コロニーレーザー戦後、ティターンズの生き残りに対する視線は厳しくなる一方だった。連日、テレビや新聞などのマスコミはティターンズ関連の話題を取り上げている。ティターンズはエリートから一転し、世間から非難される存在となった。
ライアン小隊は4人のうち3人が生き残った。終戦後は、3人全員が取り調べを受けている。マイクは4年ぶりに連邦軍のグレー色制服の袖を通した。
今、マイクの目の前には連邦法務局の法務官が座っている。法務官はファイルをめくって彼の経歴を調べていた。取り調べ室は椅子と机だけがある殺風景な部屋だ。
「君の経歴をざっと調べた。特に問題がある作戦に参加した記録はないな。君は罪に問われることをしていないんだよ。ただ、ティターンズに所属していた経歴が君のキャリアに悪影響を及ぼすことになる」
「君が望むのであれは連邦軍への復帰も可能だろう。まあ、復帰したとしても原隊に戻るのは難しい。アフリカあたりに飛ばされるかもしれないな」
マイクは4年間の任務をしみじみと思い出していた。ライアン小隊でのかけがえのない日々が懐かしく感じる。マイクは記憶をたどりながら4年間の出来事を語り始めた。
「私はティターンズの一員であることに誇りを持っていました。地球圏の治安維持にあたる自分を誇らしく思っていたのです。でも、今は組織の実態を知って揺れています」
「マイク、自分を攻める必要はない。責任は作戦を立案したバスクにある。まぁ、責任をとるべき上層部はこの世にはいないがな」
「実はな。毒ガスに関わった隊員は片っぱしから軍事法廷にかけられている。任務の内容次第では極刑もあり得るという話だ」
マイクは4年間の任務を大まかに語った。元軍人の法務官は黙って話を聞いていた。最後にマイクは不安そうな表情で法務官に尋ねた。
「私は連邦軍に戻れるのでしょうか? 」
「後日、判断が下される。果報を信じて待てばいい」
法務官が部屋を出るときにふと言葉をもらした。
「君は穏健派で知られるコンペイトウ所属だったな。バスクの部下でないのが幸いだった」
2日後、マイクは独房から廊下に出された。マイクは軍の将兵に連れられて法廷に向かった。
法廷には審問長と、例の法務官がいた。マイクは被告席に誘導されてから、手錠を外された。法廷は形だけのもので、判決はすぐに下された。
「マイク中尉には赴任先の指示があるまで自宅待機を命じる。これにて閉廷」
マイク中尉は荷物をまとめて軍の建物を出た。彼は最寄りのレンタカー屋でエレカー(EV)を借りて実家に向かった。
マイクは久しぶりに両親と会った。実に4年ぶりの再会だ。彼の両親は無事を喜び、そして涙した。
2週間後、マイクの実家に連邦軍から通知が届いた。新しい赴任先はアフリカ方面軍、彼の新たな戦いは始まったばかりだ。
(2部完)