男の娘が冒険したって良いじゃない、寧ろしていけ   作:magunetto01

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なんでティラノサウルスと再臨ケルベロスはあんなに心をへし折りに来る鬼畜難易度なんですか(満身創痍)


第六話

青服の紳士ビザールさんに見つかった後、夜のお茶会に招待されてメイディアさんの演劇やアルマさんの剣舞を観賞したりしてその夜を過ごした

 

蒼夜がその日見た夢は、昨日と同じく何もない景色の中で首無し騎士との戦闘を強いられる夢だった。時には首を斬られ、時には炎剣で叩き潰され、時には燃やされ……散々な死に方ばかりだが昨日と違う点を上げれば騎士の鎧の所々に罅が入っていることか

 

『──!』

 

炎剣が横凪ぎに振るわれ咄嗟に防御しようとした蒼夜だったが呆気なく破られ死んだ

 

再び騎士との戦闘直前の状態にまで巻き戻され再開される。距離を詰めて右腕を狙った攻撃は炎剣によって阻まれ押し返された所に即座に振り下ろしが来る

 

「ぐっ!」

 

振り下ろされる炎剣の側面を拳で強打し、右手の骨を何本も折る重症を負いながら左腕スレスレを斬られながらも回避した。直後に炎剣が大爆発。巻き込まれた蒼夜は勿論死亡、再び巻き戻され再開される。距離を詰め、初撃の振り下ろしを避けながらカウンター気味に首を狙った一閃は当然の様に防がれ届かない。すぐさま首無し騎士の攻撃が来てそれを逸らそうとするも呆気なく破られ死亡。そのまま巻き戻され再開される……事は無く、夢から目覚める時が来たようだ

 

「ん、うう……はあ。何時になったらあの夢は見なくなるんだろう」

 

あの騎士を倒すまで終わらないのかな?だとしたら相当先は長いよね。朝から憂鬱な気分になりながら身支度を済ませ、ビザールさん達に別れを告げてクリアランドの漁港近くにあるカフェに向けて歩き始めた

 

 

 

 

 

「ご注文はお決まりでしょうか」

 

「パンケーキセットを一つください」

 

「畏まりました。少々お待ちください」

 

1500ゴルド(日本円換算で1500円)のコーヒーとパンケーキのセットが届くまで暇潰しに近くに置いてあった新聞を読んでみたら随分と興味の惹かれる記事が有った。記事の内容は探空家のジョットとメープルの兄妹が祖先であるジョルジュが書き残したヴィクトール浮島群より遥か高くにあるとされる世界を見つけた、と言う内容だ。探空家自体にも惹かれるけど未知の世界ってのもロマン詰まってて良いよね~。記事じゃ詳細は書かれてないけど。アルケミスト兼探空家にでもなってみたいなあ。なんて空想を広げてたらコーヒーとパンケーキが運ばれてきた。これを食べ終えたら早くリディさんにお別れを告げないとなあ。確か昨日僕が運び込まれた部屋の隣に居るんだっけ

 

 

 

 

 

「リディさーん、居ますかー?」

 

ノックをしてから中に居ることを願いながら訪ねる。直ぐに足音が聞こえたため中に居るんだと安心した

 

「はいはーい、何か用かしら?ソウヤ」

 

「用って言うか旅に出るから別れの挨拶をしようかと。短い間でしたけどありがとうございました」

 

「あ、もう旅に出ちゃうの?そっか。次に会うとしたらクリアランド(ここ)か、選定試験って事になるのね?」

 

「多分そうなりますね。それじゃあ、お互いに元気で!」

 

「ええ、また会いましょう!」

 

握手をした後、次なる目的地に向けて歩みを進めた。行く先はこの大陸、セントレア大陸における最大級の国家ギルサニア帝国の皇都セントラルだ!

 

 

 

 

 

と意気込んで歩き続けたけど……

 

「ここどこ~!?」

 

ま よ っ た

 

おっかしいなあ?ちゃんと地図通り歩いてると思ってたんだけど。にしてもこうなった以上、暗くなる前に早く何処か安全地帯を見つけないと。野宿なんかして夜盗や野生動物に襲われて死ぬなんて真っ平ごめんだからね

 

モンスターを退けたり魔獣を燃やしたりしながら森を彷徨い続けておよそ数十分、暗くなりかけてたけど村を見つける事ができて更に泊めてもらうことも決まった。ついでにセントラルまでの道順まで教えてもらってラッキー

 

 

 

 

夜。殆どの生物が寝付き、静寂が訪れた頃。村から然程離れていない森に在る古びた魔方陣が仄かな光を放ち始めた。その数秒後に魔方陣から粘性の何かが這いずる音と共に獣の様に四足歩行で蠢く緑色の泥が這い上がった

 

『──』

 

蠢く泥はその体から泥を飛ばし、たまたま上空を飛んでいた鳥を撃ち落とし補食し始める。すると泥の一部が波打つ様に揺れ、その泥より一回り小さく、しかし人間と同等のサイズの泥が生まれた。それを切っ掛けに泥は周りの樹や土等を喰い荒し瞬く間にそして静かにその数を増やしていった

 

森の一部が消滅したと錯覚するほど食い荒らした後、悪意を持って喰み増える泥達が遂に人すら喰わんと動き始める

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