さよならティターンズ(2部完結)   作:フォード2

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第15話 ヘイズル

 宇宙世紀.0087年、ゼダンの門のモビルスーツデッキで1人のパイロットとメカニックが話し込んでいた。ライアン大尉は、3年以上乗機の整備を担当しているメカニックに絶対の信頼を置いている。

 

「ジムクゥエル改では力不足だな。私に合う強いモビルスーツはないものか? 」

 

「それなら大尉にぴったりのモビルスーツがあります。ヘイズル改はいかがでしょうか」

 

「ヘイズル改があるのか? コンペイトウT-3部隊が関わったモビルスーツがここに」

 

 2人は第2モビルスーツデッキに向かった。そこには乗り手のいないヘイズルが直立不動の状態で鎮座していた。ティターンズカラーで塗り固められたモビルスーツは人々に何を語るのか。

 

「ガンダムに乗れると思うと感慨深いな。1年戦争からずっと憧れのモビルスーツだった。ガンダムはパイロットにとって」

 

「ヘイズル改は少量生産されたモビルスーツです。もっとも、フレームはジムクゥエルの物を使用していますが性能は比べ物になりません」

 

「すばらしい。上に乗機として申請しよう。正式な許可が出るまではテスト飛行と称して乗ればいいさ」

 

 

 

 数日後、ライアン小隊は訓練を行った。隊長機のヘイズル改と、マイクとホセが搭乗するバーザムの慣らし運転を兼ねてである。

 

 バーザムはニューギニア基地で開発が行われ、地球のキリマンジャロ基地で生産されていた。現在はゼタンの門に運び込まれている。

 バーザムはガンダムMk.2開発で培った技術を活用しているが、その面影はどこにも見当たらない。むしろ、その外観はジオン系モビルスーツと呼ぶのがふさわしいだろう。

 

 ライアン隊長はヘイズルの加速のよさに感心した。脚部のスラスターは機動力の大幅な上昇と瞬発的な動きをもたらしている。現にチャーリー中尉のジムクゥエル改はヘイズルの動きに追い付いつけてない。

 

「加速は素晴らしい。私はヘイズルの性能を出しきれるだろうか」

 

 マイクはバーザムの見た目に戸惑っていた。ティターンズがこれまでに運用したモビルスーツとはまったくデザインが異なるのだ。しかし、その独特のデザインを除けばバーザムは素晴らしいモビルスーツだった。

 

 シールドとビームライフルが一体化した武装は取り回しが良かったが、ジェネレータ直接式は経戦能力に不安がある。マイクはEパック式ビームライフル(ヘイズルと同系統)やティターンズ汎用ライフルを携行しようと考えていた。

 

ヘイズルはデブリに身を隠しながらバーザムの動きを観察していた。バーザムはモノアイは右や左に動かしながら周辺の動きを探っている。ライアンはライフルのターゲットをバーザムに定めた。

 

その時、ヘイズルのコックピットに警報音が鳴り響いた。ホセが乗ったバーザムがヘイズルに接近している。ホセはグレネードランチャーからスモーク弾を発射、ヘイズルから一時的に視界を奪った。

 

ライアンは赤外線センサーに3機の機影を捉えた。ビームライフルをバーザムに向けるが、当たらない。2機のバーザムとジムクゥエル改が一斉にヘイズルに襲いかかる。

 

ヘイズルは3機のモビルスーツを相手にする破目になった。ライアンはペダル操作に忙しく、攻撃まで手が回っていない。

 

 

 

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