Fate/Another   作:空野刹那

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第1節「もう一つの特異点」

「さぁ…願いを叶えようか…キャスター」

コクリと頷く。

「僕の願いは聖杯戦争をもう一度行う事。

君の願いはなんだい?」

願い…僕の願いはもう叶っている。

ただ…もう一つだけ叶うとしたら…

「もう一度だけ…君たちに会いたい…」

「わかったキャスター。その願い、叶えよう」

 

目が覚める。

いつもと違う景色に少し驚く。

ここはカルデアじゃない…。

「ごめん。ダ・ヴィンチちゃん。聞こえる?」

カルデアから通信がくる。

「はいは〜い。みんなのダ・ヴィンチちゃんだよ。

どうかな?そこはどこか分かるかい?」

辺りを見回す。

恐らく何処かの都市だろう。

少し歩いて何処かを確認する。

ここは駅のようだ。

私は駅から急いで出る。

目の前には大きなビルが建っていた。

しかし東京ではなさそうだ。

人が少ない。

東京なら平日でももっと人がいるだろう。

ということは東京じゃない。

でもなんだろう…この違和感は…。

「どう?どこかわかった?」

「日本のどこかだと思う。東京ではないみたいだけど…」

「わかった。じゃあ今座標を確認するね」

(最初からそうすればよかったんじゃ…)

そう思ったが声に出さずに心に留める。

「出たよ!そこは2019年4月25日!私たちの時代より先の未来だ!」

「未来ですか…どおりで違和感があった」

ここが未来…不思議な気持ちだな…。

「いや…待ってくれ…。違う…。この特異点は異質だ…」

異質とは?と疑問を投げかける。

「ある場所が1580年!つまり戦国時代!

織田信長がいた時代だ!そしてその場所は名古屋!

我々カルデアはこの特異点をこう名付けよう!

【歴史複合領域名古屋】と!」

歴史複合特異点名古屋…。

いつもとは全く違う特異点…。

「カルデアは君にこの特異点を修復してほしい。

頼まれてくれるかい?」

答えは勿論決まっている。

「わかりました。やってみます!」

「頼んだよ!」

その時、急に肌寒くなった。

恐る恐る振り返る。

そこには一人の少年がいた。

「やぁ。君がカルデアからのマスターだね?」

「貴方は誰ですか?」

少年は右手の甲をこちらに見せる。

そこにあるのは令呪だった。

「僕の名前は秀智 光明(ひでち みつあき)。

気軽にみつあきくんとでも呼んでください。

魔術師で、今は聖杯戦争に参加しています」

魔術師、聖杯戦争、令呪。

特異点Fの冬木に少し似ている。

恐らくは特異点のせいで聖杯戦争が起こったのだろう。

そして私はみつあきくんに自己紹介を済ませる。

「あ、そうだ。貴女も参加したらどうですか?聖杯戦争に」

「それはいいかもね!参加しちゃいなよ!きっと楽しいよ?」

ダ・ヴィンチちゃんも勧めてきた。

ちょっとくらいなら…いいかもな…。

「うん。わかった。参加するよ」

そうみつあきくんに答える。

「そう言うと思ってたよ。じゃあまた後日に合流しましょう。

僕は貴女を迎える準備をしてますね!では三日後に名古屋城で」

みつあきくんは足早に去ってしまった。

「いやぁ聖杯戦争かぁ。まずはサーヴァントを召喚しないとね」

召喚か…。

「ダ・ヴィンチちゃん。石ある?」

「魔法使お?」

そう言われると思った。

とりあえず資料にあったとおりに魔法陣を描く。

「いやぁいいサーヴァントを当てれるといいね!」

ダ・ヴィンチちゃんは案外ノリノリのようだ。

そんなダ・ヴィンチちゃんを放っておいてサーヴァント召喚に挑む。

「えーと…召喚!」

雑な呪文だったがこれでよかったみたいだ。

魔法陣が赤く光る。

その刹那。空から雷が落ちる。

雷の落ちた場所には人が立っていた。

あれが恐らく、私のサーヴァント。

「問おう。汝が俺のマスターか?」

そう。これは多分、一番の当たりくじだ。

かの有名な武将。名古屋の偉人。いや、尾張の偉人。

そう。誰もが待ち望んだ。

その名は織田信長である。

 

 

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