながら90mmのMMP-80マシンガンを連射していた。ホセは120mmのザクマシンガンで撃ち返しているがあまり威力がない。基本設計が古いザクマシンガンでは打ち負けるのだ。
ドムはスパイクシールドでハイザックを殴り付けた。打撃攻撃はホセ少尉の頭を大きく揺さぶっている。ハイザックはオートバランサーによって転倒を免れたが、ホセの視界はふらふらと揺らいでいた。
「くそっ、コックピットがへこんだ」
「狙撃班、聞こえているか? ドムがジムキャノンの方に行ったぜ」
ルイス大尉は無線で「こちらスナイパー1、ドムを狙撃する」と即答した。
(第20話に続く)