男の娘が冒険したって良いじゃない、寧ろしていけ   作:magunetto01

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第二話

月の都中心部にあるビルより徒歩五分の場所にあるビルに八意さんの自宅があり、そのリビングに置いてあるソファーで僕は寝たふりをしていた

 

(こんな無防備な姿を晒せばきっと本性を現すか何かしらしてくるはず。それが僕に害を成す事だったらさっさと逃げよう)

 

(……こんな事する必要あるのかなあ。この世界はあの腐りきった世界とは違う。男性は普通に街中を歩いてたし横暴な態度を取る女性も居なさそうだった。なら、この警戒ほ無意味なのかな)

 

そう考え起き上がろうとした時、八意さんが脱衣所から出てきてしまった

 

「あら、蒼夜……寝てしまったのね」

 

寝たふりを止めれない僕に近付き、暫くすると頬を軽く突っ付き始めた

 

「すっごい柔らかい……何時までも触っていたくなるわね」

 

(何故だろう……女性に触られてるのにあんまり嫌悪感が無いや。まともに人と接したのが久々だからかな。それとも八意さんだから?分かんないや。まあそれはそれとして、さすがに突きすぎでは?)

 

「ん……八意さん?」

 

「あら、起こしてしまってごめんなさい。貴方の頬がとても突き心地が良くって、つい」

 

「いえ、お気になさらず。寧ろ起こしてくれてありがとうございます」

 

起き上がって、少し話した後に八意さんが使っている寝室とは別の寝室を借りて寝た。その日は、久々に良く眠れた

 

 

 

 

 

三週間程経って、僕は永琳さん(と呼ぶようにお願いされたので仕方無く下の名前で呼んでいる)に薦められて軍の試験を受け、無事合格し軍に所属している。まあ軍と言っても対人じゃなく対怪異組織、昔で言う陰陽師……なのかな?それに近いんだけどね

 

「おやすみ、十六夜君」

 

「おう、おやすみ~」

 

寮の同居人、十六夜君におやすみを告げて僕の一日は終わる。起きれば身支度を整え訓練に精を出し、また眠る。一見すれば過酷そうに見えるけど、実際に訓練は結構きついけど休みの日はあるし前の世界に比べればそこそこ充実している

 

この世界に来れて良かった。ずっと、とまでは言えないけどできれば長く、続いて欲しい

 

 

 

 

「今日も異常無し。後は交代してもらって帰るだけだね」

 

この世界に来てから一年程経って。今の僕の役職は都市を囲む壁の外側の見張り役をしている。見張りと言っても妖怪が来ることなんて少ないから思わず欠伸が出ちゃうし、来たとしても知能の低い低級程度だし大したことないんだけどね

 

何時もの様に欠伸をしながら見張りを終えて後の人に交代を告げようと門に向けて歩き始めた直後、突然立っていられない程の強い揺れが起きて目を瞑って揺れが収まるのを待った

 

幸いにも揺れはほんの少しの間だけで直ぐに収まった。都市に異常が無いか確認しようと辺りを見渡すと──

 

「……え?」

 

何故か周りを岩に囲まれていた。いや、さっきまで都市を囲ってる壁があったよね?あの壁が一瞬で消えるなんて有り得ないし、だとしたら僕の方が移動した?でもそのタイミングは目を瞑ってた時だろうけど移動した覚えなんて無い。じゃあなんで……?

 

いや、今は原因を考えるよりもこの洞窟っぽい所から脱出しよう。かなり高温みたいでこのままだと熱中症を引き起こして倒れちゃいそう

 

 

 

 

 

どうにか脱出しようと移動し続けてる内に不自然なまでに広がる空間にポツンと剣が、赤く綺麗に煌めく大剣が地面に突き刺さっていた

 

「とっても綺麗……」

 

熱さも忘れて大剣を見続け、好奇心から大剣を引き抜こうと柄に手を掛けた、その瞬間。教会で鳴るような鐘の音が響き始める

 

「っ!?何!?」

 

耳元で鳴ったかのように大音量で鐘の音が響き咄嗟に腰に添えてある剣の柄に手を掛けながら後退り、辺りを見渡すも映るのは岩塊と赤い大剣だけ……何だったんだろう今のは。そっと近付き今度は慎重に柄に手を掛けた。その瞬間にさっきまでそこに有った筈の大剣が突き刺さっていた痕跡だけを残して完全に消えてしまった

 

「幻覚……って訳無いよね。確かに大剣はそこに有った筈なんだ」

 

ならば何処へ消えたのか?頭を捻って考えてみるも全く解らない。これは幾ら考えたところで分かりそうにないし切り上げてさっさと出口を探そう

 

──そういえばさっきから、正確に言えば大剣が消えた直後から胸の辺りが少し熱い様な……気のせいかな

 

 

 

 

 

出口を求めて三千里、も歩いては無いだろうけどそれなりには歩いて漸く日の光が見えた。出口だ

 

「ん~眩しい!」

 

体感数十分程しか経ってないけどあの蒸し暑い洞窟に居たせいか風が何時もの数倍気持ち良く感じる

 

涼しい風を全身で受けながら休憩がてら空を眺めていたら鳥が……いや、あれは本当に鳥?にしては大きすぎるような?

 

いやちょっと待ってあの鳥こっちに向かってきてる!?それに近くなってきたから分かったけど僕より軽く数倍はありそうなんだけど!?どうする?応戦するしかない!?と思ったけどやっぱり大きさ的に絶対無理ー!!洞窟に逃げ込む!!それしか無い!

 

慌てて踵を返して洞窟に転がりながら逃げ込むと同時に鳥が洞窟内に突っ込んできて何処かで突っ掛かったのか止まった。良かったあ、けど出口を塞がれちゃったな。別の出口を探すしかないのかなあ

 

そう考えてふとバチバチと聞こえて鳥の方を見たら口が大きく開けられていてその中に光るものが──

 

「え?」

 

瞬間、意識が途絶えた




東方要素が薄くなってクリプトラクト要素が濃くなっていく……と言うわけでクリプトラクト編です
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