さよならティターンズ   作:フォード2

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第4話 不死身と呼ばれたやつ

 ライアン小隊は調査のために廃コロニーに向かった。サラミス改級『セイロン』からは4機、アレキサンドリア級『アル・ギサ』から3機のジムクゥエルが発進している。

 

 廃コロニーの入り口からザクとリック・ドムが姿を表した。 廃コロニーがジオン残党の拠点になっているという情報はどうやら本当だったようだ。

 

 ザクは120mmのザクマシンガン、リック・ドムは90mmのMMP-80マシンガンを装備していた。ジオンはライフルの銃口をこちらに向けており、敵対意識がある事は明らかだ。

 

 ライアン小隊の面々にも緊張感が高まった。マイクとホセが緊張して顔が強ばっていたのに対し、ベテランのライアンとチャーリーは余裕がある表情をしていた。

 

 マイクは思わず言葉を口走ってしまった。

「うあっ、敵だ。ジオンがいるぞ」

 

「マイク、それぐらいでうろたえるな! 」

 

「チャーリー中尉、以後は気をつけます」

 

 

 モンシアはジオン残党が動かない事にしびれを切らした。彼はマイクとホセに命令した。

「お前ら、スペースノイド共にぶっぱなせ!」

 

「了解しました。モンシア中尉」

 

 マイクはコックピットの中で「まだ、攻撃が当たる距離ではないのに」と文句を言った。

 

「これは命令だ。わかっているだろうな。ホセ少尉は了解したぞ」

 

「マイク少尉、モンシア中尉の指示に従います」

 

 マイクはモンシア中尉の要求に答え、ジム2用のビームライフルを放った。彼はモンシア中尉の意図が分からないという理由で不服の態度を示したのだ。

 

 

 モンシア中尉は「覚悟しやがれ、ジオン共」と言いながらジオン残党に突っ込んで行った。ジオン残党は、まるでモンシアを誘い込むようにコロニーの反対側に移動を開始した。

 

 モンシア中尉は一人でジオン相手に先行している。アデルとベイトはモンシアを引き留めようとしたが無駄だった。

「逃がすかよ。宇宙人ども」

 

「ジオンなんていうのは、もう時代遅れなんだよ! 」

 

 

 第6小隊のベイト隊長はモンシアの独断行動に呆れてしまった。

「モンシア、敵の作戦かも知れないぜ」

 

「あの人に学習機能はないんでしょうか? 」

 

 

 

 

ライアン大尉はチャーリー中尉に質問した。ライアン隊長は慎重な性格で知られている。

「チャーリー、奴らはジオン残党なのか?」

 

「大尉、認識コードからもジオンである事が明らかです」

 

 チャーリー中尉が敵機確認の報告をした。

「ザク F型を3機、リック・ドムを2機確認。残党は1時の方向にいる」

 

 ライアン大尉が小隊にすばやく指示を出した。戦いでは指揮官の指示が部下の命を左右する。指揮官のミスで部下が危険な状況に陥る事は少なくない。

「了解。小隊は前面の敵に集中しろ。各機散開」

 

 4機のジムクゥエルは一斉に散開した。マイクは、ザクにジムライフルを連射しているがいっこうに当たらない。ザクは左右に軌道を変えながら攻撃をかわしている。

 

 マイクは、ザクの乗り手は1年戦争を生き残ったパイロットだろうかと考えた。その証拠にザクはジグザグに機体を動かしながら攻撃を避けていた。

 

 ライアン大尉がマイクに助言を送った。

「あれはチェーンアップしたザクだな。見ればわかる」

 

「ザクが動く方向を予想して撃て。お前ならやればできる」

 

 マイクは右ペダルを踏みこみ、スラスターを吹かした。マイクはジムライフルを連射モードに切り替え、弾がなくなるまで連射した。90mm弾はザクの胴体に命中し、ザクは爆散した。

 

 マイクはコックピットの中で残念がった。

「腕の良いパイロットだったな。出てこなければやられなかったのに」

 

 

 チャーリー中尉は部下の成長を嬉しく思った。オレがシミュレータと模擬戦で鍛えたからだと自画自賛した。

「マイク、良くやったぞ。その調子だ」

 

「はっ この調子で尽力します」

 

 

 

 一方、ベイト隊長率いる第6小隊はリック・ドムと交戦していた。2機のリック・ドムは機動力を生かして小隊と戦っている。ジムクゥエルはジム・ライフルを撃って相手の出方を伺っていた。

 

 ベイト大尉が後ろにつかれたぞと注意した。

「モンシア、後ろにドムがいるぞ」

 

「んもっ、当たるかよ」

 

 リック・ドムはMMP-80マシンガンから90mm弾をばらまいている。モンシア中尉は、ジムクゥエルを半回転させて攻撃をかわし、ジム・ライフルを連射してリック・ドムを破壊した。

 

 モンシア中尉はリック・ドムを相手にドックファイトに入った。リック・ドムが8時の方向でマシンガンを撃ち、ジムクゥエルが2時の方向でジム・ライフルを発射している。

 

 

 その時、廃コロニーから緑色に塗装されたチベ級巡洋艦が姿を表した。チベ級はアレキサンドリア級とサラミス改級に向けてメガ粒子砲を発射している。連邦軍の動きを牽制しているようだ。

 

 チャーリー中尉が言葉をつまらせながら言った。その表情には汗が見られる。

「巡洋艦がいるとは聞いてないぞ。情報部め」

 

「それにしてもでかい船だ。そして火力もある」

 

 

 サラミス改級からライアン小隊に通信が入った。オペレーターは繰り返し小隊に帰還を呼び掛けている。

 

《モビルスーツは補給のために帰還せよ。繰り返す。補給のために帰還せよ》

 

 

 ライアン隊長は母艦に「帰投する」と返答した。そして部下にも今後の予定を伝えた。

 

「モビルスーツは補給のために帰還だ。我々はチベ級を追撃する」

 

「大尉、我々は追撃戦に移行するのか? 」

 

「中尉、そういうことだ。艦内で腹ごしらえをしておけ」

 

 

(5話に続く)


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