男の娘が冒険したって良いじゃない、寧ろしていけ   作:magunetto01

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クリプトラクト世界の料理はよく分かんないから解説本とか出してほしいな


第七話

その日は何故か寝付けなくて椅子に座ってファウィスを撫でながらボーッと月を眺めていた。だからなのかもしれない。その異変に最初に気付けたのは

 

窓を開けて正面の森、その少し手前に何かが蠢いている感じがしてそこを注視してみると確かに蠢いている何かが有った

 

その何かは徐々にハッキリと見えるようになりやがてそれが幻獣の、ウロデラディタの群れだと気付き直ぐに行動に移した。二階の窓から飛び降り地面に着地するまでの間に指先から火炎弾を飛ばす。狙いなんて一切付けていないけどあれだけの数だ、適当に撃っても何れかに当たる。結果は五発中二発ヒット。その二体が僅かに硬直しそれに後続が激突。群れの一部の動きを一時的だけど封じることに成功

 

「ファウィス!火炎放射!」

 

法獣による火炎放射と同時に両サイドのウロデラディタに火炎弾をお見舞いして更に今造れる限り大きい火炎玉を造り群れめがけて思いっきり蹴っ飛ばして爆発させる。しかし流石は幻獣。足止めにはなっても大したダメージにはなっていないようだ。どうやら今の爆音で村の人達が幻獣の襲来に気付いて避難し始めた。なら避難が終わるまで時間を稼がなきゃね

 

火炎弾を飛ばせるほどスペースに余裕が無くなれば後退しまた火炎弾を飛ばしながら泥と押し潰そうとしてくる前足を避けながら縦横無尽に動きウロデラディタを引き付ける。命懸けの回避を繰り返し続けてふと気付くと村の人達の声が聞こえなくなっている。どうやら避難できたようだ

 

「これで僕の役目は御仕舞い。それじゃあ逃げると──え!?」

 

逃げようと視線を逸らした先、逃げ損ねたのか家の影にに男の子が立っていた。それにウロデラディタも気付き男の子に向けて泥が飛来する

 

「危ない!──ぐぅぅっ!!」

 

僕の右腕を代償に泥を防いだ。今まで味わうことが無かった激痛が襲ってくる。多分右腕の大部分の骨が折れたのだろう、血が止めどなく流れて意識は消えそうなのに鼓動は速くなっていく。でも今はこの痛みに悶えるよりも先にこの子を安全な場所へ逃がす為に男の子の手を取った

 

「だ、大丈夫お姉ちゃん!?」

 

「ぐっ……ははっ、これぐらい平気さ。それより早く逃げよう」

 

 

 

 

 

どれだけ走ろうと足止めをしようとも幻獣の群れは執拗に蒼夜達を追い回し続けた

 

「あっ!くそっ、崖か……」

 

暗い世界の中必死に走り続けて辿り着いたのは前方を崖に阻まれ左は地面が見えないほど高い断崖しか無く後方には幻獣の群れ。唯一逃げられそうな右側に逃げようにもたった今幻獣が放った泥が木々をへし折りその木々が逃げ道を潰した。詰みだ

 

子供を庇いながら視界を多い尽くすほどの幻獣と戦い、勝てるか?否。不可能である

 

(いっそ下に川が流れてることを祈って飛び降りる?いや、もし下が地面だったら死だ。かといってこの数を相手にするのは無理、ならどうすればいい!)

 

思考を回転させ続けるも打開策は浮かばずただ死を待つしか無い。蒼夜達が詰んでいると確信しているのかゆっくりと近付く幻獣達。そして充分に近付き幻獣達が同時に前足を上げた瞬間

 

「ごめん、お姉ちゃん」

 

「え?」

 

視界に急激に星空が写し出され何かが潰れる音と落下する感覚を感じながら蒼夜の意識も落ちていった

 

 

 

 

 

「今日の依頼ちょっと簡単すぎたね~、団長」

 

「よほど危険な場所を渡らない限り行商の護衛なら今回みたいに簡単さ。それでいて報酬は良いんだから中々良い依頼だろう?まあ暇なのは辛いけどねえ」

 

月明かりとそれを反射する川の光だけが唯一の光源になっている道を青竜を連れた少女と赤髪の女性が歩いている

 

「今日はマールテイトに何作ってもらおっかな?牛丼♪海鮮丼♪パエリアも良いかも。迷っちゃうなあ~……ん?」

 

少女が上機嫌に今晩のリクエストを考えていると川の反射光を遮るほどの大きい物体、いや人が流れてきた。

 

「おや、人が流れてるなんて珍しいねえ。助けるかい?」

 

「いやいやいや呑気に言ってる場合じゃないよ団長!早く助けなきゃ!げるるん、あの人を引き寄せて!」

 

青竜が流れてきた人の襟元を軽く加えて少女の元まで引き寄せそれを受け取った少女が流れてきた人の心肺蘇生を試みる中赤髪の女性は右腕部分に大量に付着している血痕に気付き袖を上げて骨折等していないか確認してみたが特に異常は無かった

 

(おかしいねえ。あれだけ血の痕があればかなりボロボロになっている筈だけどこいつの腕はキレイだ。だとすると返り血?右腕だけに?)

 

赤髪の女性が流れてきた人の血痕について思考している間に心肺蘇生が終わったようだ

 

「団長、この子拠点まで連れていって良い?」

 

「途中で投げ出して死なれたら後味悪いからね、連れていきな」

 

「よし!げるるん、この子の運搬お願いね」

 

少女が軽々と流れてきた人を担ぎ上げ青竜の背中に紐でしっかりと括り付け青竜が飛翔すると同時に少女と女性は凄まじい速度で拠点に向けて疾走し始めた




クリプト世界の奴らは大体人外の域に片足以上突っ込んでる
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