UC.0086年10月 ザンジバルの艦内で
ザンジバルはサイド1とサイド4があるラグランジュ5を周回していた。船はエンジンを止めて周回軌道に乗っている。
艦隊はザンジバルとムサイだけになった。ティターンズのジオン残党狩りは年々厳しくなっている。
ティターンズは小惑星や廃棄されたスペースコロニーに監視の目を光らせ、ジオン残党を根絶やしにしようと試みているのだ。
エルガー達は、スペースコロニーのシンパから資金援助を受けていた。そのお陰で今でも戦い続けることができていた。だが、ジオン残党を取り巻く状況は悪くなる一方だ。
「同志のジャンク屋からモビルスーツの部品とオイルを買っているが、それもいつまで続けられるかわからん。ティターンズに見つかればおしまいだ」
エルガー中尉はモビルスーツの整備に頭を悩ましていた。ゲルググはところどころ塗装が剥がれており、装甲にもへこみがある。お世辞にも整備状況は良いとは言えない。
「統合整備計画対象機のリック・ドムⅡ、ザク改は部品の融通が効くから整備が楽だが。ゲルググイェーガが手に入れば文句なしだ。ゲルググは部品の共有ができないからな」
ユリウスはエゥーゴへの合流を提案した。エゥーゴの話はジオン残党の間にも知られている。エゥーゴはティターンズに対抗できる唯一の反連邦組織だと噂が広まっていた。
「エルガー隊長、我々もエゥーゴに合流しましょう。エゥーゴには我々のようなジオン残党も数多く加わっていると聞きます」
「エゥーゴか。スペースコロニーにいる同志からも同じ事を言われたよ。エゥーゴに参加したらどうだってな」
レイズナーが口を開いた。彼はジオン共和国の姿勢に幻滅し、ジオン残党に参加している。
「私もユリウスの意見に賛同であります。エゥーゴはスペースノイド寄りの組織ですし、反連邦政府の姿勢も我々と一致しております」
「同志レイズナー。お前の言うとおりだ。エゥーゴはティターンズに対抗できる唯一の組織だ」
エルガー中尉は胸のうちを吐き出した。彼はアクシズに対する失望感をあらわにした。
「この際はっきり言おう。私はアクシズに失望した。私はアクシズがジオン残党を回収する事態を待っていた。だが、我々の希望であるアクシズはいつまで待っても来ない。我々はアクシズから見放されたんだ」
「私はアクシズの帰還を待たない。エゥーゴに合流する。エゥーゴから支援を受ければティターンズとも互角に戦えるんだ。我々はスペースノイドのために再び立ち上がらなくてはならない」
レイズナーとユリウスもエルガー中尉の考えに賛同した。
「我々も宇宙にいる同志のために戦いましょう」
「その通りであります。ファシストであるティターンズの支配を許してはなりません」
「同志達、続きは食事をしながら議論といこうか」
エルガーは今日もジャガイモ、明日もジャガイモだと思いながらジャガイモのピューレを食っていた。ユリウスとレイズナーはそれだけでは足らぬとエナジーバーにかじりついている。