男の娘が冒険したって良いじゃない、寧ろしていけ   作:magunetto01

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昇華ナディア強すぎて草だけど素材要求数多すぎでしょ……五帝並じゃん


第八話

「……」

 

寝る前の記憶があやふやだけど何時もの何もない世界の夢を見ている。ただ何時もと違うのはあの首無し騎士ではなく全身黒い煙で覆われた人影が佇んでいた

 

『そんなに警戒しなくてもいいよ。僕は君に喋りかける以外に何も出来ないしその逆も然り』

 

「……あなたは誰?」

 

『ふふふ、僕は誰だろうね?まあ僕が誰かなんてどーでもいい事だし何れ遠き未来で知るだろうからここで語る必要は無し。今回ゼネス……あー、首無し騎士を押し退けてまで来たのは君に忠告するためさ、復讐心に呑まれるな。ってね。まあ無駄になるんだろうけど。それじゃあ言うべき事は言ったし僕は消えるよ、じゃあね~』

 

一方的に話すだけ話したら煙の様に消えてしまった……忠告しに来たって言ってたけど内容が全く分からない。復讐心に呑まれるなって。確かに強く恨んでる人は一人いるけどそれも前世の事だから復讐のしようが無いし……うーん分かんない

 

地面に寝そべって何も考えず頭空っぽにして過ごしていると段々と目覚めの兆候が来た

 

「ん……」

 

瞼の上から光を感じて目を開けた。朝日が眩しい。どこだろうかここは。窓から見える景色からすると二階建ての木造みたいだ。宿……ってわけないよね、泊まった記憶が無いし。誰か居ないか探しに行くついでに僕の服がどこにあるのかも探さないとね。この建物に住んでる人の物なのか緑色のパジャマみたいなの着てるし

 

ベッドから起き上がってバキボキと音を鳴らしながら軽く体を動かしてから廊下に出た。どうやら僕が寝ていた部屋は突き当たりの部屋らしく扉の真正面と右側には壁があって左側に5つのドアと奥に階段が見える

 

階段を下りて左側にターンすると厨房らしき場所に立つ薄紫色のような髪の人が居た。話しかけようかと思ったけど料理中みたいだし待ってよっと

 

蒼夜が待ち始めてから約三分後、階段正面の玄関が開いて緑髪の少女と赤髪の女が現れた

 

「あっ!川で溺れてた人!良かった~、目覚めて」

 

「お帰……お?リュナが連れてきた人、起きたの~」

 

厨房に立つ料理人が料理しながら振り返って漸く蒼夜の存在に気付いた

 

「川で……溺れてた?僕が?」

 

「そうだよ。あの時はビックリしたな~、水に顔突っ込んだ状態で流れてきたんだもん。咄嗟に岸まで引き寄せて応急処置をしたけど死んじゃったらどうしようって焦ったよ~」

 

「そんな状態だったんですか……。助けていただきありがとうございます。っとそうだ自己紹介がまだでしたね。僕は蒼夜、肩に居るのは法獣のファヴィス。まあ僕はまだアルケミストじゃないんですけど」

 

「私はリュナ。この角を見れば分かると思うけど竜人族だよ」

 

「マールテイトよ~。主に料理当番してるの~」

 

「私はメルセスカ。メルセスカエッジって言う傭兵団を率いる団長さ」

 

(メルセスカエッジ……確か学院の書庫に記載があったっけ。金を払えば大抵の事は引き受ける傭兵団。幻獣討伐も引き受けて……うっ!)

 

幻獣。その単語を思い浮かべた瞬間に緑色の何かが脳内に浮かびそれを拒絶するような痛みが脳内に走りその痛みに蒼夜は耐えきれず膝から崩れ落ちた。幸いにも意識は失ってはいないが壁に手を付けそれを支えに立ち上がるのがやっとな程衰弱してしまった

 

「ちょっ!?大丈夫!?やっぱりまだ何処かに傷があるんじゃ?」

 

「だ……大丈夫ですよこれぐらい。痛みは一瞬でしたから」

 

「良くないよ!?とりあえず座って!何か飲む?団長とマールテイトも手伝って!」

 

リュナとメルセスカの二人は蒼夜を椅子まで運びマールテイトは飲み物を取りに行った

 

「ほら、これ飲んで。マールテイトが淹れてくれた紅茶だよ」

 

蒼夜は礼を言い紅茶を飲み、一息吐いた


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