さよならティターンズ   作:フォード2

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第21話 アルジェリアの戦い(2)

 ハイザックはザクから奪ったザクマシンガンを両手で構えた。マイクは前進しながらマシンガンを連射している。

 

「ガトリング砲はもう使えない。ザクキャノンを戦闘不能にするぞ」

 

 マイクはありったけの弾丸をザクキャノンに叩き込んだ。ザクマシンガンの装填数は100発以上と多いが、威力が弱いのが難点だ。

「これで終わりだ。覚悟しろ」

 

 

 ライアン隊長は隊長機のゲルググと交戦していた。ゲルググはヒートホークで接近戦を仕掛けている。ライアンはヒートホークにシールドを真っ二つにされたが1歩も後ろに退いていない。

 

「このゲルググ、気合いがあるパイロットが乗っているな」

 

「おそらく、以前はザクに乗っていたのだろう。ヒートホークを使いなれているな」

 

 だが、ライアンは負けられないと歯を噛みしめた。なにしろ、原隊送り(出戻り)になったら嫁さんと子供を食わしていけない。連邦軍の給料は遅れがちでティターンズのように高給ではないからだ。

 

 ライアンはゲルググが降り下ろしたヒートホークをビームライフルで受け止めた。たちまちに、ライフルのEバックが爆発した。その隙をついたハイザックはヒートホークを何回も何回もゲルググの頭に降り下ろした。

 

「ゲルググに負ければ部下にも示しがつかない」

 

「メインカメラを破壊すれば戦闘はできないはずだ。モニターが映らないからな」

 

 ゲルググのパイロットは手をあげて降伏した。ライアンは条約に乗っ取って降伏を了承。隊長はパイロット4人と女や子供を村の中央に集めた。村の捜索を邪魔されないためには1か所に集合させる必要があったのだ。

 

 

 村の子供はひどくおびえた表情をしている。突然、村を攻撃した軍隊に恐れを抱いているようだ。ライアン隊長は地球に残した家族の顔を頭に思い浮かべた。

 

「パイロットはキリマンジャロまで連行する。女と子供は解放だ」

 

「子供と女は解放してやれ。彼らに罪はない」

 

 

 ライアン隊長は、見せしめを目的に村を焼き払う命令を下した。上層部からも同じ命令が出ている。たちまちにライフルと弾薬が村の中央に積み上げられた。

 

「武器と弾薬はすべて焼き払え。バソコンや通信機器も没収する。情報を分析する必要があるからな」

 

 

 

 ライアン隊長はルイス小隊のルイス隊長、トムソン、ジョンソンに向けて敬礼した。

「ルイス小隊 ご苦労でした。任務は以上で終わりです」

 

「ライアン小隊は捕虜のパイロットを連れてキリマンジャロ基地に帰還する。一旦、丘まで後退だ」

 

 村の中央には戦闘機からナパーム弾が投下された。投下地点は炎と黒煙が空高く上がっている。ヤシの木も激しく燃え上がった。

 

 小隊は村を見渡せる丘から様子を見守った。あたり一面にガソリンの焦げ臭い匂いが立ち込めている。マイクはコックピットを開けて臭いを嗅いだ。ガソリン臭い匂いが鼻を刺激した。

 

 

 ティターンズが不法移住者の村を焼き払っている話はあまりにも有名だ。不法移住者は1年戦争のどさくさに紛れて地球に移住した人が多い。移民先のコロニーをジオンに破壊された人々は地球に住むことを望んだ。

 

 村を離れたライアン小隊は、キリマンジャロ基地で4人の捕虜とハイザックを降ろした。4人は輸送機のミデアでアラビア半島のアデン基地に向かい、HLVで宇宙に帰還した。

 


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